サイ・ヤング賞投手シャーザーの好走塁
6月2日(日本時間3日)に行われたブレーブスとナショナルズの一戦は、両チームとも譲らず3-3のまま延長戦へ突入した。迎えた14回表ナショナルズの攻撃、1死走者なしの場面で投手のジャスティン・ミラーに打席が回る。そこでデーブ・マルティネス監督は、代打にマックス・シャーザーを起用した。
今シーズン初、通算では3度目の代打に立ったシャーザーは、センター前ヒットを放つ。さらに2死後、ウィルマー・ディフォが放った右中間への当たりで野手顔負けの走塁を見せ、決勝のホームを踏む。シャーザーはサイ・ヤング賞を3度受賞したMLB屈指の左腕で、6月5日にメジャー最速の10勝をあげたエースだ。
【シャーザーの打撃・走塁】
打てる投手の代表格バムガーナーは復帰間近!
今シーズン、開幕前に骨折し離脱していたが先日復帰したマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)も「打てる投手」の代表格だ。2014年から4年連続で3本塁打以上を放ち、シルバー・スラッガー賞を2度受賞。投手でありながら通算10度代打に起用され、打率.333(9打数3安打)の成績を残している。
バムガーナーはMLBを代表する投手のひとりで、2011年から6年連続で2桁勝利を達成。2014年にはワールドシリーズMVPにも輝いた。その復帰初戦となった6月5日(同6日)のダイヤモンドバックス戦では、2打数ノーヒットと快音は響かず。本職の投手としては敗戦投手となったものの、6回2失点、被安打8と及第点の内容だった。投打ともに本調子となることを期待したい。
【2015年にカーショーから放った本塁打】
「恐怖の9番打者」は他にもいる!
フィリーズのビンス・ベラスケスも打撃に自信のある投手だ。今シーズンは先発ローテーションに入り4勝(6敗)をマークしているが、打率.300(20打数6安打)とバットでも貢献している。今シーズンだけの「まぐれ」ではなく昨シーズンも打率.250を記録し、通算打率.238(84打数20安打)。投手としては優秀な数字だろう。
5勝(4敗)をマークしているブレント・スーター(ブルワーズ)も見逃せない。ここまでに打率.267(15打数4安打)、1本塁打、3打点をマークしている。安打4本の内訳は単打が1本、二塁打が2本、本塁打が1本で、OPS(出塁率+長打率)は.953と優秀だ。投手なので出場試合数や打数は少ないものの「恐怖の9番打者」として恐れられている。
【スーターの本塁打】
このように、メジャーリーグには打撃力のある投手が多い。大谷だけでなく他の選手にも注目することで、メジャーリーグ観戦がさらに楽しくなるだろう。そのきっかけのひとつとして、投手の打撃にも注目してみてほしい。
(データは2018年6月6日終了時点)