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昨季は2年ぶりの日本一に輝いたソフトバンク。盤石な陣容を示すように、昨秋のドラフトは将来性を重視した指名となった。その中で即戦力として期待したいのが、ドラフト2位で入団した高橋礼だ。アンダースローから浮き上がるようなストレートを投げ込む右腕は、その希少性を生かして早期の一軍デビューを目指す。野手では、シュアな打撃に定評のあるグラシアルを獲得。外国人枠の影響もあり、出場機会は限られることが予想されるが、不測の事態に備えたバックアップとしては心強い存在だろう。経験豊富な大隣憲司や鶴岡慎也らは退団したものの、厚い選手層を誇るチームに死角は見当たらない。
西武は昨季チーム2位の11勝を挙げた野上亮麿をはじめ、勝利の方程式を担った牧田和久、シュリッターといった主力投手の退団が相次いだ。その穴を埋める存在としてまず名前が挙がるのが、野上の人的補償で獲得した高木勇人だ。オープン戦では好成績を残しており、先発ローテーション入りが有力視されている。さらに、開幕直前には阪神とのトレードで榎田大樹を獲得するなど、新人を含めて計8人のピッチャーが加入した西武。主戦級は抜けたものの、特徴の異なる選手を巧みに運用し、投手力の低下を最小限にとどめたい。野手では、日米通算2699安打を誇る松井稼頭央が15年ぶりに復帰。テクニカルコーチも兼任する大ベテランは、若い選手が多いチームにプラスの影響を与えるはずだ。
昨季は則本昂大、岸孝之、美馬学が三本柱を形成するなど、先発陣が充実している楽天。その中に割って入りたいのが、ドラフト1位で入団した近藤弘樹だ。藤平尚真や池田隆英らの台頭もあり、開幕当初は二軍での調整が予想されるが、シーズン中の一軍登板を目指す。野手では、東京六大学リーグで歴代3位の通算21本塁打を記録したドラフト2位・岩見雅紀に注目。チーム待望の和製大砲候補は、杜（もり）の都を沸かせられるか。また、西武を戦力外となったユーティリティープレーヤー・渡辺直人が、8年ぶりに復帰したことも明るい話題だ。バラエティーに富んだ選手が加入した楽天の選手層は、厚みを増したといえるだろう。
オリックスは長年ストッパーを務めた平野佳寿が、メジャー移籍によりチームを去った。しかし、日本ハムからFA権を行使した増井浩俊の獲得に成功。福良淳一監督は抑えでの起用を明言しており、守護神が抜けた穴はカバーできそうだ。新人ではアマチュアNo.1左腕との呼び声が高い田嶋大樹が、オープン戦で前評判通りの投球を披露。ルーキーイヤーの昨季8勝をマークした山岡泰輔とは、高卒社会人出身という共通点があり、田嶋もその流れに続きたいところだ。他にもスピードボールが魅力のK-鈴木や、メジャーでの実績があるアルバースが加わったオリックス投手陣。投打がかみ合えば、上位進出も見えてくる。
二刀流・大谷翔平が海を渡り、投打の大黒柱を失った日本ハム。さらに、守護神・増井浩俊やセットアッパー・マーティン、正捕手・大野奨太など多くの中心選手が抜け、大幅な陣容の変更が迫られている。そんな中でキャンプから話題を独占したのが、歴代最多の高校通算111本塁打を誇る清宮幸太郎だ。オープン戦ではプロの壁に阻まれ、体調不良による調整不足も懸念されるが、希代のスラッガーは、1年目にどんなパフォーマンスを見せるか。一方の投手陣は、3人の新外国人にかかる期待が大きい。ロドリゲス、マルティネスは先発、トンキンは救援としての活躍が見込まれており、彼らの働きがチームの行方を左右するといっても過言ではないだろう。
昨季は球団ワーストの87敗を喫し、6年ぶりの最下位に沈んだロッテ。井口資仁新監督を迎えた今季は、オフに5人の外国人選手が退団するなど助っ人を大幅に入れ替えた。ボルシンガー、オルモス、シェッパーズは、いずれも打者の手元で微妙に動くボールでゴロを打たせるタイプ。助っ人勢は、昨季リーグワーストのチーム防御率4.22に終わった投手陣の救世主となれるか。打者では昨季チーム最多の15本塁打を放ったペーニャが退団したものの、メジャー通算42発のドミンゲスを獲得。また、新人では社会人出身の藤岡裕大、菅野剛士がそろって開幕戦でのスタメン起用が濃厚。即戦力ルーキーは、チームに新たな風を吹かせることができるか。
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