巨人入りを決めた野上亮磨、DeNAに移籍した大和
長年にわたって一軍でプレーを続けた選手に与えられるFA権。このオフは7選手が権利を行使した。
その中で今回は、西武から巨人入りを決めた野上亮磨、阪神からDeNAに移籍した大和の2選手について見ていこう。
2017年は自己最多タイの11勝を記録した野上。9イニングあたりの与四球数を示す「与四球率」は1.50、同じく奪三振数を示す「奪三振率」はキャリアハイの7.06を記録するなど、投球内容もレベルアップしている。
そんな右腕を迎え入れた巨人は、昨季の先発防御率がリーグトップを誇ったものの、その柱だったマイコラスがオフに退団。この穴を埋めるのは容易ではないが、FA右腕は期待に応えられるだろうか。
※ゴロ/フライ=ゴロ打球÷フライ打球
そこで気になるのが、野上の投球スタイルだ。ゴロ打球とフライ打球の比率を見ると、フライのほうが多い投手ということが分かる。
ただ、昨季の被本塁打は、パ・リーグ規定投球回到達者で2番目に少ない10本と、フライの多さが被弾につながることは少なかった。その中で、本拠地となる東京ドームをはじめ、主戦場がセ・リーグの球場に変わる今季。
広さやフェンスの高さといった「環境の違い」は、どのような影響を与え、野上が対応していくのか注目していきたい。
※二塁以外での出場時の成績も含む
昨季は複数ポジションを守りながら計100試合に出場した大和。新たに取り組んだ左打席でも打率.276を記録し、ユーティリティー性に一層の磨きをかけた。
DeNAへの入団が決まり、ラミレス監督は二塁で起用する構想を明かしている。昨年のポストシーズンでは全試合で先発二塁手を務めた柴田竜拓らと、激しい競争を見せてくれるだろう。
また、ショートや外野手としてもトップクラスと評される守備力は、倉本寿彦や桑原将志などにも刺激を与えるはずだ。相手投手の左右に影響されない「両打ち」もメリットで、チームとしては頼もしい戦力が加わったといえる。
昨年は不本意な成績に終わった巨人と、さらなる躍進を目指すDeNA。頂点をつかむために白羽の矢を立てられた両選手が、それぞれのチームでどのような活躍を披露するのか、今から開幕が待ち遠しい。
企画、監修:データスタジアム