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巨人・山下航汰に開幕スタメンのチャンス到来 坂本勇人以来12年ぶり高卒2年目での実現なるか

2020 3/31 11:00勝田聡
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ⒸSPAIA

手薄な一塁は中島宏之が結果を出すも当確とはならず

今年セ・リーグ2連覇を目指す巨人は、野手のレギュラー争いが激しい。原辰徳監督もキャンプ前から一塁、二塁、捕手の3ポジションに関して競争を促していた。春季キャンプ、オープン戦、練習試合をここまで消化してきたが、それでも尚、この3ポジションにおいてレギュラーの当確を与えられた選手はひとりもいない。

一塁に関しては、ベテランの中島宏之がオープン戦で打率.351(37打数13安打)、4本塁打と復活を印象づけた。だが、現時点ではその中島でさえも、レギュラー確約には至っていない。

そのような状況の中、昨シーズン高卒1年目ながら育成契約から支配下登録された山下航汰が、3月28日に行われた紅白戦で3安打2打点と猛打賞を記録。開幕一軍入りへ向け大きなアピールとなった。

ネット裏から観戦していた原監督も「(4月)5日から合流する可能性が出てきた」と賛辞を贈ったほど。今後の状況次第ではあるが、巨人は4月5日から全体練習を行う予定となっている。そこで一軍に合流させる可能性を示唆した。

開幕が延期したことが多分に影響してはいるものの、この時期に若い山下を一軍に呼び寄せようと考えてるのは、まだまだレギュラーが決まっていないことの裏返しともとれる。とくに山下は一塁と左翼をメインに守っており、キャンプ前から手薄だったポジションを埋める可能性は十分にあるわけだ。

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高卒2年目の開幕スタメンなら巨人では坂本勇人以来12年ぶり

新人として迎えた昨シーズンの山下は育成契約だったこともあり、二軍スタートだった。しかし、序盤から打撃面で結果を出し、7月5日に支配下登録を勝ち取ったのである。巨人において高卒ルーキーの育成契約選手が、1年目で支配下登録されたのは史上初めてのことでもあった。

その後、8月2日に一軍昇格を勝ち取ると、試合出場のないまま3日後に降格と悔しい思いをした。しかし、8月28日に再び一軍へと戻ってくると、12試合に出場し打率.167(12-2)とプロ初安打も記録している。

このオフシーズンにはアジアウインターリーグにも派遣され、2年目以降の飛躍が大いに期待されていた。だが、ウインターリーグ中に肉離れを発症し、春季キャンプでもファームスタート。2年目は出遅れてしまい、2月からのアピールはできなかった。

しかし、開幕が延期したことで開幕一軍入りのチャンスが巡ってきた。もちろん、レギュラーが確約された立場ではなく、さらにいうと一軍が保証されているわけでもない。ここから中島や北村拓己といったライバルたちと、競い合っていかねばならないのである。

その競争を勝ち抜き、開幕スタメンを果たすことができれば、育成ドラフト出身選手としては松本哲也以来2人目、高卒では球団史上初だ。また、高卒2年目での開幕スタメンは、現在主将を務める坂本勇人(2008年)以来12年ぶりとなる。

昨シーズン、イチロー以来となる高卒1年目での首位打者(ファーム)に輝いたバットマンは、大逆転で開幕スタメンを掴むことができるだろうか。球団史上初めて、高卒1年目で育成契約から支配下登録を勝ち取った山下なら、実現できるかもしれない。

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