球団浮上のきっかけとなった、ホセ・フェルナンデス、リック・ショート
まず紹介するのは、ホセ・フェルナンデス、リック・ショートの2選手。野村政権の2年目、球団創設以来初の最下位脱出に貢献した2人だ。実はこの2人、初めて日本に来たときはロッテに所属していた。フェルナンデスはともかく、リック・ショートの方はロッテでは『ショート』、楽天では『リック』の登録名だったので、気が付かなかったという人も多いかもしれない(以下リックと表記する)。
2人とも03年にロッテへ入団し、フェルナンデスは.303 32本 100打点、リックも.303 12本 58打点の好成績を残す。しかしなぜか2人そろって自由契約となってしまい、フェルナンデスは西武へ移籍。リックは一度アメリカへ帰国し、マイナーリーグでプレーする。そして06年、再び2人そろって楽天へと入団するのだ。
初の最下位脱出!Aクラスまであと一歩!
特に印象的だったのは07年だ。この年は打撃陣が非常に好調で、山崎武司が43本塁打を放ち本塁打王を獲得すると、リックは.330の高打率を残す。フェルナンデスは.270 22本とやや低調だったものの、4月には満塁本塁打を放つなど数字以上に怖さがあった。そして彼らの活躍のおかげで、楽天は球団史上初の初の最下位脱出(4位)をはたすのだ。
翌08年もこの2人の活躍が光る。フェルナンデスは本塁打こそ18本と減少したものの、.301の安定した打率にリーグトップの40本の2塁打を記録。リックの方は.334と2年連続の高打率を残し、首位打者を獲得した。投手陣では岩隈久志が21勝を挙げ最多勝。チームは5位だったものの、嶋や田中将大ら若手の成長も見られ、翌年以降に向けての手ごたえを感じさせたシーズンだった。
日本一に大きく貢献したアンドリュー・ジョーンズ、ケーシー・マギー
そして楽天の外国人といえば、2013年のアンドリュー・ジョーンズ、ケーシー・マギーの2人だろう。どちらもメジャーで実績を残した選手で、ジョーンズは当時かなりベテランだったのだが、通算434本塁打、05年には51本塁打で本塁打王を獲得したこともあるメジャーを代表するスラッガーだった。一分のマギーも、ジョーンズほどの実績はないながらも、2010年には.285 23本 104打点を記録し、期待されていた存在だ。
2013年はこの2人に加え、経験を積んできた嶋、銀次・岡島・島内らの成長株、松井稼頭央や藤田のような補強選手、ゴールデンルーキー則本、そしてなんといっても田中将大が神がかり的な成績を収め、見事に球団初の日本一へと輝いた。
相性抜群の4番5番コンビ!
シーズンでは主にジョーンズが4番、マギーが5番を務めた。ジョーンズの方は打率は低く、三振数も164とリーグ最多だったものの、26本・94打点で勝負強さを発揮。そして何よりもリーグ最多の105四球というのが光る。
打率は.243に対して出塁率は.391、本来出塁率と打率の差が0.1もあれば一流の選球眼を持っているといわれているのだが、ジョーンズのそれは0.15もあるのだ。一発もあり、選球眼もある。相手投手からすればこれほど怖いバッターはいないだろう。
一方のマギーも、ジョーンズの後を打つには十分すぎるほどの勝負強さを持っていた。シーズンを通しての打率は.292とそこそこの数字なのだが、これがランナー1塁や1・2塁のような状況になると.311に、さらにビハインド時なら.411にまで跳ね上がるのだ。四球の多いジョーンズとの相性は抜群。本当に頼もしい5番バッターだ。
クライマックスシリーズ、日本シリーズでも印象に残る活躍!
ポストシーズンでもこの2人の活躍が光った。ロッテを相手に迎えたクライマックスシリーズ第1戦では、銀次・マギーがタイムリーを放つと、田中将大が完封して快勝。第2戦ではジョーンズが本塁打、さらに第4戦ではジョーンズ・マギーのアベックホームランが飛び出し、4勝1敗(うちアドバンテージ1勝)で見事に日本シリーズへの進出を決める。
巨人との日本シリーズでも、2戦目ではヒットこそ出なかったものの、2人で5四球をもぎ取り、後ろを打つ嶋・藤田のタイムリーを呼ぶ。4戦目ではジョーンズが先制のスリーランホームラン!2人とも試合の節々で攻守に良い活躍を見せ、日本一に貢献した。
まとめ
チームの歴史が短いため、助っ人外国人自体もそれほど多くはないのだが、それでもこの4人は印象に残る活躍を見せてくれた。現在のチームにはウィーラ?やアマダー、ペゲーロら期待できる助っ人が在籍している。彼らの今後の活躍にも注目していこう。