2年ぶりの一軍登板を目指す杉内俊哉選手
2016年シーズン、2002年のプロ1年目以来初めて一軍登板がなかった杉内俊哉選手。2015年に受けた右股関節手術のリハビリに1年以上を費やしました。
7月半ばに三軍戦で実戦復帰したものの、一軍復帰とはならずシーズンを終えています。シーズンオフの秋季キャンプでは精力的にブルペン入りし高橋由伸監督へ復調をアピールして年を越しました。迎えた春季キャンプでは二軍スタートでしたが途中から一軍に合流し実戦登板を重ねています。
そして、3月16日に2年ぶりの一軍実戦登板を果しました。相手は古巣である福岡ソフトバンクホークスです。相手の先発は同級生でもありソフトバンク時代にともに先発投手陣を支えた和田毅選手でした。杉内選手はこの登板で4回途中3失点と本来の調子ではありませんでした。しかし、復活への手応えを掴んだようです。
読売ジャイアンツが2014年以来のセ・リーグ制覇を目指すためには投手陣の充実がポイントの一つです。ベテランの杉内選手が復活することで左腕の層が厚くなり優勝へ一歩近づくことでしょう。
残り少ない「松坂世代」の現役選手として活躍に期待がかかります。
2011年のMVPから復活へ!浅尾拓也選手
中日ドラゴンズの浅尾拓也選手は2016年シーズン、プロ入り以来初めて一軍登板がありませんでした。
浅尾選手は2010年に現在もプロ野球記録となっている47ホールドを達成。翌2011年には79試合に登板し45ホールド、防御率0.41をマークし中日のリーグ優勝に大きく貢献しました。
これ以降、浅尾選手は故障もあり満足いく成績を残すことができていません。その浅尾選手はシーズンオフにある人物のところへ弟子入りを果たしました。それは2007年に福岡ソフトバンクホークスで最多セーブを獲得した経験もある馬原孝浩氏です。馬原氏は現役晩年に浅尾選手同様、肩を故障し満足に投げることができませんでした。引退後、馬原氏はソフトバンクのジュニアチーム監督を務めながらスポーツ医療専門学校で勉強をしておりその道に精通しているのです。
スカウトを通じて馬原氏と直接連絡を取り合い師事することを決めたのです。その弟子入りの効果もあり浅尾選手はオープン戦とはいえ一軍で登板。復活への手応えを掴んでいます。
近年、下位に低迷する中日ですが浅尾選手の復活があれば上位浮上の糸口になりそうです。
今年は一塁のポジション争いから!畠山和洋選手
2015年に打点王を獲得し東京ヤクルトスワローズ14年ぶりのセ・リーグ制覇に大きく貢献した畠山和洋選手。2016年シーズンはキャンプ序盤からぎっくり腰を発症してしまいます。開幕には間に合ったものの調子は上がりません。シーズン途中に左手有鉤骨骨折、さらにはアキレス腱痛と立て続けに異変が起き、6月半ば以降出番はありませんでした。
オフシーズンにチームは一塁手候補として新外国人のディーン・グリーン選手を獲得。畠山選手と競わせる方針を取りました。畠山選手も自身の置かれている立場を理解しており競争に臨んでいます。キャンプではじっくり調整を行いオープン戦にも出場し、3月7日の阪神戦では269日ぶりの安打をマークしました。
2年連続トリプルスリーの山田哲人選手を支えるためにも脇を固める選手の活躍は必要不可欠です。畠山選手には2015年同様の活躍を期待します。
復活にかける松坂大輔選手
2015年にメジャーリーグから日本球界に復帰し福岡ソフトバンクホークスへと入団した松坂大輔選手。3年12億円(推定)という大型契約を結び大きな期待を寄せられていました。
日本復帰初年度となった2015年は二軍戦のみの登板となり一軍登板はありませんでした。翌2016年はシーズン最終戦となる10月に一軍で初登板。しかし、1回5失点、被安打3、与四死球4と満足行く結果を残すことができませんでした。大きくファンを裏切る結果となった2年間を埋めるべくオフシーズンに松坂選手は志願してウインターリーグへと参戦します。戦いの地はプエルトリコでした。
読売ジャイアンツの高木勇人選手、岡本和真選手、平良拳太郎選手(現DeNA)らと同じチームに所属した松坂選手。約1ヶ月ほどの期間で4試合に先発し0勝4敗、防御率2.70の成績を残します。
2017年の春季キャンプでは初日からブルペン入りを行うなど首脳陣にアピールし復活を印象づけました。練習試合、オープン戦と松坂選手は登板を重ね開幕へ向け調整を行っています。本来の圧倒する投球は出ていませんが、四球で走者を出しても粘りの投球で失点を許さない姿を見せています。
日本球界での活躍を見たいファンの多い松坂選手。「松坂世代」のトップとして今シーズンの復活に挑みます。
FAで加入したものの不発だった今江年晶選手
2015年オフに千葉ロッテマリーンズからFA宣言し、東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した今江敏晃(当時の登録名)選手。開幕から5番を任されるなど梨田昌孝監督の期待も高く序盤は結果も残していました。しかし、4月半ばに古巣のロッテ戦で死球を受け登録抹消となってしまいます。
5月上旬に復帰しますが打撃不振に陥り、1ヶ月で調整のために再び登録抹消されてしまいます。およそ、1ヶ月に渡り二軍で調整し7月に一軍復帰すると調子を取り戻しシーズン終了まで一軍に帯同。年間を通じて打率.281、3本塁打、23打点の成績を残します。
数字だけ見れば及第点の成績かもしれません。しかし、今江選手はFAで期待を受け楽天にやってきたのです。この成績で満足できるはずもありません。
オフシーズンに右ヒジのクリーニング手術を受け不安をなくし春季キャンプに参加した今江選手は、練習試合などで快音を響かせ順調な仕上がりを見せています。2016年はキャンプ前からヒラメ筋の炎症で二軍スタートとなり、万全な調整ができないまま開幕を迎え、シーズン中の失速に繋がってしまいました。
2017年シーズンは登録名も「今江敏晃」から「今江年晶」に変更。心機一転、FAでやってきた選手として実力を発揮したいところです。
過去に実績を残した選手たちにも不調や故障はやってきます。そんな選手達が2016年シーズンの不調から脱出し活躍することでチームの戦力は大きく上がるのです。5名の選手には復活からリーグ優勝を目指しての活躍を期待します。