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伝統の変化球!カーブを投げる投手は誰がいる?

2017 10/13 11:07cut
野球ボール
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Photo by dora modly-paris/shutterstock.com

プロ野球ファンでなくても一度は耳にしたことがあるであろう変化球の「カーブ」。 球速もなく球筋も独特なことから、テレビ中継などでもわかりやすい変化球の1つでもある。 そんなカーブを操る選手には誰がいるのだろうか。

緩急をつけるカーブ

アマチュア時代に投手を経験する選手のほとんどが、一番最初に教わると言っても過言ではない変化球がカーブだ。カーブはボールの縫い目に指をかけて抜くように投げ、利き手と逆方向に大きく曲がる。ストレートのように腕を強く振り抜かないため疲労感が少ないものの、球速も出ないことから、緩急をつけるために使われることが多い。
カウントをとるために投げることが多いカーブだが、決め球として使う選手もいる。メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースのエースであるクレイトン・カーショー選手は、決め球として使うことでも有名だ。

武田翔太選手のカーブは二度曲がる!?

第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表にも選ばれた福岡ソフトバンクホークスの武田翔太選手。140キロ台のストレート、スライダーそして大きく曲がるカーブが武田選手の大きな特徴だ。ストレートとの球速差が25キロほどあり、その緩急そして変化量で打者はタイミングを外される。
武田選手と初めて対戦した打者は、そのカーブに驚く。「武田選手のカーブは二度曲がる」と言われるほどの変化を見せているのだ。そして驚きなのは、カーブにも複数の投げ方、変化を持っており、その時々によって投げ分けていることだ。武田選手にはこの複数のカーブを武器にチームを引っ張ってくれることに期待だ。

2008年日本シリーズで印象が定着した岸孝之選手

埼玉西武ライオンズからFA宣言をして東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍した岸孝之選手の代名詞は、大きく曲がるカーブだ。岸選手はストレートと30キロ以上の差があり、大きく曲がるカーブを武器にしている。投球の割合としては10%余りで、スライダー、チェンジアップと同じ程度の頻度ではあるが、大きな変化量のため、岸選手と言えばカーブというほど定着している。
岸選手のカーブを印象づけたのが、2008年の日本シリーズだった。岸選手がカーブで読売ジャイアンツの打線を翻弄してMVPを獲得する。これによって岸投手はカーブ投手と認識されるようになったのだ。

「カツオカーブ」を操る石川雅規選手

2016年終了時点で現役最多勝投手となった東京ヤクルトスワローズの石川雅規選手。ストレートのスピードは130キロ台と遅いものの、巧みな投球術、そして変化球で芯をずらして凡打の山を築く。その変化球の1つにカーブがあるのだ。
石川選手のカーブは90キロ台と遅く、カツオが泳いでいる速度と同じことから「カツオカーブ」と本人も命名している。投球の割合としては多くなく、数%ではあるが、現在でも投げており、打者がタイミングを外されて驚く様子が見られる。ストレートの球速がなくても緩急で抑えることができる代表的な選手の1人だ。

けがの功名!?ダルビッシュ有選手

テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有選手のイメージは、150キロを超えるストレートにスライダーだろうか。そのダルビッシュ選手はカーブもカウントをとるために使用している。それはメジャーに移籍してからだけではなく、北海道日本ハムファイターズ時代にも投じていた。
その印象的なシーンが、2009年に行われた読売ジャイアンツとの日本シリーズだ。この年のダルビッシュ選手は臀部の故障によりシーズン終盤を欠場していた。そして42日ぶりの実戦登板で日本シリーズに登板したのだ。その際に有効活用したのが100キロ台のカーブだった。ダルビッシュ選手は力の投球だけではなく、技の投球でも一流だったのだ。

まとめ

球速の出るスライダー、スプリットなどが全盛となっている変化球事情。 そんな時代だからか、カーブを使う選手はプロ野球においては減っている。 しかし、そのような時代だからこそ、ひときわ光るカーブを投げる選手の活躍に期待がかかる。