昨季はツインズが101勝、下位2チームは100敗超と散々
昨シーズンのア・リーグ中地区は、ツインズが101勝61敗という結果で制覇した。一方で4位のロイヤルズが59勝103敗、5位のタイガースにいたっては47敗114敗と勝率3割を切る結果となった。
今シーズンもツインズの連覇が順当と考えられるが、オフシーズンに積極的な補強を行ったホワイトソックスも面白い存在だ。そんなア・リーグ中地区について、各チームの戦力分析とともに今季の順位予想を行っていく。
昨シーズンのア・リーグ中地区は、ツインズが101勝61敗という結果で制覇した。一方で4位のロイヤルズが59勝103敗、5位のタイガースにいたっては47敗114敗と勝率3割を切る結果となった。
今シーズンもツインズの連覇が順当と考えられるが、オフシーズンに積極的な補強を行ったホワイトソックスも面白い存在だ。そんなア・リーグ中地区について、各チームの戦力分析とともに今季の順位予想を行っていく。
他の地区に比べるとコンテンダー(強豪チーム)が少ないア・リーグ中地区において、今季もツインズが地区優勝を果たす確率は高そうだ。
オフシーズンの補強も抜かりがなく、MLBのチーム本塁打数を更新した強力打線にジョシュ・ドナルドソンが加わった。ドナルドソンは2015年のア・リーグMVPで昨季は37本塁打を放っている。また、手薄だった先発ローテーションにはドジャースとのトレードで前田健太を獲得した。
ただ、ツインズにも問題はある。予想通り地区優勝を果たしたとしても、彼らにはポストシーズンで勝てないという“呪い”がかけられているのだ。現在ツインズはポストシーズン16連敗中。約15年間、2004年のア・リーグ地区シリーズ第2戦から、昨年ヤンキースと戦った地区シリーズ第3戦まで、ツインズは一度もファンに勝利をプレゼントできていないのだ。ミネソタの冬は寒い。
昨シーズン、結果的には72勝89敗と振るわなかったが、オールスターまではもう少しで勝率5割まで戻す健闘を見せていた。チームを支えていたのは、フアン・モンカダやティム・アンダーソン、ルーカス・ジオリットといった若手選手の活躍だった。その証拠にオールスター休み明けの20試合でチームは4勝16敗と大失速するが、その時期はアンダーソンが離脱していたタイミングと重なる。
ホワイトソックスは今オフ、積極的に補強を敢行した。MLB公式サイトによるプレイヤーランキングで捕手の“ティア1”に選ばれたヤズマニ・グランダルをはじめ、2015年のサイ・ヤング賞投手であるダラス・カイケルや、ジオ・ゴンザレス、エドウィン・エンカルナシオンらを獲得。ブレークを果たした若手と実績十分の新戦力が融合すれば、ポストシーズン争いに加わるだろう。
2015年以来、4年ぶりにポストシーズン進出を逃したインディアンス。2016年にはワールドチャンピオン目前だったチームにも再建ムードが高まっている。昨シーズン途中にトレバー・バウアーを、オフシーズンにはコーリー・クルーバーを放出。そして、2021年オフにFA となるスタープレイヤー、フランシスコ・リンドーアのトレードもしきりに噂された。
今シーズンの幕開けは、マイク・クレビンジャーの負傷というニュースから始まった。クレビンジャーは、クルーバーやバウアーがいなくなったあとのエースとして期待されていたが、開幕には間に合わなさそうだ。
「このチームにいたい」。リンドーアは自分の将来をそう語ったが、このままチームが低迷するようであればシーズン中に放出される可能性もある。
昨季は100敗以上も喫したものの、ロイヤルズ打線には魅力を感じる。48本塁打を放ちア・リーグのホームラン王に輝いたホルヘ・ソレアや、2年連続で最多安打のウィット・メリフィールド、打率.279/出塁率.348/長打率.522と昨季ブレークしたハンター・ドージャーなど、楽しみな選手が多い。またトミー・ジョン手術で昨季を棒に振ったサルバドール・ペレスや、アレックス・ゴードンら、2015年の世界一を知るメンバーが活躍すれば意外なダークホースになるかもしれない。
ただ問題は投手陣だ。エースとして考えられているブラッド・ケラーでも昨季は7勝14敗、防御率4.19。2016年にプチブレークしたダニー・ダフィーも近年はパッとしない。地元記者のジェフリー・フラナガン氏はMLBの公式サイトで、シーズン中にブレイディ・シンガーやジャクソン・コワルといった投手の有望株が昇格すると予想しているが、果たして。
2020年のタイガースで最も注目すべきは、2018年のドラフトで全体1位指名を受けたケイシー・マイズである。マイナーで経験を積み、昨年4月29日にはノーヒットノーランを達成。順調に行けば、今シーズン中にメジャーデビューを果たすことになるだろう。
また、デトロイトのもう一人の怪物、ミゲル・カブレラにも注目したい。2014年3月に総額2億4800万ドル(約277億円)もの大型契約を結んだが、相次ぐ怪我のためにここ数年は満足な結果を得られていない。三冠王やMVPを2度獲得したかつての輝きを取り戻せるか、それとも不良債権化してしまうのか、正念場である。
※日付は現地時間