上原が達成間近の「トリプル100」と名球会 入会資格は見直すべきか|【SPAIA】スパイア

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上原が達成間近の「トリプル100」と名球会 入会資格は見直すべきか


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Ⓒゲッティイメージズ

上原に期待される前人未到の偉業「トリプル100」

2018年シーズン開幕の3週間前、3月9日に巨人への復帰が決定した上原浩治。前在籍時代に沢村賞を2度受賞したかつての絶対的エースは、10年ぶりに帰ってきた古巣でどんな投球を見せてくれるだろうか。

上原の持ち場は、当然リリーフとなるだろう(先発登板はメジャー初年度の2009年が最後)。2017年はカブスで49試合に登板。防御率は3点台後半だったものの、奪三振数は投球イニング(43回)以上の50個を記録した。代名詞のスプリット、「浮き上がる」と表現される独特の真っすぐの威力はまだまだ健在だ。守護神候補のマシソン、カミネロにつなぐ、勝利の方程式の一員としての活躍が期待される。

プロ20年目を迎える大ベテランには、未だ日本球界で誰も達成者がいない大記録が控えている。通算成績で「100勝・100セーブ・100ホールド」の達成を指す「トリプル100」だ。

「100ホールド」まで残り10ホールド。今季中の快挙達成は確実か?

「トリプル100」は先発・クローザー・中継ぎという投手の3ポジションすべてで、それぞれ長期にわたって活躍しなければ達成できない記録だ。上原のキャリアのスタートは先発だった。

1999年に大阪体育大学からドラフト1位で巨人入りした上原。新人年に20勝を挙げて新人王、沢村賞、ゴールデングラブ賞など、数々の個人賞やタイトルを獲得する衝撃デビューを飾る。 翌年からはエースとして7年連続開幕投手を務め、プロ8年目となる2006年に通算「100勝」を達成した。

先発へのこだわりが強かった上原だが、2007年に故障の影響やチーム事情でクローザーに転向。巨人最終の2008年は先発に復帰し、2009年のメジャー挑戦(オリオールズ入団)も先発で果たしている。だがオリオールズ2年目にチームからリリーフ転向を命じられ、以降はリリーフ専任でキャリアを重ねた。

オリオールズ2年目以降と、2011年途中から移籍したレンジャーズでは、中継ぎが主な役割だった。2013年加入のレッドソックスでは好投を買われ、シーズン途中から守護神に定着。ワールドチャンピオンの立役者となったこの年から3年連続で20セーブ以上を挙げ、2015年に日米通算「100セーブ」を達成した。

カブスに移籍し、日米通算「100ホールド」まで残り24ホールドで迎えた2017年は14ホールド。シーズン終了時点の日米通算成績は、「134勝88敗・128セーブ・90ホールド」となった。

上原,日米通算成績,トリプル100


前人未到の快挙まであとわずか10ホールド。10年ぶりの日本球界復帰が必ずしも成功するとは限らないが、メジャー時代と変わらぬパフォーマンスを発揮し、勝ちパターン継投入りを果たせれば、シーズン中の「トリプル100」達成は確実といえるだろう。

上原でも遠い名球会……「トリプル100」は投手の入会資格を見直すきっかけになるか

今オフは10年目となる大リーグでの現役続行に強い意志を示し、「メジャー契約が無ければ引退」とも口にしていた上原。FA選手の移籍市場の動きが異常に遅いというオフの状況の中で、発言を撤回しての日本球界復帰となった。達成間近の偉業が残されていることは、現役続行を決断するにあたって強いモチベーションとなったのではないだろうか。

2018シーズンで上原は43歳を迎える。これが最後のシーズンになるかもしれないが、今すぐに引退しても彼の残した功績は間違いなく一流だ。しかし、長くプロ野球に貢献した一流選手の功績を称える「名球会」入りの可能性はというと、今の基準のままでは絶望的である。投手の名球会入会資格は「200勝」または「250セーブ」。先発・リリーフの両方でプレーした上原の通算成績は、どちらにも遠く及ばない。

名球会は現在64名がメンバーに名を連ねる。内訳は打者48名(通算2000安打以上が入会資格)・投手16名。投手にとって圧倒的に入会が難しい状況だ。分業化が確立された現代のプロ野球で投手が名球会入りするには、「先発・クローザーのどちらか一本」でキャリアを通じて活躍しなければ入会資格を満たすのは難しい。特に上原のようなキャリアを送った投手は、入会への難易度が跳ね上がるのだ。これが投手の名球会員が少ない理由のひとつといえるだろう。

先発・クローザー・セットアッパーも含む中継ぎと役割を変えながら、どのポジションでも一流投手として活躍し続けてきた上原の凄さ。彼が「トリプル100」達成となれば、この唯一無二の功績をわかりやすい形で世に残す名誉となる。同時に投手の名球会入り資格について、球界に疑問を投げかける契機になるかもしれない。

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