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「世界の福本」の独壇場!?盗塁記録アレコレ

2017 8/25 10:07cut
野球、盗塁
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通算盗塁は「世界の福本」が保持

プロ野球における通算最多盗塁は「世界の福本」こと福本豊選手(元阪急)が保持している1065盗塁だ。2位の広瀬叔功選手(元南海)が596盗塁であることから、福本選手の凄さがよくわかるだろう。

その福本選手は1968年ドラフト7位で松下電器産業から阪急へ入団。翌1969年に一軍デビューを果たすが、わずか38試合の出場で4盗塁に終わっている。その福本選手が盗塁を量産し始めたのが2年目の1970年からだ。

この年、75盗塁で最多盗塁のタイトルを獲得すると1982年まで13年連続でタイトルを獲得。1983年に55盗塁をマークしながら、タイトルは逃し連続記録が途切れている。その1983年には当時の世界記録であったメジャーリーグのルー・ブロック選手(元カージナルス他)の938盗塁を更新し世界記録を誇っていた。福本選手はその後も1065個まで盗塁数を積み上げ、世界最高記録を保持し1988年に現役を引退した。

しかし、1991年にリッキー・ヘンダーソン選手(元ドジャース他)が福本選手の1065盗塁を更新。2003年に引退するまでに1406盗塁まで数字を上乗せした。そのため、福本選手は2016年終了時点で世界2位の記録保持者となっている。 

【歴代最多盗塁】
1:(1065個)福本豊選手(元阪急)
2:(596個)広瀬叔功選手(元南海)
3:(579個)柴田勲選手(元巨人)
4:(479個)木塚忠助選手(元南海)
5:(477個)高橋慶彦選手(元ロッテ他)

シーズン最多記録も福本選手

通算最多盗塁記録を保持している福本選手が、シーズン最多記録も達成している。入団2年目の1970年から盗塁王を獲得している福本選手は、4年目のシーズンとなる1972年にプロ野球史上唯一となる3ケタとなる106盗塁を記録。
また、1973年、1974年に95盗塁、94盗塁をマークしており、シーズン最多記録のトップ3を独占。4位には河野旭輝選手(阪急)が85盗塁で続く。1990年以降では2004年に赤星憲広選手(阪神)が64盗塁をマークしたのが最高となっており、60盗塁の壁も厚い。
福本選手はこのように「足」をウリにしていたこともあり、阪急は1972年に1億円の保険を掛けている。福本選手は足のケガはもとより、体調管理を十分に行い引退まで保険金が支払われることはなかった。

【シーズン最多盗塁】
1:(106個/1972年)福本豊選手(元阪急)
2:(95個/1973年)福本豊選手(元阪急)
3:(94個/1974年)福本豊選手(元阪急)
4:(85個/1956年)河野旭輝選手(元阪急)
5:(78個/1950年)木塚忠助選手(元南海)

盗塁成功率は鈴木選手だがイチロー選手も。

盗塁数ではなく盗塁成功率の日本記録(200盗塁以上)を持っているのは、2016年シーズンに現役を引退した鈴木尚広選手(元巨人)だ。鈴木選手は82.91%(228盗塁、47盗塁失敗)で広瀬選手の82.89%(596盗塁、123盗塁失敗)を0.02%交わしトップとなった。鈴木選手は規定打席に到達したことはなく、ほぼ、代走で出場しこの数字を記録している。

プロ野球で200盗塁に届いていないため、ランキング入りを果たしていないが、イチロー選手(マーリンズ)は199盗塁、33盗塁失敗で盗塁成功率は85.78%。鈴木選手の記録を2.87%上回っている。2017年現在、イチロー選手はメジャーリーグでプレーしているために200盗塁到達は現実的ではないが、将来、日本球界に復帰した際、1つの見どころとなりそうだ。

また、福本選手は1065盗塁に対し299盗塁失敗となっており盗塁成功率は78.08%。歴代第8位の記録となっている。この299盗塁失敗も日本記録となっている。盗塁を成功させるためには多くの失敗が必要ともいえそうだ。

【通算盗塁成功率】
1:(82.91%/228盗塁、47盗塁失敗)鈴木尚広選手(元巨人)
2:(82.89%/596盗塁、123盗塁失敗)広瀬叔功選手(元南海)
3:(82.09%/362盗塁、79盗塁失敗)松井稼頭央選手(楽天)
4:(81.24%/381盗塁、88盗塁失敗)赤星憲広選手(元阪神)
5:(80.78%/479盗塁、114盗塁失敗)木塚忠助選手(元南海)
※2016年終了時点

最多盗塁のタイトルも福本選手の独壇場

シーズンで最も盗塁を成功させた選手に送られるタイトル「最多盗塁」。獲得回数は福本選手が13回と圧倒的だ。また、この13回は1970年から1982年まで13年連続で獲得となっており、連続回数でも日本最高記録を保持している。
獲得回数で2位となっているのは「赤い手袋」こと柴田選手の6回、広瀬選手、赤星選手の5回が続く。現役選手では片岡治大選手(巨人)が西武時代の2007年から2010年に4年連続獲得したのが最多獲得数、最長連続年数となっている。
また、セ・リーグでは2016年終了時点で外国人選手がタイトルを獲得したことがない唯一の打撃タイトルとなっている。パ・リーグでは1953年にレインズ選手(元阪急)、1958年?1960年にバルボン選手(元阪急)と2名の外国人選手が合計4回のタイトルを獲得している。
今後、セ・リーグで外国人選手が最多盗塁のタイトルを獲得することがあるのか注目が集まる。

メジャーリーグではリッキー・ヘンダーソン選手

メジャーリーグでの通算最多盗塁はリッキー・ヘンダーソン選手の1406盗塁、ルー・ブロック選手の938盗塁が続いている。現役選手では2016年終了時点でイチロー選手が508盗塁でトップとなっており、歴代35位の記録だ。
シーズン最多記録も1982年にヘンダーソン選手が記録した130盗塁。この年は42盗塁失敗を喫しており、これもメジャーワースト記録となっている。
また、ヘンダーソン選手生涯の盗塁成功率は80.76%(1406盗塁、335盗塁失敗)となっており、最多盗塁はメジャー最多の12回獲得だ。また、1998年には39歳で65盗塁を決め最多盗塁のタイトルを獲得している。
日本では福本選手、メジャーリーグではヘンダーソン選手が盗塁の記録を多く作っている。これらは今後の更新が事実上不可能な記録となっており、アンタッチャブルレコードとして残ることになりそうだ。