「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

チャップマンにトレイネン!アスレチックスの中心選手は?

2019 3/20 07:00勝田聡
マット・チャップマン,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

1970年代にはWS3連覇を達成

オークランド・アスレチックスは2018年シーズン、アメリカンリーグ西地区で97勝65敗と、5チーム中2位の成績を残した。地区優勝こそのがしたが、ワイルドカードでポストシーズンに進出。しかし、ワイルドカードゲームでヤンキースに2対7で敗れ、ディビジョンシリーズへの進出はならなかった。

これまでに、ワールドシリーズ制覇が9回、リーグ制覇が15回、地区優勝が16回。ワールドシリーズ制覇回数は、ヤンキース(27回)とカージナルス(11回)に続き、レッドソックスと同数の9回で3位タイだ。1972年から1974年はワールドシリーズ3連覇も達成している。

ちなみに、ワールドシリーズで3連覇以上を達成しているのは、ヤンキースとアスレチックスの2球団のみ。余談だが、小説や映画にもなった『マネーボール』の主人公ビリー・ビーンがゼネラルマネージャー(GM)を務めていた球団でもある。

本塁打王のデービスにGGのチャップマン

今シーズンの野手陣で、注目したいのはやはりクリス・デービスだろう。3年連続で42本塁打以上放っており、昨シーズンは48本塁打で自身初の本塁打王にも輝いている。なにより目を引くのがデービスの打率で、2015年から何と4年連続で打率.247を記録。もちろんタイトルや表彰があるわけではないが、今シーズンもその行方に注目している。

そして、攻守ともに優秀な成績を残している三塁のマット・チャップマン。MLBデビュー2年目の2018年シーズンは、145試合で打率.278、24本塁打の成績でチームに貢献。また、三塁で数々のスーパープレーを見せ、ゴールドグラブ賞を受賞した。

FanGraphsによると2018年シーズンのDRS(守備防御点)は「29」。その他の三塁手を見ると、2位のエバン・ロンゴリア(ジャイアンツ)、ヨハン・カマーゴ(ブレーブス)のDRSが「7」となっており、チャップマンは「22」の大差をつけている。このことからも球界屈指の守備力を誇っていることがよくわかる。

一塁手のマット・オルソンもゴールドグラブ受賞者であり、遊撃手のマーカス・セミエンもリーグの平均以上。内野守備は非常に固い。打撃面だけではなく、内野守備の凄さを堪能したいチームである。


【MLB公式】チャップマンの守備

投球の半分がシンカーのトレイネン

すでに開幕投手として発表されているマイク・ファイアーズは、昨シーズン12勝(8敗)をマークした先発1番手で、過去にはノーヒッターを達成した経験もある。しかし、確固たるエースと言えるほどの実績はまだ残していない。エースとなれるのかは、今シーズンの成績次第といったところだろう。

2戦目の先発であるマルコ・エストラーダは、このオフにブルージェイズから移籍してきた右腕。2018年シーズンは7勝14敗、防御率5.64といまひとつの成績だった。2年ぶりの2桁勝利を目指す。

アスレチックスの強みは先発よりも中継ぎ陣である。守護神を務めるブレイク・トレイネンは、2018年シーズンに68試合、9勝2敗38セーブ、防御率0.78と圧倒的な成績を残している。武器は投球の50.2%を占めるシンカーと同じく22.4%のスライダーだ。この2球種で多くの空振りを奪い、三振を量産している。

そして、2018年シーズンにデビューしたルー・トリビーノ。69試合の登板で8勝3敗、4セーブ、防御率2.65。ルーキーながら圧巻の成績を残しブルペンを支えてきた。その他にも通算220セーブを誇るホアキン・ソリア、同じく325セーブを誇るフェルナンド・ロドニーといった実績のあるベテランもいる。両選手とも守護神としてではなく、セットアッパーとしてトレイネンに繋いでいくのが役割となる。

アスレチックスは先発投手よりも中継ぎ投手陣に力がある。先発投手陣が試合を作れば、継投策と堅い内野守備で勝利をもぎ取ることができるのだ。