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世界一目指す田中将大はポストシーズン5試合で防御率1.50の安定感

2019 9/29 06:00勝田聡
ニューヨーク・ヤンキースの田中将大Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

田中にとって初めての地区優勝

9月も下旬に入り、MLBも続々と地区優勝が決定。9月25日(日本時間9月26日)の時点では、アメリカン・リーグ(以下、ア・リーグ)、ナショナルリーグ(以下、ナ・リーグ)で5球団の優勝が決まっている。すでに優勝が決定しているのは、ア・リーグは東地区のヤンキース、中地区のツインズ、西地区のアストロズ、ナ・リーグは東地区のブレーブス、そして西地区のドジャースである。

ヤンキースには田中将大、ドジャースには前田健太が所属している。。特に田中はMLB移籍後、初の地区優勝となった。19日(同20日)の優勝を決めたエンゼルス戦にも先発して7回1失点と好投しており、喜びもひとしおだろう。ここからはワールドチャンピオンへ向けて、どのように短期決戦のポストシーズンを勝ち抜いていくのかが焦点となってくる。

ポストシーズン5試合で防御率1.50

田中はこれまでの6シーズン、ポストシーズンではどのような成績を残しているのだろう。

田中将大ポストシーズン成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

田中が初めてポストシーズンのマウンドに立ったのは、移籍2年目となる2015年のこと。負ければ終わりのワイルドカードゲーム、一発勝負のアストロズ戦で先発を任されたのだ。

決して悲観するような内容ではなかったものの、2本のソロ本塁打で2点を失い、5回2失点でマウンドを降りる。味方打線もこの年20勝をマークし、サイヤング賞も受賞することになるダラス・カイケルに封じ込められ、無得点。負け投手となった田中は、わずか1試合でポストシーズンから姿を消すこととなった。

2度目のポストシーズン登板は、今から2年前の2017年。インディアンスとのディビジョンシリーズ第3戦に先発すると、7回無失点、被安打3とほぼ完ぺきな内容で試合をつくる。味方打線もインディアンス投手陣に苦労し、本塁打で1点を奪ったのみだったが、投手陣が無失点リレーでしのぎ1-0のロースコアゲームを制した。田中にとってはポストシーズン初白星となった。

アストロズとのチャンピオンシップでは1戦目と5戦目に登板。1戦目は6回2失点と好投するも、負け投手となった。しかし5戦目は7回無失点、被安打3の内容で勝利を手繰り寄せている。この年の田中は3試合で2勝1敗、防御率0.90とワールドチャンピオンにはなれなかったものの、先発投手としてしっかりと結果を残した。

昨年はレッドソックスとのディビジョンシリーズ第2戦に登板。5回1失点でこのシリーズにおけるチーム唯一の白星を手にしている。このように田中はポストシーズン5試合で、安定感のある投球を見せてきたのである。

田中はポストシーズンでも先発起用が確実

今シーズンの田中は、すべて先発登板で31試合に登板。6年連続2ケタ勝利となる11勝(8敗)をマークしており、ポストシーズンでも先発としての起用が予定されている。

一時はチームを率いるブーン監督が、1試合で複数人の先発投手を起用する戦略を取ると話していた。すなわち、これは3回から4回ずつを2人の投手で凌ぐということだ。しかし、今シーズンは18勝マークしたヘルマンがDVによる出場停止の可能性もあり、方向転換。田中もシーズン中の先発と同じように、長いイニングを投げることになりそうだ。

とはいえ、ポストシーズンは短期決戦。負けられない試合ではスクランブルでの起用法になることも十分に考えられる。はたして、田中は念願のワールドチャンピオンに届くだろうか。ポストシーズンでの登板からも目が離せない。

※数字は2019年9月25日(日本時間9月26日)終了時点