NPBでもっとも近いのは中日・荒木雅博
2017年シーズンは、2000本安打ラッシュになるかもしれない。2000本安打達成まで150本を切っている選手が5人もいるのだ。最も近いのは中日ドラゴンズの荒木雅博選手だ。2016年シーズン終了までの安打数は1961本、残り39本からのスタートとなる。
ここ数年間は規定打席に到達しておらず、出場試合も100を切ることも多くなったが、それでもコンスタントにヒットを放っており、2015年は97試合で53安打、2016年も93試合で71安打の数字を残した。例年通りの成績を残すことができれば、達成はほぼ確実だろう。
また、荒木選手は通算盗塁数も373個を記録している。これはNPBの現役選手の中では最多なのだが、歴代の記録を見ても、赤星憲広さん、呉昌征さん(ともに元阪神)の381盗塁につく11位の記録だ。後8個盗塁を決めれば2人に並んで歴代9位タイに、そして9個決めれば単独9位にまで浮上する。一気にベスト10に入っていくことができるだろうか。
荒木選手通算成績
.268(7308ー1961) 33本塁打 457打点 373盗塁(歴代11位)
2016年の成績
.246(289-71) 1本塁打 16打点 13盗塁
ロッテ・福浦和也はやや厳しいいか
次いで2000本に近いのは、千葉ロッテマリーンズの福浦和也選手だ。2016年までに放ったヒットは1932本、残り68本からのスタートとなる。とはいえ、福浦選手のここ数年の成績を見ると、かなり達成は厳しいかもしれない。2016年の成績はは36試合で20安打、ここ数年で比較的調子の良かった2015年でも、73試合で47安打だ。最後に規定打席に到達したのは2011年のこと。
打率はそれなりの数字を残してはいるものの、やはり衰えは隠せず、出場機会が非常に少なくなってきているのだ。1993年に入団し、ロッテ一筋24年。2001年には.346で首位打者を獲得し、以降2005年まで6年連続の3割を記録した。のこり68本、最後の踏ん張りとなるだろうか。
福浦和也通算成績
.288(6720ー1932) 117本塁打 906打点
2016年の成績
.244(82-20) 0本塁打 7打点
ファースト専任で負担減?巨人・阿部慎之助
そしてそれに次ぐ数字を残しているのが、読売ジャイアンツの阿部慎之助選手だ。2016年シーズン終了時の数字は1917本、残り87本からのスタートとなる。2016年シーズンはケガで出遅れてしまったものの、91試合の出場で104安打を放っており、その打棒は衰えることを知らない。
やはり捕手ゆえか体への負担が大きく、今までも1年間万全の状態で戦えたシーズンは少なかったのだが、2016年からはほぼファースト専任になっており、すこしだが負担は減っていった。まだまだセリーグではトップクラスの打撃力があるので、休養を挟みつつ戦っていけば、十分に達成することができるだろう。
また、本塁打の方もNPBの現役選手としては最多、歴代でも23位となる通算373本を放っており、残り27本で史上19人目の400号本塁打の達成となる。こちらはかなりシビアな数字かもしれないが、注目していきたい。
阿部慎之助通算成績
.286(6703-1917) 373本塁打 1136打点
2016年の成績
.310(335-104) 12本塁打 52打点
NPB屈指の右打者も達成間近!ホークス・内川聖一
さて、ここからは1800本代後半ながらも、その可能性の高い選手たちを紹介する。まずは福岡ソフトバンクホークスの内川聖一選手だ。2016年シーズン終了時の数字は1896本、残り104本の状態から2017年がスタートする。とはいえ、内川選手なら達成はほぼ確実だろう。2015年に.284で連続3割記録が7年(2008年~2014年)で途絶えてしまったものの、2016年には再び.304の打率を残し、169安打を放った。
ちなみに7年連続というのは、NPB歴代4位タイの記録であり、彼の上には張本勲さん(9年連続)、川上哲治さん、王貞治さん(ともに8年連続)の3人しかいない。7年連続で肩を並べているのも、落合博光さんやイチロー選手、松井稼頭央選手など、そうそうたる顔ぶれだ。
横浜ベイスターズ時代の2008年には、右打者として歴代最高となる.378という数字で首位打者を獲得。。ホークス移籍後の2011年にも.331で首位打者を獲得しており、江藤愼一さん(中日・ロッテ)以来史上2人目の両リーグ首位打者も達成した。このように、打撃に関しては枚挙にいとまがない。歴代の打者と比べても遜色のない、NPB屈指の大打者なのだ。順調にいけば、夏頃に達成するのではないだろうか。
内川聖一通算成績
.310(6114-1896) 164本 836打点
通算打率.3104は、2016年終了時点で歴代8位の記録(4000打席以上)
2016年の成績
.304(556-169) 18本塁打 106打点
復調して一気に2000本なるか?阪神・鳥谷敬
阪神の鳥谷選手も残り100本以上ありながら、十分に可能性のある選手の1人だ。2016年シーズン終了時の数字は1872安打、残り128本からスタートとなる。2016年は攻守に精細を欠き、プロ入り最低の.236という打率に終わってしまったが、苦しんだ中でも106安打を放っており、本来の実力さえ発揮できれば十分に達成可能な数字だ。
また、連続試合出場の記録も、2016年終了時で1752試合まで伸ばしており、衣笠祥雄さん、金本知憲監督に次ぐ歴代3位につけている。金本監督の数字は1766試合なので、すでに射程圏内。シーズンが始まってからすぐ、監督の記録を抜く瞬間が来るのではないだろうか。
さらに、現役選手としては最多、NPBでも歴代21位となる923個の四球を選んでおり、1000四球まで77個となった。2016年も75個の四球を選んでおり(106安打に対して75個の四球はかなりすごい数字だ)、NPB15人目の1000四球達成が期待される。
鳥谷敬通算成績
.282(6648ー1872) 133本塁打 755打点 923四球(歴代21位)
2016年の成績
.236(449-106) 7本塁打 36打点 75四球
日米通算で2000本間近!アストロズ・青木宣親
日米通算記録で2000本安打の記録がかかるのが、現在ヒューストン・アストロズで活躍する青木宣親選手だ。日本で1284本、メジャーで681本のヒットを放っており、合計で1965本のヒットを積み重ねてきた。残り35本、達成はほぼ確実だろう。日本時代から安打製造器と知られ、2005年には当時のセリーグ記録である202安打を記録。あのイチロー選手が94年に達成して以来、誰も達成できなかった200本安打を、なんとNPB2年目で達成してしまったのだ。また、この年は.344で首位打者も獲得した。
2007年にも.346、2010年にも.358で首位打者を獲得しており、合計で3度の首位打者を獲得。さらに2010年には209安打を放ち、NPB史上初、2度のシーズン200安打の記録を達成した。間違いなく、NPBを代表する外野手の1人だったのだ。
メジャー移籍後も安定して.280ほどの打率を残しており、ケガで規定打席に到達できなかった2015年でも、93試合で102安打を放った。出塁率も.350という高いレベルで安定しており、1番打者としてチームを牽引している。
青木宣親通算成績
NPB:.329(3900ー1284) 84本塁打 385打点
MLB:.286(2380ー681) 28本塁打 184打点
通算:.318(6180-1965) 112本塁打 569打点
2016年の成績
.283(417-118) 4本塁打 28打点
このように2017年は2000本安打ラッシュとなることが予想される。これからの1試合1試合に、目が離せなくなってしまう。