西武
※200打席以上の選手を対象
昨季は後半戦に球団59年ぶりの13連勝を達成し、2013年以来のAクラス入りを果たした西武。この躍進を支えたのは、若い選手の力だろう。
山川が後半戦にホームランを量産し、2カ月連続で月間MVPを獲得。源田はリーグ2位の37盗塁を記録し、外崎はバットと俊足で攻撃にアクセントをつけた。昨季は不振だった中村やメヒア、故障で前半戦を棒に振った森が万全の状態で加われば、打線の攻撃力はさらに増すだろう。
※DER…本塁打を除く打球を野手がアウトにした割合
もうひとつ変化を挙げるとすれば、野手陣の守備だ。チームの守備力を簡易的に示す指標であるDERは、前年から大幅に改善されていた。特に長年固定できなかったショートで、守備力の高い源田がフルイニング出場した影響は大きいだろう。野上や牧田といった主力がチームを離れ、投手陣には不安が残るものの、多和田や高橋光、ルーキーの齊藤大など期待の若手も多い。
守りの力で投手をサポートし、戦力流出の影響を最小限にとどめたい。
ソフトバンク
2017年のソフトバンクはシーズンを通じて安定した強さを見せ、直近5年間で3度目の日本一に輝いた。近年の日本プロ野球はソフトバンク中心に動いている、そういっても過言ではないだろう。
この強さの源は、なんといっても投打に充実した戦力だ。平均得点リーグ2位、平均失点はリーグ最少と投打に隙のない野球を披露した。
2016年と比較して、17年に改善されたのはクリーンアップの得点力だ。16年はDHの長打力で他球団に見劣りし、課題となっていたが、そこに日本で実績のあるデスパイネを補強。柳田、内川と強力なクリーンアップを形成し、昨季は打撃3部門すべてでリーグトップの成績を残した。この中軸の破壊力は、今季も他球団の驚異となるだろう。
現段階では新助っ人のグラシアルをはじめ、チーム内に故障者が続出している。特に捕手陣は高谷、栗原が相次いで負傷し、正捕手と目される甲斐以外は一軍経験のない選手ばかりだ。逆にいうと、谷川原や九鬼のようなホープに経験を積ませるチャンスでもある。この状況を王者はどう乗り切り、生かすのか。若手の起用法にも注目のシーズンとなりそうだ。
企画、監修:データスタジアム、執筆者:雲瀬 亮太