球場全体が「縁日」になるイベント
イーグルスが子どもの夏休み期間中に開催する「夏スタ」は、koboスタ宮城が縁日のようになるイベントです。例えば、スタジアム3塁側外周に新設された「イーグルスドーム」がお化け屋敷がとなって、会場内を回りながら球団マークを集めるとプレゼントがもらえる企画や、左中間後方にも新設された「スマイルグリコパーク」では巨大迷路も作られました。球場に野球を見に訪れる前に、遊園地やお祭りのようなアトラクションを体験でき、子どもも大喜びでしょう。
Ⓒゲッティイメージズ
東北楽天ゴールデンイーグルスといえば、オーナー会社が日本最大手のIT企業・楽天なので、球団を創設して以来、今までのプロ野球では見られなかった挑戦的な試みを続けてきました。今回は本拠地のkoboスタ宮城で開かれるファン向けの面白いイベントについて紹介します。
イーグルスが子どもの夏休み期間中に開催する「夏スタ」は、koboスタ宮城が縁日のようになるイベントです。例えば、スタジアム3塁側外周に新設された「イーグルスドーム」がお化け屋敷がとなって、会場内を回りながら球団マークを集めるとプレゼントがもらえる企画や、左中間後方にも新設された「スマイルグリコパーク」では巨大迷路も作られました。球場に野球を見に訪れる前に、遊園地やお祭りのようなアトラクションを体験でき、子どもも大喜びでしょう。
2016年6月10日の楽天ー広島のセパ交流戦は、アラフォー世代のゲーム好きにとってはたまらない一夜となったでしょう。この日は、任天堂のゲーム機「ファミリーコンピューター」でナムコ(現・バンダイナムコ)から発売された「ファミリースタジアム(ファミスタ)」の世界観と現実が一体となった試合が開催されました。ファミスタナイターと銘打ったこの日は、ファミコンらしいピコピコした音とともにゲームが始まり、大型ビジョンにはドット絵で描かれた選手紹介もありました。来場者にはファミスタ風の選手ステッカーが全10種類配布され、ステッカーを集めようと往年のファンはグッズの購入に走ったでしょう。
合コンも兼ねた野球観戦という出会いを求めるファンにとっては願ったりかなったりのイベントが、2016年6月12日の広島戦で行われました。その名も「Eコン」。地元で街コンを企画運営している企業との共同開催で、席替えをしながら試合を楽しみ、試合後は仙台の飲食店で楽しく語らうというイベントです。数カ月に1度の割合で定期的に開催され、チケットが発売されるとすぐに売り切れる盛況ぶり。これで野球を一緒に観に行く異性の友人や恋人ができるかもしれません。
プロ野球ではすっかりお馴染みとなったタオルを振り回しながらの応援。ただ、球場で初めて応援する方の中にはタオルを持ってない方もいるでしょうから、応援の一体感が味わえないのは残念です。しかし、来場者全員に選手の名前が入った独自デザインのタオルがプレゼントされる日もあります。特定の選手の名前や背番号が入ったユニフォームを着ていれば、好きな選手の応援タオルがもらえますから、お得に試合を楽しめて、かつ球場の盛り上がりに参加できる一日となるでしょう。
子どもの取り込みを狙った球場の遊園地化構想、異性との出会いも叶えられる観戦型街コン企画など多彩な潜在需要の掘り起こしに躍起となっている楽天球団ですが、アニメのファンまでイベントを通じて取り込もうとしています。仙台を舞台にしたアイドルの活躍を描いた「Wake Up, Girls!(通称WUG)」とイーグルスのコラボによって、WUGメンバーの声優がステージに立ったり球場のMCを務めたりするイベントがありました。野球には興味がないけれどWUGは好きだから見に行きたい、限定グッズも欲しいので球場に足を運んだという方も大勢いたようです。
遊園地からアニメファンまでさまざまな顧客層の獲得に向けて挑戦を続けている楽天イーグルス。プロ野球の活性化につながる画期的な試みで、これからもファンだけでなく東北をさらに盛り上げてほしいものです。