悲願の日本一へ大型補強を敢行
2024年は阿部慎之助新監督のもと、4年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた巨人。だが、クライマックスシリーズでDeNAに敗れ、日本シリーズに進むことができず悔しさの中でシーズンを終えた。
このオフは昨季のMVP右腕である菅野智之が海外FA権を行使してオリオールズへ移籍。2012年以来の日本一達成へ向け、攻守両面で戦力アップが求められる中、大型補強を敢行した。
中日から自由契約となっていたライデル・マルティネス投手の争奪戦を制すると、ソフトバンクからFA権を行使していた甲斐拓也捕手の獲得にも成功。さらに、楽天を自由契約となっていた田中将大も迎え入れ、昨季リーグ1位のチーム防御率2.49を記録した守備面をさらに強化した。
一方、リーグ4位の462得点だった攻撃面に関しては、新助っ人としてトレイ・キャベッジ外野手を獲得したのみにとどまっている。
新加入選手は以下の通り。
【FA】
甲斐拓也捕手(32)ソフトバンク
【外国人】
ライデル・マルティネス投手(28)中日
トレイ・キャベッジ外野手(27)パイレーツ
【現役ドラフト】
田中瑛斗投手(25)日本ハム
【他球団戦力外・自由契約】
田中将大投手(36)楽天
石川達也投手(26)DeNA
【ドラフト】
1位:石塚裕惺内野手(18)花咲徳栄高
2位:浦田俊輔内野手(22)九州産業大
3位:荒巻悠内野手(22)上武大
4位:石田充冴投手(18)北星学園大附高
5位:宮原駿介投手(22)東海大静岡キャンパス
育成1位:坂本達也捕手(22)富士大
育成2位:堀江正太郎投手(18)文星芸大付高
育成3位:鈴木圭晋投手(18)横浜創学館高
育成4位:吹田志道投手(17)弘前学院聖愛高
育成5位:西川歩投手(18)山村学園高
育成6位:竹下徠空内野手(23)明徳義塾高
4年ぶりのFA補強により加わった甲斐は14年目の昨季119試合に出場し、リーグ1位のチーム防御率2.53を誇る投手陣をけん引。ソフトバンクの4年ぶりのリーグ制覇に貢献した。阿部監督の現役時代の背番号10を受け継ぎ、巨人でも絶対的な司令塔として投手陣を支える。
昨季中日で2度目のセーブ王に輝いたマルティネスは、来日後8年間で166セーブをマーク。楽天から加入の田中将大は日米通算197勝を挙げており、両投手とも今季中の「200」達成に期待がかかる。また、現役ドラフトで田中瑛斗投手、DeNAを戦力外となっていた石川達也投手も獲得し、菅野が抜けた投手陣の整備を進めた。
一方の野手陣では、新助っ人としてキャベッジ外野手を獲得。昨季はエンジェルス傘下の3Aで107試合に出場し、打率.306、30本塁打、32盗塁のトリプルスリーを達成しており、得点力不足解消へ打線の救世主となれるか注目だ。
ドラフトでは高校生No.1内野手の石塚裕惺を1位指名するなど、上位で3人の内野手を獲得。黄金期再来へ着々と戦力の充実を図っている。