東地区はフィリーズとブレーブスが躍進
ナショナル・リーグ(以下ナ・リーグ)東地区はここまで戦前の予想を覆す混戦模様となっている。2016年から2連覇中で、2012年から6年連続2位以上の成績を残しているナショナルズが出遅れたのだ。1強体制とも言われていた同地区において、前半戦終了時点でまさかの3位。勝率は5割ちょうどとなっており、まだまだ巻き返せる位置につけているものの、大きな驚きとなっている。
マーリンズ、メッツはともに大きな借金を抱えており、今シーズンの上位進出は難しそうだ。
ナショナルズに代わって首位争いを行っているのが、フィリーズとブレーブスだ。両チームともにここ数年は低迷していたが、若手の活躍もあり今シーズンは躍進している。ブレーブスはベテランのニック・マーケイキスが復活した。打率.323となっており、2008年以来10年ぶりとなる打率3割超えも夢ではない。13年目にして初のオールスターゲームにも出場した。オジー・アルビース、ロナルド・アクーナといった若手を引っ張っていくことに期待したい。
巻き返しを図るナショナルズはブライス・ハーパーの復調が鍵となりそうだ。前半戦で23本塁打を放っているものの、打率.214は物足りない。ホームランダービーで優勝したその勢いを後半戦に持ち込みたいところだ。
【ナ・リーグ東地区順位表】
1位:フィリーズ
2位:ブレーブス(0.5)
3位:ナショナルズ(5.5)
4位:マーリンズ(13.5)
5位:メッツ(13.5)
※()は首位からのゲーム差
中地区はカブス、ブリュワーズの争い 3位カージナルスは監督交代
中地区は大本命のカブスが地区首位に立っており、ブリュワーズ、カージナルスと続いている。4位のパイレーツも借金はわずかに「1」。カブスとは9ゲーム差あるものの、ワイルドカードの望みはありそうだ。レッズは開幕直後から低迷し、浮上することができないまま最下位に沈んでいる。
カブス、ブリュワーズの両球団で優勝争いが繰り広げられそうだが、カージナルスも侮れない。ここにきてカージナルスは48勝46敗と貯金2ながら、マイク・マシーニー監督ら首脳陣を解任し、体制を一新させた。巻き返しを図ることができるか注目が集まる。
日本人選手ではダルビッシュ有(カブス)に注目したい。現在は故障により戦列を離れリハビリ中だが、1勝3敗、防御率4.95のまま終わるわけにはいかない。万全な状態で終盤戦での復帰に期待がかかる。
【ナ・リーグ中地区順位表】
1位:カブス
2位:ブリュワーズ(2.5)
3位:カージナルス(7.5)
4位:パイレーツ(9)
5位:レッズ(13.5)
※()は首位からのゲーム差
西地区は4チームによる大混戦
西地区はドジャース、ダイヤモンドバックス、ロッキーズ、ジャイアンツまでが4ゲームの中にひしめく大混戦だ。2013年から5連覇中のドジャースがまさかの出遅れ。この混戦のひとつの要因となっている。開幕から調子が上がらなかったドジャースは5月16日(日本時間17日)時点では借金10と低迷していた。しかし、6月を17勝9敗、7月のオールスターゲーム前までを10勝4敗と猛チャージで首位に浮上したのだ。
ダイヤモンドバックスは平野佳寿の活躍もあり、ドジャースとは0.5ゲーム差だ。また3位ロッキーズ、4位ジャイアンツもそれぞれ貯金がある。後半戦も気を抜くことはできず、激しい順位争いが繰り広げられそうだ。
今シーズンから牧田和久が加わったパドレスは4位のジャイアンツからも10ゲーム以上離れており、上位進出は難しそうだ。
前田健太(ドジャース)、平野ともに優勝争いの中で好投を見せてくれることに期待したい。
【ナ・リーグ西地区順位表】
1位:ドジャース
2位:ダイヤモンドバックス(0.5)
3位:ロッキーズ(2)
4位:ジャイアンツ(4)
5位:パドレス(14.5)
※()は首位からのゲーム差