2016年シーズンに響いたクローザーの不在…
2015年に優勝を決め歓喜の渦に包まれたのもつかの間、翌年は不調へと転落してしまったスワローズ。特に優勝年にクローザーを務めたトニー・バーネット投手の流出は痛かったかもしれない。過去にも素晴らしいクローザーを輩出しているチームなだけに、来シーズンに期待をかけたいところ。トリプルスリーの山田哲人選手を筆頭に、爆発すると素晴らしい火力の打撃陣を要するスワローズ。先発陣も含め、投手陣の建て直しが浮上の鍵となっていくかもしれない。
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2015年の優勝から一転、2016年は屈辱の5位転落となった東京ヤクルトスワローズ。そんな影には怪我人だけではなく、オフに流出してしまった守護神の影響があるのかもしれない。スワローズの代表的な歴代抑え投手陣を振り返ってみよう。
2015年に優勝を決め歓喜の渦に包まれたのもつかの間、翌年は不調へと転落してしまったスワローズ。特に優勝年にクローザーを務めたトニー・バーネット投手の流出は痛かったかもしれない。過去にも素晴らしいクローザーを輩出しているチームなだけに、来シーズンに期待をかけたいところ。トリプルスリーの山田哲人選手を筆頭に、爆発すると素晴らしい火力の打撃陣を要するスワローズ。先発陣も含め、投手陣の建て直しが浮上の鍵となっていくかもしれない。
ヤクルトスワローズの歴代クローザーと問われた時に、真っ先に名前が挙がるであろう選手が高津臣吾投手だろう。1990年ドラフト3位でスワローズに入団。メジャーリーグの挑戦経験もある、スワローズの頼れる投手だ。先発として入団し、クローザーに転向したのは1993年。不調で守護神の座を降りたことはあるものの、2007年頃までその手腕を発揮した。
2014年から現在はスワローズでコーチを務めているだけに、2016年の実情には誰よりも心を痛めているかもしれない。
高津投手がメジャーリーグへ旅立ったのちにクローザーを任されたのが、リリーフとして活躍していた五十嵐亮太投手。1997年のドラフト2位でスワローズに入団。その後高津投手と同じくメジャーリーグに挑戦し、現在はパ・リーグのソフトバンクホークスに所属して現役を続けている。
高卒ルーキーとして史上初のファーム日本選手権MVPを取るなど、そのポテンシャルは随一。故障により1年間のみの守護神だったが、その豪腕をいかんなく発揮しチームを勝利に導いた。
ここ数年において、スワローズのクローザーに長く定着したのが林昌勇投手ではないだろうか。韓国球界からスワローズへとやってきた投手で、サイドとアンダーの2種類のフォームから投げる最速160km/hの速球が持ち味。野球世界大会のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の韓国代表にも選ばれるほどの実力の持ち主だ。
当初はセットアッパーとしてリリーフ陣の一角を任せられる予定だったが、故障の五十嵐亮太投手に変わり2008年から抑えに抜擢。そのまま勝利の方程式として定着する。
スワローズ14年ぶりとなる2015年の優勝に貢献したトニー・バーネット投手。2010年に先発として期待され入団したものの結果が出ず、最終的にはリリーフとしてその能力を振るうことになる。しかしこの配置転換が功を奏したのか、2012年に不調に陥った林昌勇投手に変わりクローザーに抜擢。優勝年には絶対的守護神として各球団に立ちはだかり、セーブ機会の救援失敗はわずか1回という抜群の安定感を誇る成績を残す。
東京ヤクルトスワローズが優勝するためには、9回を任せることができる絶対的クローザーの台頭が重要。歴代を振り返っても名のある守護神が連なるスワローズ。最後のマウンドを守る投手の姿が現れる未来も遠くないはず。来年こそは王座奪還を目指して羽ばたいてほしいものだ。