規定打席に到達、サンタナの背中見えた
DeNAのタイラー・オースティン内野手(33)が20日の阪神戦でついに規定打席に到達し、打率.310でセ・リーグ2位に登場した。これまで唯一の3割打者として首位打者はほぼ確定と見られていたサンタナ(ヤクルト)からタイトルを奪う可能性も出てきた。
今季は4月12日に右太もも裏の肉離れで抹消され、約1カ月のブランク。7月にもオールスター第2戦の一塁守備で打球が顔面に直撃し、約1週間離脱した。
そのため94試合しか出場していないが、403打席に立ち358打数111安打の打率.310をマーク。本塁打もリーグ3位の24本、打点も同6位の66と好成績を収めている。
さらにタイトルではないもののOPSはリーグトップの.978、得点圏打率も同じくトップの.400。CS進出を争うチームに大きく貢献している。ここ2年はケガに泣いてきたが、3年契約の最終年で見事に結果を出した。
真ん中より高めは全て打率3割以上
オースティンは対右投手が打率.301、15本塁打、対左投手が打率.330、9本塁打と相手投手の左右を問わず好成績を残している。
特に甘いボールには滅法強く、真ん中高めの打率.457を筆頭にベルトラインより高いコースは軒並み好成績だ。ストライクゾーンを9分割したコース別成績は下の通り。
低めは内外角とも2割台だが、真ん中より高いコースは打率3割以上を示す赤色に染まっている。得意コースを確実に仕留めているからこその好成績なのだ。
1ストライクまでは打率4割以上
もうひとつの特長が若いカウントから積極的に打っていること。カウント別の成績は下の通りとなっている。
0ストライクは打率.439、11本塁打、1ストライクなら打率.462、10本塁打をマークしているのに対し、2ストライクでは打率.177、3本塁打と別人のように成績が落ちる。
甘いコースを逃さず積極的に打ちにいく姿勢と、それを可能にする技術を持ち合わせていることが結果につながっているわけだ。チャンスで早打ちして凡退すると流れが相手チームに移る懸念があるが、オースティンは積極的な打撃でリーグトップの得点圏打率をマークしているのだろう。
相手投手からすれば、若いカウントから徹底的に低めをつき、高めは見せ球として使うことがオースティン対策として有効かもしれないが、そう簡単に実践できないのが野球の難しさでもある。
紳士的な振る舞いと全力プレーで愛される優良助っ人。献身的でフォアザチームに徹する姿勢も、チームに欠かせない存在となっている要因のひとつだ。
来日5年目で自身初のタイトル獲得、そしてCS進出を果たすべく、オースティンのラストスパートに期待がかかる。
【関連記事】
・プロ野球バント戦線に異変? ヤクルトと巨人は大幅増、昨季2位のDeNAは激減 楽天が驚異の成功率90%超
・DeNA度会隆輝の恩師、ENEOS大久保秀昭監督が明かす素顔と打撃センス、期待する将来像
・【DeNA】牧秀悟が4年目の球界史上最高額更新、東克樹も約4倍増で大台突破 2024年俸ランキング