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11年目の広島・堂林翔太が絶好調 セ・リーグ新監督の下で活躍の場を見出した選手たち①

2020 7/2 11:15青木スラッガー
開幕から打撃好調のカープ・堂林翔太ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

11年目の「鯉のプリンス」が佐々岡新監督の抜擢に応える

今年のセ・リーグには2人の新監督が誕生している。広島・佐々岡真司監督とヤクルト・高津臣吾監督だ。監督が新たになれば選手起用も変わってくるもの。この序盤戦においては、どのような選手が抜擢されているのかといった新監督の「色」が注目になってくる。そこで今まで一軍では出番が少なく埋もれていたが、監督の交代を機に日の目を見た選手に目を向けてみたい。

佐々岡監督の抜擢に応え大活躍を見せているのが、11年目の堂林翔太だ。

高校3年時には中京大中京のエース兼4番打者として夏の甲子園優勝に大きく貢献し、「尾張のプリンス」と呼ばれていた。そしてその呼び名は、広島入団を機に「鯉のプリンス」に。高卒3年目にしてチームトップの14本塁打を放ち、鮮烈なデビューを果たしたのは8年前(2012年)のこと。

しかしその後は伸び悩み、自身を見出した野村謙二郎監督から緒方孝市監督体制に移った2015年以降は、出場機会が激減。昨季は一軍デビュー以来最少の28試合に終わり、年齢的にも厳しい立場となってきていたところだった。

だが、今季は開幕前の実戦から結果を残し、佐々岡監督は「7番・一塁手」として開幕スタメンに抜擢。開幕2戦目に4安打を放ってその期待に応えると、1日終了時点でチームトップの打率.394をマークする打撃好調ぶりだ。

6月25日の巨人戦では3シーズンぶりの本塁打も飛び出し、28日中日戦では今季2号を放ったが、これがどちらもテレビ観戦するファンの度肝を抜く強烈な一発だった。

巨人戦では東京ドームの看板付近まで飛ばし、中日戦では梅津晃大が投じたインコースいっぱいのボールを引っ張るのではなく、ひじを上手くたたんで押し込むようにバックスクリーン右へ運ぶ技ありの一打。明らかにこれまでとは違う打撃を見せ、新生赤ヘル打線の一員として欠かせない戦力になりつつある。

野村謙二郎元監督が現役時代に背負った「7」番を継承してから早8年。今年の堂林には「プリンス」という言葉には感じられない、勢いと力強さがある。