「リクエスト」制度が18年から導入
2017年11月にプロ野球の実行委員会が行われ、審判の判定に異議がある場合、監督が映像によるリプレー検証を要求できる「リクエスト」制度が18年から導入されることが決まった。メジャーリーグが「チャレンジ」制度を採用してから遅れること4年、日本でもビデオ判定が拡充されることになる。
従来のリプレー検証では、ホームラン性の打球や本塁上でのクロスプレー、併殺崩しの危険なスライディングなど、対象となるプレーが限定されていた。しかし、リクエストではその範囲が大幅に広がり、アウト、セーフやフェア、ファウルの判定にも適用が可能になる。
ただし、メジャーリーグのチャレンジでは専用のスタジオと映像を用いるのに対し、リクエストは球場の控室でテレビ中継用の映像を使用。また、チーム関係者がベンチ裏で事前に映像を確認するなどの行為が発覚した場合、監督は退場となる。
最も大きなポイントが、これまでは審判員の判断でリプレー検証を行っていたのに対し、リクエストでは監督がリプレー検証を要求する権利を持つことだろう。ただし、リクエストが認められるのは1試合につき2回までで、延長戦ではそれまでの回数がリセットされて1回のみ行使が可能となる。
判定が覆った場合は回数にカウントされないものの、阪神・金本知憲監督が「多少の駆け引きはあるでしょうね」と語ったように、リクエストの“使いどころ”も重要になるかもしれない。
ちなみに、2017年のレギュラーシーズンでは、確認できた限りで合計67回のリプレー検証が行われた。そのうち、判定が覆ったのは約3分の1にあたる24回で、これを多いと見るか、少ないと見るかは判断が難しいところだ。もっとも、リクエスト導入後はリプレー検証の対象が拡大するため、この割合にも変化が見られるかもしれない。18年は、こうした“リクエスト成功率”にも注目が集まりそうだ。
企画、監修:データスタジアム