1位入札で6度の抽選は史上最多タイ
高校生史上最多となる7球団競合となった早稲田実業学校の清宮幸太郎選手。その抽選を皮切りに1位指名で合計6度の抽選が行われた。6度の抽選は2013年以来4年ぶりとなる史上最多タイでもあった。
また、清宮選手をはじめ中村奨成選手(広陵高)、安田尚憲選手(履正社高)、村上宗隆選手(九州学院高)、吉住晴斗選手(鶴岡東高)と5人の高校生が1位指名された。
超高校級と呼ばれる高校生でも1年目から一軍で活躍することは稀だ。大学生・社会人の即戦力候補が少なかったことが、将来への投資として高校生の1位指名の多さに繋がったといえそうだ。
11球団が抽選を行ったなか唯一、一本釣りに成功したのが横浜DeNAベイスターズだ。大学日本代表のエースでもあった東克樹選手(立命館大)を指名。3年連続で大学生左腕を獲得した。
今永昇太選手(2015年1位)、濵口遙大選手(2016年1位)ともに結果を残しており東選手にも同様の期待がかかる。
【1位入札】
<入札1>
清宮幸太郎選手(早稲田実業学校):7球団(交渉権:北海道日本ハムファイターズ)
田嶋大樹選手(JR東日本):2球団(交渉権:オリックス・バファローズ)
中村奨成選手(広陵高):2球団(交渉権:広島東洋カープ)
東克樹園手(立命館大):1球団(交渉権:横浜DeNAベイスターズ)
<入札2>
安田尚憲選手(履正社高):3球団(交渉権:千葉ロッテマリーンズ)
村上宗隆選手(九州学院高):3球団(交渉権:東京ヤクルトスワローズ)
鈴木博志選手(ヤマハ):1球団(交渉権:中日ドラゴンズ)
齋藤大将選手(明治大):1球団(交渉権:埼玉西武ライオンズ)
<入札3>
馬場皐輔選手(仙台大):2球団(交渉権:阪神タイガース)
鍬原拓也選手(中央大):1球団(交渉権:読売ジャイアンツ)
近藤弘樹選手(岡山商科大):1球団(交渉権:東北楽天ゴールデンイーグルス)
<入札4>
吉住晴斗選手(鶴岡東高):1球団(交渉権:福岡ソフトバンクホークス)
その他の注目選手たちは?
ドラフトで注目を浴びるのは1位指名選手だけではない。その他の順位にも注目度の高い選手は数多くいる。
慶應義塾大学のスラッガー岩見雅紀選手は楽天が2位で指名。東京六大学記録更新とはならなかったが、通算21本塁打は歴代3位だ。大学生屈指の長距離砲が杜の都でベールを脱ぐことになる。
岩見選手と同じく東京六大学で注目を集めていたのは、宮台康平選手(東京大)だ。日本ハムから7位指名を受け、東大史上6人目となるプロ入りを果たすことになる。『東大』という話題性ではなく実力で存在感を発揮したい。
高校生では2017年夏の甲子園優勝校でもある、花咲徳栄高校から清水達也選手(中日4位)、西川愛也選手(西武2位)の2名が指名された。甲子園優勝から日本一を目指すことになる。
田中広輔選手(広島)の弟として注目を浴びていた田中俊太選手(日立製作所)は巨人が5位で指名。兄弟で同リーグ所属となった。
巨人が捕手4人を指名
12球団の多くが悩んでいるであろう捕手の育成。2017年シーズンもセ・パ両リーグで規定打席に到達したのは小林誠司選手(巨人)、中村悠平選手(ヤクルト)の2名のみ。その他の球団は、捕手併用制を敷き固定しなかった。
そのひとつの理由に『打てる捕手』がいないということがあげられる。
巨人は小林選手が規定打席に到達したものの、打率.206とセ・リーグワーストだ。シーズン終盤には若手の宇佐見真吾選手が台頭し、スタメンマスクを奪われる日もあった。
宇佐見選手はわずか21試合の出場ながら打率.350(40打数14安打)、4本塁打、8打点を記録。ふたりともまだ若く、2018年シーズンは小林選手とレギュラー争いを繰り広げることが予想されていた。
しかし、岸田行倫選手(大阪ガス/2位)、大城卓三選手(NTT西日本/3位)、広畑塁選手(立正大/育成5位)、小山翔平選手(関大/育成6位)と4名の捕手を指名。
とくに上位ふたりは社会人出身ということもあり、即戦力候補でもある。コンバート含めどのような体制でシーズンに臨むのか注目が集まる。
BFLから初の支配下指名
2016年ドラフトで2人の育成指名を輩出したベースボール・ファースト・リーグ(BFL)から初の支配下指名選手が誕生した。楽天が5位で指名した田中耀飛選手(兵庫ブルーサンダーズ)だ。田中選手は2017年シーズンに打率.422(109打数46安打)、15本塁打、39打点をマークし三冠王を獲得している。同リーグから初の支配下登録選手として期待がかかる。
BCリーグからは過去最多となる支配下4人、育成2人の合計6人が指名された。2016年ドラフトでも3人が指名された石川ミリオンスターズから今回も3人が指名されている。
BFL、BCリーグと過去最多の指名人数となったが、四国アイランドリーグplusからは2名のみとなった。しかし、伊藤翔選手(徳島インディゴソックス)は3位と高評価を得ており期待度は高い。
また、徳島インディゴソックスは5年連続でドラフト指名選手を輩出している。今後、高校生が大学、社会人を目指さずに独立リーグを経てNPBを目指すケースがますます増えてくるかもしれない。
【独立リーグからの指名】
<四国アイランドリーグplus>
伊藤翔選手(徳島インディゴソックス):西武3位
大藏彰人選手(徳島インディゴソックス):中日育成1位
<BCリーグ>
寺田光輝選手(石川ミリオンスターズ):DeNA6位
寺岡寛治選手(石川ミリオンスターズ):楽天7位
沼田拓巳選手(石川ミリオンスターズ):ヤクルト8位
山本祐大選手(滋賀ユナイテッドBC):DeNA9位
和田康士朗選手(富山GRNサンダーバーズ):ロッテ育成1位
渡邉雄大選手(新潟アルビレックスBC):ソフトバンク育成6位
<BFL>
田中耀飛選手(兵庫ブルーサンダーズ):楽天5位