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巨人・小林誠司は絶対的な捕手になれるか~厳しい環境と自身の成長~


小林誠司

Ⓒゲッティイメージズ

小林はレギュラーを死守できるか

2017年シーズンは、巨人の正捕手として1年間ホームを守り抜いた小林誠司。2年連続で規定打席に到達した選手の中で、打率最下位と打撃にはまだまだ課題を残しつつ、自身初のゴールデングラブ賞に最優秀バッテリー賞(投手・菅野智之)を獲得するなど、守備面では大きな成長を見せた1年だった。シーズン前にはWBCでも大活躍し、一皮も二皮も向けたように思う。

しかしチーム首脳陣から絶対的な信頼を勝ち取ったというわけではない。2018年にはその立場が、別の選手に奪われるということもありうるのだ。彼を取り巻く環境は、毎年のように厳しさを増している。

ドラフトで次々に捕手を獲得

2017年10月のドラフトで、なんと巨人は4人もの捕手を指名した。ドラフト2位で岸田行倫(大阪ガス)、ドラフト3位で大城卓三(NTT西日本)、育成ドラフト5位で広畑塁(立正大)、育成ドラフト6位で小山翔平(関西大)。オフシーズンに鬼屋敷正人、相川亮二、実松一成、松崎啄也と4人の捕手がチームを去ったという事情もあるが、小林の新たなライバルを獲得したという見方もできる。

さらに宇佐見真吾も台頭してきた。小林とは対照的にバッティングが売りの選手であり、2017年シーズンは、21試合で打率.350(40-14)、4本塁打を記録している。小林が少しでも気を抜いたプレーを見せてしまえば、あっという間にその立場が脅かされることだろう。

守備面では年々成長

年々成長を見せている小林だが、2017シーズンでは特に捕逸・チーム暴投数の少なさが目立つ。137試合で守備に就いたものの、捕逸数2、チーム全体の暴投数25はいずれもリーグ最少の数字だ。この数字を他球団の捕手と比べてみよう。


  • 中村悠平(東京ヤクルトスワローズ)
    出場:126試合 捕逸数:6 チーム暴投数:34

  • 戸柱恭孝(横浜DeNAベイスターズ)
    出場:110試合 捕逸数:5 チーム暴投数:48

  • 梅野隆太郎(阪神タイガース)
    出場:112試合 捕逸数:4 チーム暴投数:41

  • 會澤翼(広島東洋カープ)
    出場:106試合 捕逸数:2 チーム暴投数:35

100試合以上で守備に就いた各チームの捕手と比べると、いかに小林の数字が優れているかがわかる。130試合以上出場して捕逸数を2以下に抑えたのは、1992年の古田敦也(元ヤクルトスワローズ)以来25年ぶりの快挙だ。

捕逸数の少ない捕手として有名な里崎智也(元千葉ロッテマリーンズ)は、2007年に125試合の出場で捕逸数1という数字を記録している。はたしてこの数字に近づけるだろうか。

ワンバンドの変化球もきっちり止められるように

これだけ捕逸数・暴投数を抑えられたのは、キャッチング技術の向上があってこそだ。以前から小林のキャッチングはあまり評価が高くなく、特にワンバウンドの変化球の止め方は問題視されていた。

それを象徴するのが2016年の秋に行われたWBCの強化試合だ。福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大とバッテリーを組んだ小林であったが、フォークボールを3度も後ろにそらしてしまった(記録上はすべて千賀の暴投)。

普段組むことがないパリーグの投手、しかも千賀は「お化けフォーク」と呼ばれるほど落差の大きなフォークを武器にしていたことに加え、WBC球は変化量が多くなりやすい。確かにミスを誘発する要因は多く存在していた。

問題だったのは、小林がフォークに対して、キャッチャーミットを上からかぶせて取りに行こうとしていたことだ。ワンバウンドしそうな変化球にミットを下から出すというのは、キャッチャーとして基本中の基本である。そういったプレーを何度も見せていたことに、ファンたちは懐疑的な目を向けた。

しかし3月の大会本番からは、秋までのプレーとは一転。嶋基宏が代表を辞退したこともあり全試合で先発出場し、ワンバウンドの変化球も、後ろにそれそうな球もしっかり捕球していた。シーズンに入ってからも変わらなかったその姿が、捕逸数2という数字に表れたのだろう。

ミットを新調して安定感のあるキャッチングに

小林にはワンバウンドの処理だけでなく、捕球後にミットが流れてしまうという問題もあったのだが、こちらもだんだん少なくなってきた。捕球時にミットが流れてしまうと、きわどい球もボール判定されやすくなってしまうのだが、今ではしっかりと捕球している。

これは前任捕手であり、日本を代表する捕手でもあった阿部慎之助の助言が大きいという。ミットが流れてしまうのは、たいてい投手の球威に押されているのが原因のため、阿部はミット親指部分をもう少し分厚くするようにアドバイスした。

そうすることでボールが入るゾーンが狭くなり、捕球技術は今まで以上に必要となるものの、投手の球威に力負けすることも少なくなり安定感が増すのだ。ミットを変えたのは1月の自主トレ中のことだが、その後に行われたWBC強化合宿などで一流投手の球を受けることで捕球技術を磨いた。

ミットを変えても矢のような送球は変わらず

ミットを分厚くすると、捕球から送球までのモーションにも影響が出てしまうのだが、小林にとっては心配のないポイントだった。というのも小林の強肩はプロ入り前から評判であり、小さなステップでも矢のような送球を投げることができるのだ。球を取ってから投げるまでが早く、12球団でNo.1といっても過言ではないだろう。

今では相手に走られることも少なくなり、2016年には129試合で73だった企図数が、2017年は137試合で50度になった。もはや彼の存在自体が盗塁の抑止力になっている。仮に走られたとしても、矢のような送球でランナーをしっかりと刺し、盗塁阻止率は2年連続でセリーグトップだ。


  • 2016年:129試合 企図数73 盗塁刺26 盗塁阻止率.356
  • 2017年:137試合 企図数50 盗塁刺19 盗塁阻止率.380

やはり課題は打撃

守備面では大きく成長してきた小林だが、最大の課題はやはり打撃だ。2年連続で規定到達者中の打率最下位に甘んじてしまい、安打数も100を超えていない。WBCやオールスターでは、周が驚くような打撃を見せていたが、守備とは正反対でシーズン中は特に目立ったプレーを見ることはできなかった。

もともと小林は打撃が得意ではない。広陵高校の3年に春夏連続で甲子園に出場しているが、春の選抜では中軸を打ちながら3試合で打率.154(13-2)と活躍できず、夏の甲子園に出場した際には、野村祐輔(現:広島東洋カープ)に次ぐ9番に下がっていたほどだ。

守備面では年々成長を見せているだけに、この貧打が何とかなれば……と感じてしまう。プロ5年目で打撃力を一気に上げることは難しいかもしれないが、守備面同様に今後の成長を期待したい。

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