2017年こそレギュラー定着なるか
2016年シーズンは初のクライマックスシリーズへと進出した横浜DeNAベイスターズ。今まで埋まらなかったポジションが徐々に固定されてきており、しかも筒香嘉智(つつごうよしとも)選手を中心に、若い選手たちが活躍しているのが特徴ですね。しかし、すべてのポジションが埋まっているわけではなく、まだまだセカンドやサードでは激しい競争が行われてます。
その中でも、今年こそレギュラー定着と行きたいのが白崎浩之(しらさきひろゆき)選手です。2012年のドラフト1位で入団し、今のところほとんどのシーズン、1軍で定着しています。しかし、レギュラーとして通年で活躍した年はまだなく、先発出場と途中出場がまだ半々といった状態。監督からの期待も高いのですが、なかなかそれに応えられていない状況なのです。
しかし、まだまだ1990年生まれの26歳、高い走力・守備力に、1発長打も魅力的な選手です。代打・代走・守備要員で終わるような選手ではありません。はたして、白崎選手は今年こそレギュラーに定着できるでしょうか。今回はいままでのシーズンを振り返るとともに、その課題となるポイントを紹介していきます。
駒澤大学からドラフト1位で入団!大先輩中畑監督からの期待も大!
白崎選手は北海道の駒大岩見沢高校から駒澤大学を経て、2012年のドラフト1位で入団しました。学生時代からその俊足や長打力には注目されており、駒澤大学2年生の時には打率.200ながら3本塁打を記録しています。さらに4年生の時には確実性も身につけ、春季リーグ.395で首位打者を獲得するほどになったのです。
秋にも.333という高打率を記録。残念ながら2季連続の首位打者とはなりませんでしたが、守備面ではエラー数を春の5から1へと大幅に減らしました。この攻守にわたる大きな成長によって、一躍プロ注目の的となり、秋のドラフトで1位指名を受けるまでになりました。
プロに入ってからは、同じ駒澤大学の先輩にもあたる中畑清監督(当時)からも、大きく期待されます。1年目は開幕を2軍で迎え、夏頃までは1軍と2軍を行き来するものの、8月頃からは1軍に定着。しかし、梶谷隆幸選手の打撃が非常に良く、8月だけでもホームラン8本、しかも打率4割と圧倒的な成績を残していたため、白崎選手はサードとしての起用が中心となりました。それでも47試合に出場。ルーキーとしては上々でしょう。
徐々に成長を見せていた2~3年目
そして2年目には開幕スタメンを勝ち取ると、101試合へ出場を果たします。先発出場49試合、途中出場52試合とレギュラー扱いではありませんでしたが、前年から大幅に増やしました。5月にの交流戦では延長11回にサヨナラ安打も記録。シーズン最終戦にはプロ初本塁打も放ちました。徐々にチームに貢献することも多くなり、今後への期待が高まります。
3年目の2015年からは、倉本寿彦(くらもととしひこ)選手が入団し、さらに内野の競争が激化しました。試合数は91試合と少し減ってしまいましたが、それでも6本のホームラン放つなど、持ち味は十分に発揮したといえるでしょう。9月に左肩の亜脱臼によって戦列を離れてしまいますが、確実に昨年よりは良いものを見せてくれました。
立場が無くなっていった2016年シーズン
しかし、4年目の2016年シーズン、白崎選手の立場は非常に苦しいものになります。倉本選手の打撃が好調だったこともあり、白崎選手はサードのポジションを任されます。サードでも広い守備範囲を誇っており、ラミレス監督も期待を込めて、開幕は1番サードで先発出場を勝ち取ったのですが開幕からずっと打撃不振が続き、状態が上がってくる様子も全く見えてこず、5月には2軍に降格してしまいました。
しかもその間にサードには宮崎敏郎(みやざきとしろう)選手が定着したことによって、白崎選手のポジションはどこにもなくなってしまったのです。それでもホームランは前年と同じく6本を放ち、長打力のあるところを見せますが、この2人はどちらもそれ以上の見事な成績を残しており、しかもそれでチーム3位という成績を残したのですから、ますます立場がありません。
・ライバル選手たちの2016年の成績
倉本寿彦:.294(534ー157) 1本塁打 38打点
宮崎敏郎:.291(302ー88) 11本塁打 36打点
課題は確実性をつけること
では、白崎選手がレギュラーを奪うために克服すべき課題とはいったい何なのでしょうか。それはやはり「確実性」かと思います。プロ入り後は長打力が発揮されるシーンこそ多いものの、大学で成長したという確実性はなかなか見られていません。特に打率の低さ、打点の少なさは毎年のように指摘されており、この辺りの改善が今後の鍵となるでしょう。白崎選手のプロ入り後の打撃成績は以下の通りとなります。
2013:.212(52-11) 0本塁打 1打点
2014:.234(209-49) 1本塁打 11打点
2015:.225(204-25) 6本塁打 9打点
2016:.207(203-42) 6本塁打 12打点
シーズンを通して.240を越えたことがないというのが悩ましいところですよね。先ほど紹介した倉本選手や宮崎選手らと比べると、どうしても見劣りしてしまいます。特に目についてしまうのが2015年の成績でしょうか。得点圏打率が.088(34-3)とひどく、6本塁打を放ったにも拘わらず9打点しかありません。
得点圏打率は一流の選手でも毎年安定するものではないのですが、それでもここまで打てていないと、積極的に起用されなくなってしまいます。
課題を克服してレギュラー定着なるか
このように、まずは確実性アップが課題となる白崎選手。ちなみに、キャリアで放った13本のホームランはすべてソロホームランという、珍しい記録まで作ってしまいました(2017年のオープン戦でツーランホームランを放っていますが、公式戦ではソロホームランのみです)。持ち前の長打力は発揮されていても、その長打力を生かしてランナーを返すということはほとんどできていないのです。
サードの守備の評価は高く、肩の強さや広い守備範囲は魅力です。ショートの倉本選手の守備範囲がそれほど広くないので、白崎選手がサードに定着すると、守備がグッと引き締まります。それだけに、あの打率さえなんとかして、レギュラーを勝ち取ってほしいところですよね。まだ監督も期待していますし、チャンスは与えられるはず。今度こそものにすることができるでしょうか。