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故障者続出!ヤクルトの2017年シーズンまとめ

2017 11/10 12:24cut
明治神宮球場
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2017年の東京ヤクルトスワローズ

2015年にセリーグ制覇を成し遂げた東京ヤクルトスワローズ。2016年シーズンが5位、そして2017年シーズンが最下位とわずか2年で低迷してしまった。そのヤクルトのチーム成績を見ると投打ともに奮っていないことがよくわかる。

【2017年シーズン成績】

順位:6位
勝敗:45勝96敗2分
勝率:.319
打率:.234(6位)
本塁打数:95本(6位)
得点数:473点(6位)
盗塁数:50盗塁(6位)
防御率:4.21(6位)

チーム打率、防御率がともにリーグ最下位。また、他の球場に比べて狭く本塁打のでやすい神宮球場が本拠地であるにも関わらず、本類打数も最下位だ。そして、盗塁数も最下位と長打力を機動力で補うこともできなかった。

それが勝敗にも如実に表れている。開幕から波に乗ることができず、オールスターゲーム前の前半戦で大型連敗(14連敗、10連敗)を2度体験。早々に優勝戦線、クライマックスシリーズ争いから脱落してしまった。
また、川端慎吾選手、畠山和洋選手、雄平選手、秋吉亮選手と投打の主軸が相次いで故障し離脱。
その穴埋めに野手のリベロ選手を新外国人選手として、また、屋宜照悟選手をトレードで北海道日本ハムファイターズから獲得する。しかし、両選手とも穴を埋めるに至ることはなく、戦力になったとは言いがたい。

結局、開幕から一度も上位浮上することなく、シーズンを終えた格好だ。その結果、球団史上ワーストの96敗となり真中満監督は退任となった。

安定感を欠いた投手陣

ベテランの石川雅規選手が開幕投手としてチームを勝利に導いた。しかし、年間を通して役割を果たすことができずに5月18日の巨人戦で白星をマークして以降、11連敗と白星を挙げることはなく低迷の原因となってしまう。
シーズン11連敗はセリーグにおいて56年ぶりとなるワースト記録でもあった。現役最多の156勝を誇る石川選手でもシーズン中の立て直しが利かなかったのだ。

次期エースとして期待がかかる小川泰弘選手は8勝(7敗)。シーズン途中に守護神へ転向するも、結果を残すことができずに先発へ再転換。終盤には右ヒジを痛め離脱するなど悔しい一年となった。

新外国人のブキャナン選手は先発ローテーションを守り、規定投球回に到達。一定の数字を残したものの、エース級の働きはできなかった。
その他には由規選手、山中浩史選手、星知弥選手、原樹理選手らが先発を務めるも貯金を作ることはできず、チーム低迷の一端となってしまった。

リリーフ陣は秋吉選手、ルーキ選手が勝利の方程式となったものの、7回を任せる選手がおらず崩壊。序盤は近藤一樹選手の奮闘があったものの、後半戦は打ち込まれるケースが増えている。松岡健一選手、石山泰稚選手らは頑張ったものの安定感を欠いていた。

先発、中継ぎともに目立った活躍を見せることができなかった一年と言えるだろう。

【主な投手成績】

小川泰弘選手
22試合/8勝7敗/防御率2.83

ブキャナン選手
25試合/6勝13敗/防御率3.66

秋吉亮選手
43試合/5勝6敗10S10H/防御率3.35

故障者続出の野手陣

キャンプで正三塁手の川端慎吾選手がヘルニアにより離脱してしまう。そして、開幕直後に畠山和洋選手も故障離脱と、序盤から主軸を欠くことになったヤクルト打線。
また、雄平選手も骨折で前半戦終盤に戦列を離れるなど、年間を通じてベストメンバーが揃うことはなかった。

2年連続トリプルスリーを獲得している山田哲人選手はフル出場を果たしたものの、例年通りの成績を残すことはできずに低調な成績に終わってしまう。その中で安定した成績をを残したのは坂口智隆選手だ。チーム事情もあり打順は1番、5番などさまざまな役割を求められたが、年間を通じて活躍。
打率.290(535打数155安打)と結果を残したと言ってもいいだろう。チーム最多本塁打となる32本塁打を記録したバレンティン選手は、ムラがあったものの最低限の数字を残した。1年契約のために来シーズンの去就は気になるところだ。

シーズン終盤からは若手の起用も増え奥村展征選手、廣岡大志選手といった次世代の選手がスタメン出場。各自がアピールを行っておりレギュラー獲得へ向け競争は激しくなりそうだ。

【主な野手成績】

山田哲人選手
143試合/打率.247/24本/78打点

坂口智隆選手
136試合/打率.290/4本/38打点

バレンティン選手
125試合/打率.254/32本/80打点

期待のホープは誰がいる?

今シーズン、若手でもっとも活躍したのは山崎晃大朗選手だろう。
雄平選手が離脱後に外野のレギュラーを獲得すると、1番・中堅に固定される。打率.242(219打数53安打)と打撃面ではまだまだ奮わず、守備面でも連携ミス、判断ミスが多く見受けられた。
しかし、ミスをしてもスタメンから外れることなくポジションを守り続けた。これは、首脳陣による期待の表れでもあるだろう。

投手陣では2016年ドラフト1位の寺島成輝選手、同3位の梅野雄吾選手が終盤に一軍デビュー。
いずれも白星には結びつかなかったが、来シーズン以降への糧となったことは間違いない。この経験を生かして欲しい。
また、2015年ドラフト1位の原樹理選手、2016年ドラフト2位の星知弥選手は、先発ローテーションとして最低限の仕事を果たした。来シーズンは、先発ローテーションが安定していない投手陣の軸となりそうだ。

2018年シーズンに向けて

シーズンが終了した直後、ヤクルトは小川淳司新監督の就任を発表した。小川監督は2014年に退任して以降、フロントを務めていたが、3年ぶりの現場復帰となる。
また、宮本慎也氏が引退後はじめて入閣し、ヘッドコーチを務めることとなった。2015年にリーグ優勝を果たしたものの、5位、6位と2年連続Bクラスに沈んだチームを改革するための人事を行った。

監督、コーチ陣を変更すれば即勝利へと結びつくわけではない。しかし、チームの改革を進めようという意気込みは感じられる。最下位からの優勝は簡単ではないことは事実だ。
ただ、ヤクルトは2014年最下位から2015年に優勝したチームでもある。3年ぶりのリーグ優勝を目指して「小川ヤクルト」がどのような結果を残すことになるのか注目したい。