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【2010年代を振り返る】ドラフト下位指名からのブレイクは?

2017 9/13 14:03cut
野球,グローブ,ボール
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2010年:下位指名から各球団のセットアッパー、クローザーが!

2010年のドラフトは、当時「ハンカチ世代」と呼ばれていた1988年生まれの選手達が中心だった。早稲田大学の斎藤佑樹選手、大石達也選手を始めとした大卒選手が注目の的だった。1位指名では大石選手に6球団、斎藤選手に4球団が重複し、単独指名は佛教大学の大野雄大選手(中日)、中央大学の澤村拓一選手(巨人)の2名のみだった。また、山田哲人選手(ヤクルト)、柳田悠岐選手(ソフトバンク)、秋山翔吾選手(西武)ら2017年現在各チームの主力として活躍する選手達もこのドラフトで指名を受けている。

このように上位に有力選手が固まっていたドラフトでも、下位指名からブレイクした選手は存在する。

広島東洋カープが6位で指名した中﨑翔太選手もそのひとりだ。宮崎県の日南学園高校からプロ入りした中崎選手は、2014年から中継ぎに転向し、翌2015年途中からはクローザーを任されている。2016年は34セーブをマーク、リーグ優勝に大きく貢献し、リーグを代表する選手のひとりとなった。

この年横浜ベイスターズから、6位で指名されたのが福山博之選手だ。福山選手は横浜で結果を残すことができず2012年オフに戦力外となり、2013年から東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍し、中継ぎ、セットアッパーとして活躍。2017年は36試合連続無失点を記録するなどチームに大きく貢献している。

育成ドラフトからもブレイクした選手が存在する。福岡ソフトバンクホークスの育成4位指名を受けた千賀滉大選手だ。千賀選手は中継ぎとして活躍後、2016年に先発へ転向12勝をマークし日本代表にも選出。2017年開幕前に行われた第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも好投を見せている。

2011年:楽天に欠かせない存在となった島内選手

2011年ドラフト会議は、読売ジャイアンツ・原辰徳監督と相思相愛と見られていた東海大学の菅野智之選手だ。このドラフトで巨人以外が指名するとは誰も思っていなかった。その中で、北海道日本ハムファイターズが指名。抽選で交渉権を獲得したことがハイライトとなった。

この年も下位指名から2017年現在ブレイクし、チームの中心選手となっている選手が存在する。東北楽天ゴールデンイーグルスから6位で指名された島内宏明選手もそのひとりだ。明治大学から楽天へと入団した島内選手は日本一に輝いた2013年に97試合へ出場。その後も出場試合数を減らしていたが、2016年に117試合へ出場。翌2017年シーズンはレギュラーへ定着。初めての規定打席到達も目前(8月23日現在)となっており、チームに欠かせない存在となった。

また、福岡ソフトバンクホークス5位の嘉弥真新也(かやま しんや)選手も中継ぎとしてブレイク。2016年までの5年間で97試合に登板。2017年は左の中継ぎとしてチームトップの登板数となりそうだ。

2012年:2017年に大ブレイク!宮崎敏郎選手

2012年のドラフト会議は甲子園春夏連覇を果たした、大阪桐蔭高校のエースである藤浪晋太郎選手、亜細亜大学の東浜巨選手が人気となった。また、花巻東高校の大谷翔平選手はメジャー表明をしており、強行指名を行う球団があらわれるのか注目されていた。

人気2選手は抽選の結果、藤浪選手は阪神タイガース、東浜選手は福岡ソフトバンクホークスが交渉権を獲得。大谷選手には北海道日本ハムファイターズが単独指名を行った。また、前年に日本ハムが交渉権を獲得し入団拒否を貫いた菅野智之選手は巨人が1位で指名し入団に至っている。

この年に下位指名からブレイクを果たしたのは、2017年に首位打者争いを行っている宮崎敏郎選手だ。セガサミーからドラフト6位で横浜DeNAベイスターズへ入団。2016年に初めて「100試合出場」となる101試合に出場する。2017年はレギュラーに定着故障で離脱した期間はあったものの、クリーンアップとして活躍中だ。社会人出身のドラフト6位ながら5年目に見事に開花した。

2013年:藤井選手が4年目にレギュラーへ

2013年ドラフト会議の目玉は2人いた。1人は1年前の夏の甲子園で1試合22奪三振、10者連続奪三振を記録した桐光学園高校の松井裕樹選手。もう1人は九州共立大学の大瀬良大地(おおせら だいち)選手だった。松井選手は5球団競合の末に東北楽天ゴールデンイーグルスへ。大瀬良選手は3球団競合となり広島東洋カープが交渉権を獲得した。その他にも大阪桐蔭高校の森友哉選手(西武)、パナソニックの秋吉亮選手(ヤクルト)らが上位で指名されている。

この年のドラフトで下位指名からブレイクした選手は、千葉ロッテマリーンズ6位指名の二木康太選手があげられる。二木選手は鹿児島情報高校時代に甲子園出場もなく、全国的には無名の存在だった。しかし、3年目となる2016年に先発ローテーションに入ると7勝(9敗)をマーク。規定投球回には届かなかったものの、今後に繋がる活躍を見せてくれた。

また、東京ヤクルトスワローズが6位で指名した藤井亮太選手は2017年シーズンにブレイクした。社会人のシティライト岡山から入団した藤井選手は捕手ながら内外野ともに守れるユーティリティーぶりを発揮。2017年に川端慎吾選手が離脱し空白となった三塁手のレギュラーを獲得している。

2014年?:西野選手がドラフト7位からレギュラー奪取

2014年以降のドラフト組は入団してから日も浅く、まだ一軍デビューを果たしていない選手も多い。その中でもブレイクしたと言える選手はいる。

まず、名前が出てくるのは2014年ドラフト7位でJR東日本からオリックス・バファローズへ入団した西野真弘選手だ。西野選手は初年度から開幕一軍を掴むと4月半ばにはスタメンに定着。57試合の出場で打率.304(191打数58安打)を記録したが、試合中の骨折により離脱。シーズン終了となった。翌2016年は全143試合に出場レギュラー二塁手としてチームを支えている。

2015年ドラフトでは、社会人野球の王子から広島東洋カープに5位で指名された西川龍馬選手が、貴重な控えプレーヤーとしてチームを支えている。ルーキーイヤーとなった2016年は62試合で打率.294(51打数15安打)を記録。代打、また、二塁・三塁のバックアップとして活躍した。2017年シーズンは先発出場も増え、レギュラー争いに加わってきた。今後も強い広島を維持するために必要な選手となりそうだ。