昨年の守護神はメジャーの舞台へ
昨年までは安藤-福原-呉昇桓という必勝パターンで多くの勝ち星を重ねていました。とりわけ去年は敗戦処理がことごとく炎上していたということもあり、この3人の負担は非常に大きかったでしょう。実際に昨年の成績を見てみると、
安藤 50試合 5勝4敗20HP 防御率3.02
福原 61試合 4勝6敗39HP 防御率3.02 最優秀中継ぎ投手賞
呉昇桓 64試合 2勝3敗41s 防御率2.73 最多セーブ
※「HP」はホールドポイント
といった感じです。3人とも50試合以上に登板しており、しかもそのうち2人はタイトルを獲得(ちなみに2人ともこのタイトルを2年連続で獲得している)。いかにこの3人の活躍が絶大だったかがわかります。
しかし、呉昇桓選手はメジャーへ移籍し、安藤・福原の両選手も40歳を迎えようかという大ベテラン。実際に2人は今シーズン調整が遅れていますし、新たな必勝パターンの確立は必須ともいえる状況です。かつて阪神にはJFKという絶対的な存在がいたこともありますし、もともとこういった必勝パターンを確立するのは得意なチーム。はたして2016年の阪神タイガースを勝利に導く投手は誰になるのでしょうか。
新戦力は戦線離脱
2016年、阪神タイガースは新たに3人の中継ぎ投手を獲得しました。新外国人選手である、ドリス選手、マテオ選手。そして中日からFAで移籍してきた高橋聡文選手です。そしてここまではこの3人が高橋-ドリス-マテオの順番で必勝パターンとしてまずまずの成績を収めています。2人の成績は以下の通り。(5月19日現在)
高橋聡 20試合 3勝0敗10HP 防御率1.88
ドリス 15試合 0勝2敗5HP 防御率4.20
マテオ 18試合 0勝1敗10s 防御率2.33
なかなかいい感じに機能しているように見えます。しかしながら5月16日にマテオ選手が左股関節の痛みを訴えると、それ以降は登板はなし。ドリス選手も5月7日のヤクルト戦で5失点の乱調を見せると、13日、17日にも失点を繰り返し19日には2軍落ち。高橋選手は比較的元気ですが、またもやこの2人以外から新たな必勝パターンを考えなければならなくなりました。
新たな必勝パターンは誰になる?
この2人以外で開幕から奮闘している中継ぎ投手というと、榎田投手が思い浮かびますね。ここまで20試合に登板して防御率は2.78。ここ2年ほど不本意な成績が続きましたが、ようやく本来の力を発揮してくれるようになりました。必勝パターンの候補のうちの1人でしょう。ほかには開幕から遅れてしまったものの、安藤選手もここまで13試合に投げ防御率は0.00。やはり頼りになる存在ではあります。
他には先発から中継ぎに再転向した藤川球児選手、4月28日に1軍に昇格した石崎選手なんかも中継ぎでしっかりと結果を残しています。あるいはまた新たに外国人を獲得するという選択肢もありますね。果たして金本監督はこの中から誰を必勝パターンとして選択するのでしょうか。
かつての守護神復活か!
マテオ選手の股関節痛が発覚した翌日の18日の中日戦。3-2と1点リードで迎えた9回の表、マウンドに上がったのは藤川球児選手でした。藤川選手は見事に3者凡退で締め、2012年以来のセーブを記録します。その翌日の試合にも、2-2の同点で迎えた9回表に登板。ランナーを2人出してしまうものの、何とか粘りを見せて無失点。サヨナラ勝ちを呼び込む見事なピッチングでしたね。
ご存じの通り藤川投手は2012年まで阪神の守護神を務めていた選手です。そのため実績面ではバッチリ!メジャーから阪神に復帰してから先発をしていましたが、なかなか結果が出せずに2軍落ちをするなど苦しい時期が続いていたのですが、戻ってきてから中継ぎへと配置転換をし、マテオ選手の戦線離脱により守護神復帰。やっぱりこの選手に似合うのはこの場所だったのですね。先発していた頃よりもボールに力が戻ってきましたし、現状では最も適任ではないでしょうか。
2年目の石崎は直球が魅力
そして球児選手の前の回、見事なピッチングを見せていたのが石崎選手。2014年のドラフトで2位指名され入団した選手です。昨年は8試合で防御率7点台と結果を残すことができませんでしたが、今年は5試合に投げ、いまだ無失点。投球のほとんどがストレートで、見ていて気持ちがよくなるような選手ですね。やや腕を下げたスリークォーターのフォームから繰り出させる最速155キロのストレートは、打者の手元で浮き上がるような軌道を描くといいます。その姿はさながら全盛期の藤川球児選手のよう。将来の守護神候補にもなる選手かと思います。
今後しばらくはこの石崎選手、藤川選手を中心に榎田選手や安藤選手、高橋聡選手らを組み込んで必勝パターンが構築されていくかと思います。先発・中継ぎともに投手陣はとても充実しているので、しっかりと点が取れるようになれば順位は自然と上がっていくはずです。
まとめ
阪神の新たな必勝パターンに定着しそうなのは、かつて守護神として幾度となくチームを勝利に導いてきた藤川球児選手でした。アメリカから帰ってきて先発をすると聞いたときは少し残念なような気もしましたが、やっぱり落ち着くべき場所に落ち着いてきましたね。現状ではあまり順位が振るわない阪神タイガースですが、これを浮上のきっかけとできるでしょうか。
以上「2016版 阪神タイガースの必勝パターン」でした。