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新人連続無失点記録「24」平野佳寿とともに戦うダイヤモンドバックスの選手達

2018 6/29 12:23勝田聡
ポール・ゴールドシュミット,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

メジャーを代表するスター、ゴールドシュミット

今シーズンからメジャーリーグでプレーする日本人選手のなかでは、大谷翔平(エンゼルス)が最も注目を集めていた。しかし、右上腕三頭筋の腱炎で故障者リスト(DL)入り。田中将大(ヤンキース)、ダルビッシュ有(カブス)もDL入りしたことで、これまであまり注目されていなかった日本人選手に目が向けられている。

大谷同様今シーズンから、平野佳寿(ダイヤモンドバックス)、牧田和久(パドレス)もメジャーリーグへ移籍している。特に平野は新人連続無失点記録24ですでに球団記録を更新。上原の持つ日本人連続無失点記録27まであと3に迫っている。「オールスターゲームに出場させるべきだ!」という声も挙がるほどの結果を残し、評価が急上昇。

しかし、中継ぎ投手ということもあり日本での報道は少ない。また、ダイヤモンドバックスの選手についても日本ではあまり知られていない。そこで、今回はダイヤモンドバックの中心選手を取り上げてみたい。

チームの主軸はポール・ゴールドシュミットだ。ゴールドシュミットという名前から「goldy」と愛称がついている。日本語表記だと「ゴルディー」や「ゴールディ」。2017年の第4回ワールド・ベースボール・クラシックでアメリカ代表に選ばれていたので、名前を聞いたことがあるファンもいるだろう。

ゴールドシュミットは2011年にメジャーデビューを果たすと、昨シーズンまでに934試合で打率.299、176本塁打、627打点、117盗塁の成績を残し、チームの柱として活躍。2013年には本塁打、打点の二冠王に輝く、メジャーリーグを代表する選手でもある。

一般的に長距離砲の一塁手といえば、鈍足で守備が粗いという印象を受けるが、決してそんなことはない。2016年には32盗塁を記録するなど足も使えるのだ。また、昨シーズンを含めて3度ゴールドグラブ賞を獲得するなど守備もうまい。まさに走攻守揃ったスーパースターと言える。1987年生まれで今シーズン中に31歳になるゴールドシュミットは、今後数年間トッププレーヤーとして輝くだろう。ぜひ、注目しておきたい選手だ。

破格の年俸を手にしたエースはグレインキー

「打」の中心選手がゴールドシュミットなら、「投」の中心選手はザック・グレインキーだ。清宮幸太郎(日本ハム)が憧れていることでも知られている。背番号も清宮と同じ「21」のグレインキーは、ロイヤルズ時代の2008年に初の2桁勝利となる13勝をマークする。それ以来昨シーズンまで10年連続2桁勝利を達成。2009年にサイ・ヤング賞を受賞したエース投手だ。

数度の移籍を経て2016年からダイヤモンドバックスに加入したグレインキーの契約金額は6年総額2億650万ドル(約247億円)とまさに桁外れ。今シーズンの年俸3,400万ドルはメジャー第3位ということからも、その凄さは感じ取れるだろう。

ちなみに投手ながら打撃にも定評があり、昨シーズンまでの通算打率は.217と優秀だ。盗塁を試みることもあり、すでに今シーズンも1盗塁を決めている。投打に渡って活躍するグレインキーから目がはなせない。

中継ぎ転向が大成功のブラッドリー

投打の主役を紹介したが、まだまだ注目選手はいる。投手では平野と同じく中継ぎを務めるアーチー・ブラッドリー。かつては先発として期待されていたブラッドリーだが、結果を残すことができずに昨シーズンから中継ぎへと転向した。すると、63試合で防御率1.73の成績を残し転向は大成功。今シーズンも試合終盤で任されるセットアッパーとして起用されている。

先発ではロビー・レイも昨シーズン大ブレイクを果たした。初めての2桁勝利となる15勝をマークし、奪三振は218個。エース級の働きを見せ、今シーズンも期待されている。4月下旬に離脱したものの6月末に復帰した。ここからどのような投球を見せてくれるか楽しみだ。

野手に目を向けると、今シーズン中にロイヤルズから移籍してきたジョン・ジェイ、ケガで離脱が多いものの安定した打撃を見せるA.J.ポラックなどがいる。スーパースターではないが、名脇役としてチームを支えるようなプレーヤーが多い。

今シーズンのダイヤモンドバックスはナショナルリーグ西地区で首位争いを続けており、7年ぶりの地区優勝も夢ではない。平野の活躍はもちろんだが、その他の選手にも目を向けていきたい。