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【セ・リーグチーム分析】 ~ヤクルト、中日編 (2017年シーズン終了時点)~

野球ボール,バット,グローブ
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Photo by LightField Studios/Shutterstock.com

※文章、表中の数字はすべて2017年シーズン終了時点

ヤクルト

<2017年ヤクルト:主な先発投手成績>

※先発登板時の成績を対象

 

 昨季は球団史上最多の96敗を喫したヤクルト。チームの抜本的な立て直しが求められる中、2年連続で防御率がリーグワーストに沈んでいる投手陣の整備は重要課題のひとつだ。
 特に、昨季は貯金をつくった投手が小川のみだっただけに、先発陣の奮起が求められるところ。オフには元中日のアルメンゴやメジャー通算25勝のハフらを補強したが、チームの上位進出には原や星といった若手のレベルアップが不可欠になってくるだろう。

<2017年ヤクルト:主な優勝メンバーの打撃成績>

※2015年の規定打席到達者を対象

 

 2016年にリーグ2位の594得点を挙げた打線も、昨季は同ワーストの473得点と鳴りを潜めた。その要因に挙げられるのが、椎間板ヘルニアでシーズンを棒に振った川端を筆頭に、3年前の優勝に貢献した選手があらかた故障や不振に悩まされたことだろう。
 ただ、直近2シーズンを見ると、16年から加入した坂口や、15年はケガに泣いたバレンティンらが打線をけん引。さらに、昨季までメジャーでプレーしていた青木の7年ぶりとなる古巣復帰も決まった。
 役者はそろっているだけに、優勝時の主力メンバーが本領を発揮できれば、強力打線の形成が現実味を帯びてくる。

中日

<2013~17年中日:25歳以下の先発投手成績>

※年齢…各年度の誕生日を迎えての満年齢
※先発登板時の成績を対象

 

 最下位からの巻き返しを期した中日は、5年連続Bクラスとなる5位でシーズンを終えた。そんな中で、若い先発投手の台頭は明るい材料といえる。昨季は2年目の小笠原が19試合に先発し、プロ初完投も記録。他にも、4年目の鈴木翔や、ルーキーの柳、笠原など、20代前半の投手が頭角を現した。チーム2位の146イニングを投げたバルデスが退団したこともあり、今季も若手には多くのチャンスが与えられるだろう。
 その中で何人の投手が飛躍を遂げるか、注目が集まる。

<2017年セ・リーグ:後半戦本塁打ランキング>

※後半戦…オールスター後

 

 打線では、本塁打王を獲得したゲレーロが巨人に移籍。長打力の低下が懸念される中、期待したいのが12年目を迎える福田だ。昨季は7月から調子を上げ、シーズン18本塁打のうち後半戦だけで17本を記録。
 8月16日以降は全試合でクリーンアップに座るなど、和製大砲として存在感を発揮した。故障などで長期離脱があったビシエドや平田と共に、福田がシーズンを通して中軸の役割を全うできるかは、ひとつのポイントになるだろう。

 

企画、監修:データスタジアム、執筆者:片山 信春