オリックス・伊東光は正捕手に返り咲くことができるか!?|【SPAIA】スパイア

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オリックス・伊東光は正捕手に返り咲くことができるか!?


数年前は日本を代表する捕手であった伊藤光

2014年、ゴールデングラブ・ベストナイン・最優秀バッテリー賞(投手は金子千尋選手)を獲得。チーム防御率は12球団中1位の2.89。オフには日本代表にも選出された。これが伊藤光選手が捕手として残した実績である。間違いなく、日本を代表するキャッチャーであった。10月2日、福岡ソフトバンクホークス戦との優勝決定戦に敗戦したときの涙、バファローズファンなら決して忘れまい。89年生まれで当時25歳。このチームは彼を中心にもっと強くなる、そう確信したものだった。

しかし現在の伊藤選手は、なかなか捕手としての出場機会に恵まれていない。翌2015年シーズン、前年よりもチーム防御率を1点も悪化させてしまうと、出場試合数が激減。チームも2位から最下位まで一気に落ちてしまったこともあり、信用を失ってしまった。2016年からは、20歳の若月健矢選手が起用されると、その強気のリードが首脳陣の評価を勝ち取り、伊藤選手を捕手から追いやってしまった。

伊藤選手も打力を買われてファーストでの出場が多くなったものの、かなりの不本意だっただろう。2017年シーズン前のキャンプでは、とうとうサードのポジションでノックを受けていた。実際サードの守備もそれなりに上手いものの、やはり彼が捕手以外のポジションにいるのは違和感である。

捕手として順調にキャリアを積んでいた

2014年以前からも捕手としての実績は十分に残していた。2011年ごろから当時の岡田監督に見いだされると、この年は66試合に出場し、経験を積む。2012年も同じく66試合に出場し、最終戦では西勇輝選手のノーヒットノーランをアシストするなど、捕手としての存在感が増しつつあった。

2013年には完全にレギュラーに定着し、137試合に出場する。打率.285という高打率を残したほか、2012年は前年にパリーグ最下位だったチーム防御率が一気にパリーグ1位の3.31にまで改善されるなど、捕手としての仕事っぷりも見事であった。そして2014年には上述したように、12球団1位となるチーム防御率2.89を記録。2点台は12球団で唯一の数字だ。

チームも最後まで優勝争いを繰り広げていた。序盤こそホークスが独走状態であったが、9月に大失速したこともあって、最終戦までオリックスの優勝の可能性が残されていた。10月2日、シーズン最終戦の直接対決、これに勝った方が優勝という試合。延長10回まで熱戦を繰り広げながらも、惜しくも敗退してしまった。このとき伊藤選手が流した涙は、バファローズファンならずとも忘れることができないシーンだろう。クライマックスシリーズも日本ハムに敗退してしまったが、伊藤選手自身も数々のタイトルを獲得し、大きな1年となったはずだ。

入団後数年で引退の危機だった!?

この当時は、バファローズはこれから10年は捕手は安泰だともいわれていた。特に入団して数年間の伊藤選手を知っているファンからすれば、これほどまでの活躍は感慨深いものがあっただろう。一時期には、試合に出るどころか、まともに日常生活を送れないかもしれないともいわれていたのだ。

入団2年目となった2009年、この年の開幕直前に椎間板ヘルニアを患ってしまった。座り仕事である捕手にとって椎間板ヘルニアは死活問題だ。すぐさま手術を行い、シーズン終盤での復帰を目指すこととなった。しかし、どれだけリハビリをしても、左足の痺れが全く引いていかない。左足に力が入らず、野球どころか歩くことすらもまともにできない状態が続いた。何度も病院を変えて、リハビリを行ったが、状況は全く変わらず3ヶ月もの間、絶望の淵をさまよっていた。

このままでは引退か、そんな言葉が脳裏をよぎり始めたある日、脊髄損傷者のためのジムがあるという噂を耳にする。藁にもすがる思いでそこを訪れると、なんとリハビリ開始からわずか2ヶ月で歩行可能なまでに回復していった。すっかりやせ細っていた左のふくらはぎも、すっかり元の太さに戻っていったのだ。そして懸命のリハビリを経て、2011年の6月にニ軍戦に復帰。ヒットを放ったときには、大粒の涙を目に浮かべていたそうだ。

厳しい立場に追いやられてしまう2015年

ここまでの苦労を重ねた伊藤選手が、日本を代表する捕手にまで成長してくれたというのは、本当に感慨深いものがあっただろう。しかし2015年からは、その状況も変わり、とにかくチーム状況はどん底だった。開幕前にトニ・ブランコ選手や中島裕之選手、小谷野栄一選手など大型補強を敢行していたのだが、開幕から全く勝てなかったのだ。開幕4連敗、1勝をはさんでまた4連敗、さらに引き分け後に股6連敗。1勝がとてつもなく遠く感じた。

そうすると、当然正捕手である伊藤選手もやり玉に挙がってくる。リードに関する批判のほか、送球ミスや捕逸など、今まで以上にバッシングを受けるようになっていった。5月には山﨑勝己選手が先発マスクをかぶる試合も多くなり、とうとう伊藤選手はニ軍に降格。シーズン終盤には、当時まだ19歳だった若月選手が起用され、福良監督代行(森脇監督から交代)からインサイドワークやリード面を高く評価された。そしてこの年以降、伊藤選手と若月選手の競争が激化していく。

2016年からは若槻健矢との競争が激化

2016年の正捕手競争、福良監督の信頼を勝ち取ったのは若月選手であった。若月選手はチーム最多の83試合にキャッチャーとして出場。一方伊藤選手は65試合でしかマスクをかぶることができず、先発に限っていえばたったの37試合のみの出場。特にシーズン後半はほとんどが金子選手の専属捕手としての起用となり、それ以外の試合はDHやファーストとして出場することも多くなった。5月には1試合で22点を取られ、ベンチで公開説教をされたこともあった。一方で若月選手はしっかりと結果を出し、首脳陣の評価を高めていく。

若月選手と伊藤選手とでは、リードのアプローチに違いがある。若月選手は、相手打者のことをよく観察し、その反応を見ながらリードを組み立てていく。相手がいやがるところに的確に投げさせるということだ。一方で伊藤選手は、その投手の持ち味を最大限にいかすようなリードをしている。これはどちらが正解という訳ではなく、どちらもキャッチャーとして必要な要素なのだ。
もちろん伊東選手も相手が苦手なところを突くリードをすることがある。理屈ではなく、若月選手の思考が簡単に身につくようなものではないのだ。しかしチームにとって、こういったリードができる選手がいるということは、非常に大きいのだ。

捕手としてさらに輝いていくことができるか

だが伊藤選手も2013年・2014年と、2年連続チーム防御率リーグ1位を達成した実績がある。投手陣からの信頼も厚く、投手たちはみな口を揃えて「光は俺たちのことをよくわかっている」といっていたほどだ。いまのNPBでは捕手2人体制も普通になってきた。しかし、今の「金子千尋専属捕手」としての立場に甘んじているわけにはいかない。チームが強くなるためには、彼がキャッチャーとしてさらに輝きを放つことが、絶対に必要なのだ。


《関連データ》オリックス・バファローズ 野手・捕手データ


《関連記事》厳しさ見せる福良監督!オリックスバファローズ2017年キャンプレポ

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