26打数14安打、3本塁打、wRAA6.7の佐藤輝明
先週のセ・リーグは広島が6連勝で貯金11の首位に立ち、阪神も5勝1敗、後半戦8勝1敗の快進撃で貯金8まで増やした。逆に巨人は2勝4敗で首位陥落。DeNAとヤクルトも1勝5敗と明暗が分かれた。
SPAIAでは7月30日から8月4日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
12球団トップのwRAA6.7をマークしたのは阪神・佐藤輝明。全6試合でマルチ安打を放ち、26打数14安打の打率.538、3本塁打、8打点と大爆発した。7月17日の巨人戦から13試合連続安打と絶好調だ。
今季は不振で二軍落ちした時期もあったが、気温とともに調子も上昇。チームメイトの森下翔太もセ・リーグ2位のwRAA4.8をマークしており、後半戦好スタートの原動力となっている。
DeNAオースティン、広島・矢野雅哉も貢献度大
中日・福永裕基も25打数12安打の打率.480と好調をキープしている。7月30日のヤクルト戦では5打数4安打、8月4日の広島戦でも二塁打2本を含む3安打を放つなど、wRAA3.9でチームトップだった。2年目の27歳の評価はうなぎのぼりだ。
DeNAのオースティンはオールスターで負傷したため8月2日に復帰したばかりだが、3日の阪神戦で16号3ランと17号ソロを放つなど9打数3安打でwRAA2.9。チームは後半戦1勝8敗で借金4と苦境だけに、頼れる助っ人に期待がかかる。
6連勝の広島は飛び抜けて活躍した選手はおらず、矢野雅哉がwRAA2.8でチームトップだった。7月30日のDeNA戦で3安打猛打賞など19打数7安打の打率.368、6打点。プロ4年目のショートストップが攻守でチームに貢献している。
巨人・岸田行倫も好調、ヤクルトは山田哲人がトップも打線元気なし
巨人は岸田行倫がチームトップのwRAA2.7をマークした。8月3日のヤクルト戦で逆転4号3ランを放つなど17打数5安打。捕手としても、打者としても、首脳陣の信頼を増している。
最下位のヤクルトは打線に元気がない。チームトップの山田哲人でも、14打数3安打の打率.214、1本塁打でwRAA1.8どまり。一昨年までリーグ連覇した元王者として奮起が待たれる。
前半戦終了時点では首位から最下位まで9.5差と混戦だったが、後半戦最初の3試合が終わった時点で11差、先週でさらに12.5差まで開いた。ここからはサバイバル合戦となるだろう。最後に勝ち残るためにも、好調な野手陣がチームを勢い付けられるかがカギを握りそうだ。
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