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【新戦力分析】~2018年 セ・リーグ~

野球ボール,グローブ
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Photo by cctm/Shutterstock.com

※文章、表中の数字はすべて2018年3月21日現在

広島

<広島:主な入退団選手>

 昨季はリーグ連覇を飾った広島。救援陣の一角を任されたヘーゲンズやブレイシアらがチームを去ったが、投打ともに戦力面の大きなマイナスはない。
 ドラフトでは現有戦力の充実度を示すかのように、高校生を中心に指名。その中で、1位の中村奨成は二軍で早くも実戦の機会を与えられている。同じポジションの坂倉将吾など、若手の競争を活性化させる存在になりそうだ。
 将来性豊かな選手を獲得し、戦力が底上げされた広島。そのニューフェースたちも、球団史上初のリーグ3連覇、そして34年ぶりの日本一を目指す戦いに加われるだろうか。

<戦力変化予想>

阪神

<阪神:主な入退団選手>

 昨季はAクラスに返り咲いた阪神。リーグトップのチーム防御率3.29を記録するなど、投手陣の奮闘が大きな要因だった。
 ドラフトでは馬場皐輔、高橋遥人といった大学生を中心に指名し、開幕直前には西武とのトレードで岡本洋介を獲得。ピッチングスタッフに厚みを加える存在として期待される。
 一方、野手の目玉補強は韓国球界などで活躍を見せたロサリオ。メジャーでも通算71本塁打を放っており、実績は今季加入した12球団の助っ人でもトップクラス。注目を浴びる大砲が前評判通りの打棒を発揮し、チームを頂点に導けるか。

<戦力変化予想>

DeNA

<DeNA:主な入退団選手>

 昨季は3位からクライマックスシリーズを突破したDeNA。先発は今永昇太、石田健大、濱口遥大のサウスポー“三本柱”が話題を集めた中、大学No.1左腕と評される東克樹が加わった今季は“カルテット”に進化を遂げた。
 今永と濱口のコンディションは気がかりだが、チーム内の競争を促し続けたラミレス監督が理想とする陣容に近づいたといえるだろう。
 また、野手陣もFA加入の大和、ルーキーの神里和毅と楠本泰史、さらには新外国人のソトが、それぞれ実戦で存在感を発揮。新戦力のアピールは既存選手の刺激となり、リーグ優勝を目指すチームに勢いをつけてくれるはずだ。

<戦力変化予想>

巨人

<巨人:主な入退団選手>

 3月9日に上原浩治の電撃復帰が発表された巨人。実績十分のベテランが加わりリリーフの厚みは増したが、昨季リーグ最多の188イニングを投げたマイコラスの退団は大きなマイナスと判断せざるを得ない。
 新戦力の野上亮磨やヤングマンの活躍でカバーできるか否かが、今季の焦点となる。一方の攻撃陣は、2017年の本塁打王・ゲレーロの加入で破壊力がアップ。
 ほかにも、大城卓三や田中俊太といった社会人出身の新人選手が実戦で対応力を発揮している。ルーキーとはいえアマチュア時代に多くの経験を重ねた彼らも、チーム力の向上に貢献してくれそうだ。

<戦力変化予想>

中日

<中日:主な入退団選手>

 中日はビシエドを除いた支配下登録の外国人選手が退団し、助っ人勢がほぼ入れ替わった。その中で、メジャー通算51勝のジーなど、新たに加わった選手への期待は当然大きい。そして、ドラフトでは速球派右腕の鈴木博志を1位指名すると、FA市場にも参戦し、日本ハムの正捕手・大野奨太を獲得。
 さらに、キャンプ直前には松坂大輔がテストを経て入団しており、このオフは近年になく話題を集めた。主力がチームを去り、戦力ダウンが懸念される中日。どの球団も活躍を見込んで選手を獲得する中、新戦力の出来がシーズンに最も影響を与えるのは、おそらくこのチームになるだろう。

<戦力変化予想>

ヤクルト

<ヤクルト:主な入退団選手>

 昨季は最下位に沈んだヤクルト。失点数も得点数もリーグワーストだった中、投手の新戦力ではハフに注目したい。オープン戦は打たせて取る投球がさえ渡っており、ローテーションの軸を担うような働きが期待される。
 野手ではメジャー7球団を渡り歩いた青木宣親の復帰が心強い。そのバットはもちろん、チーム最年長野手としてリーダーシップも発揮したいところだ。
 今季は小川淳司監督、かつての中心選手・宮本慎也がヘッドコーチとして“復帰”を果たすと、リーグ王者・広島からは石井琢朗と河田雄祐両コーチが“移籍”。チーム一丸となり、新生ツバメ軍団が再浮上を狙う。

<戦力変化予想>

 

企画、監修:データスタジアム、執筆者:片山 信春