強さの秘訣1 資金力
親会社であるソフトバンクに資金力があるため、選手獲得には資金を惜しまないスタンスのソフトバンクホークス。メジャー帰りの選手や外国人助っ人の獲得も積極的に行なっている。
また、オーナーの孫正義は”金は出すが口は出さない”という完全現場主義の人間だ。オーナーが方針を握っている球団とは異なり、野球のことは監督やコーチを含む専門職に一任している。そのため、チーム内に軋轢が生まれることもないのだろう。
親会社であるソフトバンクに資金力があるため、選手獲得には資金を惜しまないスタンスのソフトバンクホークス。メジャー帰りの選手や外国人助っ人の獲得も積極的に行なっている。
また、オーナーの孫正義は”金は出すが口は出さない”という完全現場主義の人間だ。オーナーが方針を握っている球団とは異なり、野球のことは監督やコーチを含む専門職に一任している。そのため、チーム内に軋轢が生まれることもないのだろう。
近年ソフトバンクのスカウトは独自路線を貫いている。MLBからは実績あるベテラン選手ではなく、NPBに適応できそうな選手を“助っ人”として多く迎え入れている。
昨年のデビューから14連勝を記録したバンデンハークや、現在セットアッパーで活躍しているスアレスが代表的な例と言える。メジャーでは良い成績を残せなかったものの韓国リーグで才能が開花したバンデンハークを真っ先にスカウトした。また、2015年にメキシカン・リーグで登板するまで草野球の経験しかなかったスアレスに白羽の矢を立て、スカウトしたことにも驚かされた。
このように資金力に逸材を見抜く力が加わると、チーム力が高まるのだろう。
選手層の厚いソフトバンクでは、二軍であっても「他球団にいけば、レギュラー獲得の可能性がある選手が山ほどいる」と言われるほどの力を誇る。事実、2015年においてはウエスタン・リーグで4連覇を果たしている。そのため二軍では若手選手の出場が確約されず、選手の完全な育成ができないのだ。
そこで導入されたのが三軍制度だ。高卒や育成指名の選手が三軍で地方リーグ、大学チーム、社会人チームなどと試合し、経験を積み、結果を残すことができれば二軍に上がれる。そして、二軍にいる選手には「いつ三軍に落とされるか分からない」という緊張感を持たせることができる。
資金力や助っ人の活躍にスポットが当たりがちなソフトバンクだが、現在のスターティングメンバーを見ると、ほとんどが生え抜きの選手だと分かる。一軍に顔を見せはじめた千賀滉大、牧原大成、飯田優也、山田大樹、二保旭も元々は育成出身だったため、三軍でプレーし実力をつけ、一軍入りを果たした。
また、育成により選手層を厚くしたことで怪我などのアクシデントがあっても、すぐに代わりの選手が活躍できる体制が整った。ソフトバンクに”日替わりヒーロー”が登場することも強さの表れの一つだろう。
12球団で一番過酷と言われているソフトバンクのキャンプ。現在の監督である工藤公康は、そのキャンプに入るまでの自主トレ期間中にも各選手に課題を出し、キャンプ初日の体力テストで規定の数値に達せなければ即B組スタートを命じている。
そして、シーズン中も積極的に二軍施設への視察を行い、リハビリ中の選手や不調で調整中の選手の状態を自分の目で見て把握。その一方で、休日は疲れを取ることに専念してほしいという思いから、基本的に休日返上練習は認めていない。
こういったことから、圧倒的な強さの裏で選手への細かな気遣いや健康管理が監督によって徹底されていることが分かる。2016年シーズンも序盤から独走態勢に入っているソフトバンク。このままいくと、本当にV10を達成してしまうかもしれない。