日本ハムを入退団した3選手
前回のコラムに引き続き、このオフにFA権を行使した選手を取り上げる。今回は、日本ハムを入退団した3選手について見ていこう。
※奪三振率…9イニングあたりの奪三振数
※救援で50投球回以上の投手を対象
日本ハムからオリックスに移籍したのが、長きにわたって投手陣を支えてきた増井浩俊だ。守護神・平野佳寿がメジャーへ渡ったオリックスにとって、通算110セーブを誇る増井は穴埋めにうってつけの存在といえるだろう。
特に魅力的なのが奪三振率の高さで、2017年はリーグMVPに輝いたソフトバンク・サファテをも上回る14.01をマーク。勝利の方程式の一翼を担った近藤大亮、黒木優太らとともに、鉄壁のリリーフ陣を形成できるかに注目が集まる。
もうひとり、FA権を行使して日本ハムを去った大野奨太は、中日への入団を決めた。2013年から5年連続Bクラスに沈んでいる中日だが、その要因のひとつに若手捕手がなかなか台頭せず、スタメンマスクを固定できていない点が挙げられるだろう。
近年の大野は右肘の故障に悩まされながらも、16年にはゴールデングラブ賞に輝くなど、その実績は確か。岐阜県出身で「小さいときはドラゴンズファン」ということもあり、相思相愛の移籍といえそうだ。
※捕手出場時以外の成績も含む
一方、扇の要を欠くことになった日本ハムは、ソフトバンクからFA宣言した鶴岡慎也を獲得した。日本ハムの捕手事情を見ると、2017年は大野に加え、市川友也や清水優心らを併用したが、いずれも目立った結果は残せず。
打率.413をマークした近藤健介も捕手登録ではあるが、全て外野手やDHでの出場で、この先もマスクをかぶるかは不透明な状況だ。それだけに、過去7度のリーグ優勝を経験し、17年も32打席ながら打率.321、3本塁打と存在感を示した鶴岡の加入は大きいだろう。ベテランの古巣復帰によって、捕手陣の競争がより激しくなることが期待される。
もちろん、活躍の場を新天地に移した選手もいれば、宮西尚生や中田翔のように、チーム愛を貫いて残留を決めた選手もいる。熟慮の末に下したであろう決断が、2018年の彼らにどのような結果をもたらすか、今後も目が離せない。