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北海道日本ハムファイターズを支えてきた歴代の名クローザーたち

2016 12/2 01:42
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Photo by Brocreative/Shutterstock.com

日本ハムで名クローザーと呼ばれた選手たちを紹介していく。日本ハムといえば以前はダルビッシュ、今では大谷翔平といったように球界を代表するエースをよく輩出しているが、彼らを支えるクローザーたちにも注目だ。

中継ぎ・抑えとしてチームの大黒柱に! 武田久

まず紹介するのは武田久だ。入団時から中継ぎ一筋。06年にはパリーグ最多の75試合に登板し、40ホールドを上げて最優秀中継ぎ投手賞を獲得した。クローザーを務めたのは09年?13年までの5シーズン、特に2011年の成績は圧巻だった。この年は37セーブを挙げてセーブ数を獲得したのだが、防御率は1.03、被本塁打数は0と、クローザーとしてはほぼ完ぺきな成績を残した。
170cmと小柄な体に平均球速も140キロ前後と、決して体格に恵まれた選手ではない。しかし、低く沈み込むフォームから繰り出されるストレートは独特の軌道を描き、多くの打者を翻弄した。NPB歴代10位となる通算セーブ数167個はもちろんのこと、セットアッパーとして積み重ねた通算107ホールドの方も素晴らしい数字だ。

変則サイドの剛速球! マイケル中村

続いて紹介するマイケル中村は、MLBを経由して、04年にドラフト4位で日ハムに入団。06年からクローザーに抜擢され、いきなりパリーグ記録を更新する39セーブを記録する。。日本シリーズでも好投をみせ、チームとしては44年ぶりとなる日本一に大きく貢献した、第5戦では見事に胴上げ投手にもなった。その後も08年シーズンまで活躍し、日本ハムでは101セーブを記録する活躍を見せる。
その後09年にトレードで巨人へ、12年にも西武へと移籍しその年で引退。変則的なサイドスローから150キロを超える豪速球と、大きく曲がるスラーブが武器で、抑えを務めていた間は、武田久と組んだ勝利の方程式は他球団にとって大きな脅威だった。中島聡との相性が良く、試合終盤になるとバッテリーごと交代という光景がよく見られたのが印象深い。

日本ハムでMVPを獲得した元阪神のエース 江夏豊

続いては江夏豊だ。ご存知の通り阪神で大エースと呼ばれた選手だが、晩年は様々な球団でクローザーとして活躍し、日本ハムでは81~83年の3シーズンで88セーブを記録した。
特に81年は25セーブを上げ、3年連続4度目の最優秀救援投手を獲得。19年ぶりの優勝に大きく貢献しシーズンMVPまで受賞した。これ以前にも広島時代の79年にシーズンMVPを獲得しており、史上初の両リーグでのMVP受賞を果たす(ちなみに江夏豊以降で両リーグMVPを獲得したのは、日本ハム・巨人で獲得した小笠原道大のみ)。

待望の安定感あるクローザー 金石昭人

続いて金石明人を紹介しよう。90年代前半の日本ハムのクローザーを務めた選手で、バドミントンの陣内貴美子の夫としても有名かもしれない。79年にPL学園高校から広島カープにドラフト外で入団。しかし6年目には12勝を挙げたものの、それ以外の年はなかなか目立った活躍ができなかった。だが92年にトレードで日本ハムへ移籍してくると、新天地で才能が開花したのか1年目から14勝の活躍。翌年からはクローザーも務め、以後4シーズンで78セーブを記録する。
日本ハムでは江夏豊以来、なかなか長年にわたってクローザーに定着する選手が表れてこなかった。どの選手も1、2年ほどで不調になってしまい、抑えを下ろされてしまうのだ。そんな中でも5年間も安定して抑えを務めた金石の存在は、チームにとって頼もしかったことだろう。特に92年や96年は優勝まであと一歩というところまで行ったが、金石の活躍なしにはこの快進撃も語れない。

日本人初のメジャーリーガー  村上雅則

最後に紹介するのは村上雅則。日本ハムの初代クローザーというべき選手だ。まだ投手は先発完投が当たり前という時代の中、中継ぎ専門の投手として活躍し、78年に10セーブ、79年に11セーブを挙げた。
またこの人は日本人初のメジャーリーガーでもある。南海ホークスに所属していた64年、サンフランシスコ・ジャイアンツの1Aチームへ野球留学の名目で派遣され、ホークス側はそれほど期待はしていなかったようだが、8月31日に突如メジャー昇格を言い渡されると、翌9月1日にはメジャー初登板を飾る。日本人初のメジャーリーガー誕生するのだ。29日には勝利を上げ、日本人メジャーリーグ初勝利までも記録。その後ホークスに復帰し、75年に阪神、76年に日本ハムへと移籍する。
81年にはクローザーの座こそ江夏豊に譲るが、17試合に登板し19年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

まとめ

今年のファイターズは増井が不調で代わりにマーティンがクローザーを務めていたのだが、その増井が先発に回ったとたんにチームが絶好調になるあたり、やっぱり野球はわからない。そのあたりの采配はさすが栗山監督といったところだろうか。来期のクローザーが誰になるのかも要注目だ。