「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【動画】足が速いだけじゃない!メジャーで生まれた「好走塁」

2018 6/15 12:52勝田聡
ビリー・ハミルトン,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

一塁ベースがガラ空きの隙に!?

6月12日(日本時間13日)、ミルウォーキー・ブルワーズとシカゴ・カブスの一戦。
ブルワーズは2-0と2点リードで迎えた3回裏に無死二塁のチャンスを作り、バッターボックスにはロレンゾ・ケーンが入る。このチャンスにケーンの放った打球は平凡なゴロとなり二塁ベース後方でハビア・バイエズに捕球されてしまう。

飛び出していた二塁走者のクリスチャン・イエリッチが挟まれ、チャンスが潰えるかと思われた。このような挟殺プレーでは前にいる走者が時間を稼ぎ、後ろの走者は出来る限り先の塁を目指すというのがセオリーだ。そのセオリー通りにイエリッチが時間を稼ぎ、ケーンは二塁ベース付近に到達していた。

しかし次の瞬間、一塁ベースに相手守備がいないことを確認したケーンが逆走。その結果、二塁にイエリッチ、一塁にケーンが残り、このプレーを見た球場やベンチは大いに盛り上がった。

相手守備のミスを見逃さなかったケーンの頭脳プレーと、その直後に放ったトラビス・ショウの適時二塁打。単に駿足だけではこなせなかった2人のビッグプレーが得点に結びつき、同時に2つの「好走塁」が誕生した。


【ケーンがガラ空きの一塁へ戻る】

韋駄天ハミルトンが見せた咄嗟の判断

シンシナティ・レッズとカンザスシティ・ロイヤルズの試合でも、レッズの韋駄天ビリー・ハミルトンが「好走塁?」魅せた。ハミルトンは内野フライでタッチアップをするなど、快足ぶりが知られている。しかし、この日のプレーはちょっと違った。

1-1の同点で迎えた延長10回表1死一、三塁の場面でハミルトンは三塁走者だった。その場面で打者タッカー・バーンハートの打球はゴロとなり、投手が捕球。すぐさま捕手へと送球され、飛び出していたハミルトンは三本間で挟まれてしまう。

挟殺プレーとなり万事休すかと思われたが、「なにかの衝撃」を受けたように飛び上がったハミルトンは、タッチを避け三塁に生き残ったのだ。球界随一の韋駄天は、足の速さだけに限らず「好走塁」を魅せてくれた。

結果、1死満塁とチャンスが継続したレッズは、ジョーイ・ボットの適時三塁打で勝ち越し点を奪った。ハミルトンの好プレーが生きた証拠だ。


【ハミルトンのジャンプ避け】

メジャーリーグというと、どうしても本塁打、奪三振、好守備といった華やかな部分に目がいきがちだが、今回紹介したプレーのように足の速さだけでは測れない「好走塁」もある。皆さんはかつて、「忍者」と呼ばれるような走塁を見せたイチローを憶えているだろうか。

ワンプレーごとに何が起こるかわからない、それがメジャーリーグの面白さかもしれない。