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過去の開幕投手におけるサプライズ起用は?


3年間未登板だった川崎憲次郎

落合博満監督が中日の監督へと就任した2004年シーズン。その開幕投手を務めたのが川崎憲次郎だった。

川崎は1988年ドラフト1位でヤクルトに入団する。2000年までに88勝(80敗)の成績を残しFA宣言。同じセ・リーグの中日へと移籍する。しかし右肩の故障により、登板することができないまま3年が過ぎた。このような状況にもかかわらず、落合監督は川崎を自身の就任1年目の開幕投手に指名したのだ。

その開幕戦でブランクは隠すことができずに2回途中でノックアウト。結果を残すことができなかった川崎はこの年にユニフォームを脱いでいる。

この采配は大きな波紋を呼んだが、川崎に開幕戦で白黒を付けさせる意図があったことを当時のコーチであった森繁和(現・中日監督)は語っている。3年間働くことができなかった川崎に開幕戦という舞台を用意し、ここで結果を残すことができなければ引退を決意させる。このような大胆なことを開幕戦で行ってしまうのが落合監督だったのだ。

勝利の方程式を務めた浅尾が大役に!

2009年の中日は開幕投手に浅尾拓也を指名した。浅尾は前年(2008年)に44試合へ登板。先発はなく、すべて中継ぎとして起用され3勝1敗1セーブ、12ホールド、防御率1.79の成績を残し勝利の方程式の一角を担っていた。その浅尾を落合監督は開幕投手に指名したのだ。

この試合で8回1失点(自責0)の好投を見せた浅尾は先発を継続。しかし、先発で結果を残すことはできずにセットアッパーへと再転向し、チーム最多となる67試合の登板を果たしている。

武田勝を差し置き先発した斎藤佑樹

2012年の開幕戦で唯一の完投勝利を飾ったのが、2年目の斎藤佑樹(日本ハム)だった。この年の日本ハムは栗山英樹監督が就任1年目。また、前年のオフにエースのダルビッシュ有がポスティングでテキサス・レンジャーズへと移籍したシーズンでもある。ダルビッシュが抜けたことで、開幕投手は前年11勝(12敗)をマークしていた武田勝が有力視されていた。

しかし、栗山監督は前年6勝(6敗)の斎藤を開幕投手に指名する。この大舞台で斎藤は9回1失点と好投し自身初完投勝利をマーク。栗山監督の初陣を飾ることに大きく貢献している。この勢いに乗った日本ハムは3年ぶりにパ・リーグを制覇した。

この開幕戦が高校時代から常に注目を浴び続けてきた斎藤が、プロ野球の世界でもっとも輝いた日といっても過言ではない。

新人の開幕投手は生まれるか?

前年のドラフトでプロ入りした選手が開幕投手を務めることは多くない。しかし、2013年の楽天・星野仙一監督はドラフト2位ルーキーの則本昂大を開幕投手に抜擢した。この年は第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催されたこともあり、エースの田中将大(現・ヤンキース)が登板できなかったことがあるものの、大役を任された則本。試合では敗戦投手となったが、この年15勝をマークし日本一に貢献。球界を代表するエースへと成長した。

新人の開幕投手はセ・リーグでは1984年の高野光(ヤクルト)、パ・リーグでは1958年の杉浦忠(南海/現・ソフトバンク)以来のできごとだった。これほどまでに珍しい、新人の開幕投手。次に期待されるのは第5回WBCが開催される2021年かもしれない。

新外国人投手は過去2例

前述のとおり、新人投手の開幕投手は珍しい。では新外国人の開幕投手はどうだろうか。2017年は開幕投手に3名の外国人選手が名を連ねるなど、決して珍しくなくなったものの、新外国人に限るとほぼいない。

楽天が新規参入した2005年以降、新外国人選手の開幕投手は不在。さらに歴史を紐解くとパ・リーグが2000年のウォルコット(近鉄)、セ・リーグでは1987年にキーオ(阪神)が大役を務めていることがわかる。しかし、新外国人選手の開幕投手はこの2例のみだ。やはり、日本での実績がない選手へ、開幕投手を任せることはむずかしいということだろう。

また、開幕戦は前年に実績を残した投手へ託したいという監督の思いもありそうだ。

このように例は多くないが、様々なサプライズ起用が開幕戦でも起こっている。前年の実績ある投手が順調であれば迷うことはないものの、毎年全員が順調なわけではない。アクシデントや国際大会などもある。今シーズン以降もアッと驚く開幕投手を見ることはできるだろうか。各球団監督の采配に注目したい。

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