MLBは予定通り開幕
新型コロナウイルスの拡大によりNPBが開幕を延期した一方で、MLBは予定通りの日程でシーズンを迎えることを決めた。メジャーリーグ機構は9日、各球団と電話会議を行い、以下のプレスリリースを発表した。
「我々メジャーリーグ機構は最新の情報を得るために、米疾病対策センター(CDC)を含む政府機関や、幅広い公衆衛生や感染症の専門家と継続的に関わっている。これらの専門家から得た予防や衛生管理、移動に関する対策は各チームや選手、スタッフに定期的に伝達し、状況の監視に努め、必要とあれば調整する予定である。MLBは急速に進行する状況を認識しているが、我々の現段階の意思としては予定通りにスプリングトレーニングとレギュラーシーズンを行う」。
加えて、予防策としてロッカールームへの立ち入りを一時的に選手とクラブのスタッフに限定することを発表。MLBでは取材陣がロッカールームに入り、選手のインタビューなどを行うのが通例だが、一時的にそれが不可能となった。今後は、NPBのようにロッカールーム外に取材スペースを設けることで感染拡大の予防を図ることとなる。
また、各球団は不特定多数の人間とできるだけ接触をしないで済むよう対策を講じている。例えば、ナ・リーグ東地区に所属するフィリーズは、選手が直接ファンにサインをしないよう通達。代わりに、事前にサインを書いておいたボールやカードを渡している。
大谷翔平ら、選手たちがコメント
シーズンが予定通り開幕することについて、選手たちがコメントを寄せている。報道によると、エンゼルスに所属する大谷翔平は「早く終息してくれれば一番いいですけど、(今後)どうなるかっていう判断は難しくなるかなと思います」とコメント。
また、メッツのロビンソン・カノはシーズンが延期する可能性について尋ねられ「さらに悪くなったら?そうする必要があれば、延期しなければならない」と発言。米サイト、ジ・アスレチックのティム・ブリットン記者が伝えている。
一方、過剰に反応することに違和感を覚えている選手もいる。NBCスポーツ・フィラデルフィアによると、フィリーズの主砲であるブライス・ハーパーは「病気やウイルスを心配していない」とコメント。また、チームがファンとの交流を規制したが「自分はいつも通りに振る舞っている。ファンと握手もしているし、ハイタッチもしている」と語った。
ロッキーズに所属するデビッド・ダールに関しては、状況はより深刻だ。ダールは2015年、試合中のアクシデントにより脾臓を摘出しており、体の免疫システムに障害が残っている。ただ、デンバー・ポストによると、ダールは「心配しすぎないように努めている」と語ったという。彼がむしろ恐れているのは無観客試合の方だ。「空のスタジアムで戦いたくない」とダールは語った。
さまざまな意見があるが、また元どおり野球を楽しめる時間が戻ることを誰もが願っている。
※日付は現地時間
新型コロナウイルス感染拡大による影響まとめ