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横浜スタジアムでのギャレット・ジョーンズ選手に注目だ!

2017 4/12 20:20cut
>バッターⒸShutterstock.com
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メジャーでは新人王争いをマギー選手と

ギャレット選手のメジャーリーグキャリアで最も輝いているのがピッツバーグ・パイレーツ時代だ。
ミネソタ・ツインズから2008年オフに移籍したギャレット選手は、2009年に82試合に出場し打率.293、21本塁打、44打点の成績を残しナショナルリーグの新人王投票で7位に入った。この年の新人王投票で5位に入っていたのは、2017年シーズンからギャレット選手と同僚になったケイシー・マギー選手だった。2人は同年にメジャー本格デビューを果たしていたのだ。
翌2010年には158試合に出場し打率.247、21本塁打、86打点の成績を残しパイレーツの主力選手となった。大きなケガもなくギャレット選手は、チームに貢献し140試合以上に出場し2013年までパイレーツでプレーし、FA後にマイアミ・マーリンズと契約した。

マーリンズ移籍後ヤンキースへトレード

パイレーツからFAとなり、マーリンズと契約したギャレット選手はレギュラーとして活躍。初年度に146試合に出場し打率.246、15本塁打の戦績を残す。2年目を迎える前のオフシーズンにトレードされヤンキースへ移籍となった。
その際に、ヤンキースでは田中将大選手とチームメートとなったのだ。 開幕直後から試合に出場したものの結果を残すことはでなかったため、8月に解雇されてしまう。わずか57試合の出場で打率.215、5本塁打、17打点に終わったギャレット選手は34歳という年齢的なこともあり、なかなかメジャー球団からは声がかかりにくい状況の中で、巨人がオファーを出し契約に至ったのだ。

日本人投手は苦手だった!?

メジャーリーグ時代にギャレット選手は多くの日本人選手と対戦している。中でも黒田選手との相性はよく打率.357(14打数5安打)、1本塁打とカモにしていたことがよくわかる。しかし、三振も5つ奪われており黒田選手としては苦手意識はなかったかもしれない。巨人移籍後の2016年は黒田選手に対し打率.286(14打数4安打)、0本塁打、4三振となっており勝負つかずの結果と言えるだろう。
また、日本人中継ぎ投手との対戦は多くないが、藤川球児選手、岡島秀樹選手、斎藤隆選手、高橋尚成選手の全員と戦い1打数0安打で1三振を喫している。
メジャーリーガー時代、日本人中継ぎ選手との相性はよくなかったようだ。

【日本人選手との対戦成績】
黒田久志選手:打率.357(14打数5安打)、1本塁打、5三振
松坂大輔選手:打率.333(6打数2安打)、0本塁打、1三振
ダルビッシュ有選手:打率.200(5打数1安打)、0本塁打、1三振
川上憲伸選手:打率.500(2打数1安打)、0本塁打、0三振
岩隈久志選手:打率.000(2打数0安打)、0本塁打、0三振
藤川球児選手:打率.000(1打数0安打)、0本塁打、1三振
岡島秀樹選手:打率.000(1打数0安打)、0本塁打、1三振
斎藤隆選手:打率.000(1打数0安打)、0本塁打、1三振
高橋尚成選手:打率.000(1打数0安打)、0本塁打、1三振

5月には二軍降格も経験

ギャレット選手は大砲候補として期待され来日する。本来であれば『ジョーンズ』という登録名にするところなのだがジョーンズ選手は過去にも多く存在したため『ギャレット』の登録名となった。
キャンプから身体を仕上げにいったギャレット選手は、オープン戦で全19試合に4番として出場。期待の若手だった岡本和真選手の63打席に次ぐ59打席に立ち、打率.283(53打数15安打)、2本塁打、7打点とまずまずの成績を残し開幕スタメンを勝ち取った。
開幕戦での役割は4番一塁だ。巨人において新外国人選手が開幕戦で4番に座ることはかつてなく史上初の出来事となった。開幕戦こそ無安打に終わるが2戦目で初安打、3戦目で初本塁打、初打点をマークし無難な形でシーズンをスタートさせたのだ。
しかし、5月22日の中日戦で三打席連続空振り三振を喫した後に二軍落ちを経験。それまでの成績は打率.225、7本、21打点だった。二軍で12試合に出場し打率.250ながら4本塁打を放ち6月10日一軍昇格。以降はシーズン終了まで一軍に帯同する。復帰後は徐々に調子を上げ最終的に打率.258、24本塁打、68打点と及第点の成績を残し2017年の契約を勝ち取った。
二軍降格から戻ってきた後に成績が良くなった理由としては守備の影響が考えられる。ギャレット選手が開幕から一塁手として試合に出場していた。これは、レギュラーである阿部慎之助選手が故障により出場ができなかったことによるものだ。二軍から帰ってきた際には阿部選手が復帰していたため左翼にまわり一塁での出場はない。こういった心理的な面もあったのではないだろうか。

横浜スタジアムが大得意

ギャレット選手は球場による成績のばらつきが大きく安定していない選手で、本拠地である東京ドームでの成績よりも、マツダスタジアムや横浜スタジアムの方が成績がよいるのだ。比較的、狭い球場である東京ドーム、横浜スタジアム、神宮球場で本塁打を多く放ち成績が向上する打者は見受けられるが、ギャレット選手に関しては広さは関係なく球場との相性がありそうだ。

【シーズン通算成績】
123試合、打率.258(422打数109安打)、24本、68打点

【セ・リーグ主要球場成績】
東京ドーム:56試合、打率.222(207打数42安打)、5本、24打点
甲子園球場:13試合、打率.222(45打数10安打)、2本、7打点
横浜スタジアム:13試合、打率.467(45打数21安打)、10本、18打点
ナゴヤドーム:12試合、打率.244(41打数10安打)、0本、4打点
マツダスタジアム:9試合、打率.355(31打数11安打)、3本、6打点
神宮球場:9試合、打率.206(34打数7安打)、5本、4打点

球場別の数字を見て分かる通り、横浜スタジアムでは東京ドームの4分の1以下となる試合数にも関わらず本塁打は倍の10本を放っている。広いマツダスタジアムとも相性はよく9試合の出場ながら3本塁打と苦にしていない。
2017年シーズンは横浜球場やマツダスタジアムでのギャレット選手の活躍に注目すと面白いかもしれない。