20歳・長岡秀樹がチームトップ
先週のセ・リーグは首位を独走していたヤクルトが思わぬアクシデントに見舞われた。5日からの巨人3連戦でカード連続勝ち越しが「14」で止まり、その後、新型コロナウィルスに感染した選手が続出。10日には一挙15人が抹消され、9日と10日の阪神戦は中止となった。
ここまで快調にとばしていたが、期せずしてマジック「49」のまま足踏み状態。今後の戦いへの影響が心配される。
一方で星を伸ばしたのがDeNA。5試合で3勝2分けと負け知らずで4位に浮上した。SPAIAでは7月5日から10日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
ヤクルトは八千代松陰高から入団3年目の20歳・長岡秀樹がwRAA2.3でチームトップだった。先週は15打数6安打3打点。8番ショートでスタメン出場した7日の巨人戦では、二塁打3本で2打点を挙げて勝利に貢献した。
今季は81試合にフル出場中と飛躍のシーズンとなっているが、10日に登録抹消されているだけに気掛かりだ。
DeNA佐野恵太は宮﨑敏郎と首位打者争い
2勝3敗1分けだった巨人は吉川尚輝がwRAA2.3でトップだった。先週は24打数8安打、1本塁打。8日のDeNA戦では1点差の9回裏に山崎康晃から値千金の同点4号ソロを放ち、引き分けに持ち込んだ。7月は月間打率.324をマークするなど調子を上げている。
2勝3敗だった広島は、マクブルームがwRAA3.1でセ・リーグトップだった。18打数6安打で打率333、2本塁打、5打点をマーク。9日の中日戦では11号3ランを放って勝利に貢献した。メジャー帰りの3番・秋山翔吾が調子を上げてくれば、4番を打つ助っ人砲のバットは得点力を左右しそうだ。
DeNAの佐野恵太は19打数7安打でwRAA2.9。9日の巨人戦では、9回に高梨雄平からタイムリー二塁打を放つなど4打数3安打で2-0の勝利に貢献した。現在打率.317でチームメイトの宮﨑敏郎に次いでリーグ2位。2020年以来2度目の首位打者に向けて安打を量産している。
中日・岡林勇希は週間打率.389
阪神は先週3試合しか消化できず、2勝1敗だった。チームトップは佐藤輝明のwRAA1.2。とはいえ、11打数3安打で打率.273と、もうひとつ波に乗り切れない。本塁打も6月は2本のみ、7月は1本も打っていない。前後を打つ近本光司と大山悠輔が6月に結果を残しただけに、4番・佐藤の復調が待たれる。
2勝2敗1分けだった中日は岡林勇希がwRAA1.0でチームトップ。18打数7安打で打率.389をマークした。8日の広島戦では4打数2安打1打点で勝利に貢献。菰野高から入団3年目の20歳が、2番として良い働きをしている。
コロナ禍で風雲急を告げてきたセ・リーグ。仮にヤクルトが試合をできたとしても高津臣吾監督や主力不在となる可能性もあり、ベストコンディションに戻すのも時間が必要だろう。12日からの9連戦を控えて予断を許さない状況だ。
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