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レイズ監督が入団会見で語った筒香の人間力「将来はリーダーの一人に」

2019 12/18 11:00棗和貴
筒香嘉智ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

レイズ筒香が誕生「ベストを尽くしたい」

「Thank you so much for coming. My name is Yoshitomo Tsutsugo. Please call me Yoshi.」

レイズへの移籍が決まった筒香嘉智の入団会見は、アメリカに行く日本人選手がよくするように英語の自己紹介から始まった。真新しいユニフォームには、DeNA時代と同じ背番号「25」。レイズのエリック・ニアンダーGMとケビン・キャッシュ監督に挟まれた日本の大砲は、緊張からか顔が強張っているように見えた。

筒香はレイズ入りを決めた理由を、ニアンダーGMとキャッシュ監督の熱意に打たれたためと説明した。「勝つために君の力が必要だと言ってくださいました」と筒香。そして「勝利に貢献できるよう100%の力を出して、ベストを尽くしたい」と決意を語った。

キャッシュ監督「筒香は将来のリーダーの一人」

ニアンダーGMやキャッシュ監督が筒香へ言った「君の力」には、野球以外の力も含まれている。ニアンダーGM は、獲得の決め手になったのは野球の能力だけではなく「人間力」でもあると言った。

「最終的に契約を結ぶことになったのは、ヨシという人物を知ったためです。誰に聞いても、ヨシは野球を愛していて、仕事に対して素晴らしい道徳を持っていると言った。彼は生まれながらのリーダーです」

また、キャッシュ監督も筒香の人間性に太鼓判を押す。「我々は、彼が私たちや他の人たちと交流する姿を見てきた。彼はこの会見場に入ってからも、自分らしくいられる。将来のリーダーの一人を獲得できた」

思い出す筒香のリーダーシップ

筒香の野球愛とリーダーシップで思い出すのは、今年の1月25日に彼が日本外国特派員協会で開いた記者会見である。筒香は、日本の野球競技人口が急激に減少していることに危機感を募らせ、野球をする子どもたちへの指導のあり方や環境について問題提起をした。「子どもの将来を考えて」と訴える筒香の姿はまさしく日本球界のリーダーだった。

レイズは、若くグローバルなチームである。チームの顔であるブレーク・スネル(27歳)やブランドン・ロウ(25歳)、オースティン・メドウズ(24歳)などはいずれも28歳の筒香よりも年下である。そして、レイズの40人ロースターには日本とアメリカのほか、ドミニカ共和国やプエルトリコ、キューバ、ベネズエラ、コロンビア、バハマ、韓国とさまざまなバックグラウンドを持つ選手が登録されている。

筒香は入団会見で、英語での自己紹介に続けて、スペイン語で「pa la calle, vamos」と言った。なかなか入団会見でスペイン語を披露する日本人選手はいない。ちなみに「pa la calle」はホームランのことであり、「vamos」は英語のレッツ・ゴーと同じような意味を持つ。ラティーノが多くいるチームへ溶け込む準備は、もうできているようだ。日本球界のリーダーが、グローバルなチームのリーダーになる日も近い。

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