打撃の基本?センター返しとは?
野球におけるセンター返しとは、中堅(センター)方向へ打ち返す打撃のことを言う。また、打者が利き腕と同方向に打つのが流し打ち(右打者なら右翼方向)、利き腕と逆方向に打つのが引っ張り(右打者なら左方向)となっている。
センター返しは投球に対してボールとバットが垂直となることで打球がセンター方向へ飛んでいくのだ。少年野球などでは、バッティングを教える際に、打撃の基本としてセンター返しから教えることが多くなっている。
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野球の打撃で「センター返し」と呼ばれる打球がある。 名前から想像しやすくなっているが、実際のところセンター返しとはどのようなものなのだろうか。 今回はセンター返しについて紹介する。
野球におけるセンター返しとは、中堅(センター)方向へ打ち返す打撃のことを言う。また、打者が利き腕と同方向に打つのが流し打ち(右打者なら右翼方向)、利き腕と逆方向に打つのが引っ張り(右打者なら左方向)となっている。
センター返しは投球に対してボールとバットが垂直となることで打球がセンター方向へ飛んでいくのだ。少年野球などでは、バッティングを教える際に、打撃の基本としてセンター返しから教えることが多くなっている。
2001年からメジャーリーグでプレーし、2016年シーズンにはメジャー通算3000本安打を達成したイチロー選手。プロ入り以来多くの安打を積み重ねているが、日本人の記憶に最も残っているのは第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の韓国戦で放った決勝タイムリーではないだろうか。
3-3の同点で迎えた10回表2死二、三塁のチャンスで、イチロー選手は8球目を鮮やかなセンター返しで決勝点を奪い取った。まさに、安打のお手本ともいえるセンター返しで日本を勝利に導いたイチロー選手は、インタビューで「ここで打ったら何か持ってるな」と思って打席に入ったと語っている。
国を背負った打席で余裕を持った思考、そしてセンター返し。これがイチロー選手のすごさということなのだろう。
2012年5月に宮本慎也選手(ヤクルト)が2000本安打を達成して名球会入りを果たした。宮本選手は大学、社会人時代からパワーヒッターではなく巧打者として知られており、プロ入り後も守備の名手としてならした。ヤクルトの野村克也監督からは、守備の評価は高かったものの打撃の評価は低く「自衛隊」と揶揄されたこともあったほどだ。
右打者の宮本選手は、本塁打を狙う打撃ではなく、センターから右方向を狙うセンター返しから流し打ちを常に心がけていた。パワーがない部分を技術で補っていたのだ。2000本目の安打もまさに宮本選手を象徴するかのようなセンター返しで決めてくれた。パワーがなくともプロで2000本安打を達成できるということを教えてくれた選手の1人だ。
史上唯一となる3度の三冠王を達成している落合博満選手。本塁打王も5度獲得していることから引っ張りが多いと思われがちだが、実際にはセンター返しから右方向への流し打ちが得意な打者だった。
落合選手は、バッティングの基本はセンター返しと語っており、現役時代は配球や駆け引きはなくすべてセンター返しを狙っていたという。そして、タイミングが早かったら打球は左翼方向へ、遅かったら右翼方向へ飛んでいたのだ。配球を読まずにすべてセンター返しを狙い、2371安打、510本塁打を達成するのは、やはりオレ流の落合選手だからなのだろう。
PL学園高校時代に甲子園通算13本塁打という、2017年現在も塗り替えられていない記録を保持する清原和博選手。西武ライオンズに入団後も、実績を積み重ねていく。
清原選手の印象としては、豪快な本塁打が多くなっているが、読売ジャイアンツに移籍後に放たれた通算2000本目の安打は、基本に忠実なセンター返しだった。2001本目の安打がフルスイングから生まれた本塁打だったにもかかわらず、2000本目を基本のセンター返しで決めるところが清原選手らしさなのかもしれない。
野球の基本であるセンター返しを、ここぞと言うときに忠実にこなすことができるのが、名選手の条件なのかもしれない。 豪快な本塁打や圧倒的なスピードボールも野球の魅力ではあるが、基本に忠実なセンター返しにも注目してみてはいかがだろうか。