記録ラッシュ期待もまだまだ若い坂本勇人……通算記録はどこまで伸びる?
巨人・坂本勇人が6月25日の広島戦で史上44人目となる通算350二塁打を達成した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が大幅に遅れたことにより、注目されていた通算2000本安打の「史上最年少到達記録」こそ絶望的となった。だが、こちらも残り101本(7月4日時点)と、怪我などさえなければ今季中の達成は有力だ。
そのほかにも1000得点や3000塁打、250本塁打も達成の可能性があり、頼れるキャプテンは記録ラッシュが期待されるシーズンを送っている。
これだけ数々の区切りの数字が近づいてきている坂本だが、「今が全盛期」の選手であるということを忘れてはならない。年齢としては打者にとって脂の乗り切った時期といえる31歳。2018年にキャリアハイの打率.345をマークし、2019年にはこちらもキャリアハイとなる40本塁打。むしろ近年のパフォーマンスは上昇曲線を描いている。
このまま順調にキャリアを送れば、各種の記録はどこまで伸びていくのか期待が膨らむばかりだ。そこで、歴代でも上位が狙えそうな通算記録に注目してみたい。
安打・二塁打は歴代トップを狙える位置に
まずは、金字塔が迫る安打と先日350本に到達した二塁打。
安打は張本勲氏が3085本で唯一の3000本台で、このラインに届けばとてつもない偉業となる。坂本の場合、今季を含めて30代の残り9シーズン、毎年125本程度積み上げればいい計算だ。最近4年連続でシーズン150本以上をマークしている坂本にとっては、決して困難とは言えない数字だろう。
二塁打は立浪和義氏の487本が歴代トップ。レギュラーに定着したプロ2年目以降の坂本のシーズン平均二塁打数は29本で、このペースを継続できれば今季含めて5年で立浪氏の本数に届く。こちらは歴代トップへの道筋が見えてきたといえるだろう。
得点・塁打・打点も昨季開眼の本塁打次第で上位へ食い込む可能性
安打・二塁打のほかに注目したいのは得点(994)・塁打(2971)・打点(808)。
いずれも王貞治氏が2位以下を大きく引き離して歴代トップに立っていることからもわかるように、この3つは本塁打を多く打つことで稼ぐことができる。坂本も40本塁打に到達した昨季はトップバッターとして活躍した2010年以来、自身2度目の100得点超えとなる103得点をマーク。自身最高の319塁打と94打点も記録した。
歴代上位への道のりはまだ長く思えるところだが、昨季見せたような長打力を今後も発揮できれば、王氏の圧倒的な記録には届かずとも、相当な位置に食い込める可能性はありそうだ。そういった数字が残れば、「歴代ナンバーワン遊撃手」という評価も揺るがないものになってくるだろう。
※数字は全て7月4日時点