ドジャースが地区7連覇を達成
現地9月10日(日本時間9月11日)、ドジャースがオリオールズを下し、ナショナル・リーグ西地区を制した。これでドジャースは2013年からなんと7連覇。まさにこの地区では無敵の存在となっている。
しかし、ここ2年はワールドシリーズに進出したものの敗れており、6年間で世界一は一度もない。今シーズンこそ、1988年以来7度目となるワールドチャンピオンに手が届くか注目が集まっている。
現在ドジャースに在籍している日本人選手は前田健太ひとりだけ。その前田はここまで29試合(内26試合先発)に登板し9勝8敗、防御率4.07の成績を残しており、優勝に貢献したと言っていい。
今シーズンの前田は開幕から先発ローテーションで起用されていたが、チームの方針もあり9月に入ってから中継ぎに配置転換となった。と言っても、ここまでは1イニングを投げるわけではなく、ロングリリーフが中心だ。
9月に入ってから登板した中継ぎでの2試合は、ともに4イニングを投げている。今後もシーズン終了まで、さらにはポストシーズンでも中継ぎとして登板することが濃厚だ。
そんな前田は過去のポストシーズンにおいて、どのような投球を見せてきたのだろうか。
ポストシーズン20試合で防御率3.86
MLB移籍初年度となった2016年は3試合に先発登板している。しかし、そのいずれも試合をつくれず降板となった。チームもリーグチャンピオンシップで敗退している。本人、チームにとっても悔しい年となった。
2017年は中継ぎとしての起用だった。この年の前田は、ディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップで5試合に登板し、5回を無安打無失点投球。完璧なリリーフで、チームをワールドシリーズへ導く立役者のひとりとなった。ワールドシリーズでは4試合に登板し、5回2/3で防御率1.59とここでも好投を見せている。しかし、惜しくもチャンピオンリングには手が届かなかった。
2018年も前田は中継ぎとして起用された。この年はワンポイント的な起用もあり6回2/3で3失点を喫したが、8試合に登板し失点したのは2試合だけ。抜群の成績を残しているのである。
この3年間で20試合に登板し2勝1敗3ホールド、防御率3.86はまずまずの数字だろう。また中継ぎとして起用された2017年・2018年の成績は17試合で2勝0敗3ホールド、防御率2.08とさらに成績は上昇する。
この結果を見ると、ロバーツ監督が前田を中継ぎで起用したくなるのもうなずける。
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今年も中継ぎでの起用が濃厚
今シーズンのポストシーズンでも前田は中継ぎとしての起用が濃厚だ。
ポストシーズンはレギュラーシーズンと違い短期決戦。MLBでは先発投手を4人で回すことが多い。ドジャースの先発陣を見ると、クレイトン・カーショー、リュ・ヒョンジン、ウォーカー・ビューラーの3人が軸で、アクシデントがない限りローテーションを外れることはない。そして4人目は現在、離脱しているリッチ・ヒルが復帰する見込みとなっている。
現時点でヒルはブルペン投球を行ったのみであり試合には出場していない。状態が思わしくない場合に初めて、前田もしくはフリオ・ウリアスに先発としての出番がやってくるわけだ。
前田自身、先発として登板したい思いは当然あるだろうが、それよりもチャンピオンリングがほしい、この思いの方がきっと強い。
先発でも中継ぎでも結果を残すことができるからこその配置転換、中継ぎ待機である。4年連続となるポストシーズンで、はたして前田はどのような輝きを見せてくれるだろうか。念願のチャンピオンリングを手にできるか注目である。
※数字は日本時間2019年9月11日終了時点