イチローと大谷
メジャーリーグのマリナーズが5月3日(日本時間4日)に、イチローの今季残り試合の欠場とフロント入りを発表してから約1か月。イチローのいないメジャーリーグでは日本の誇る二刀流・大谷(エンゼルス)が球場を沸かせている。
2001年にマリナーズへ入団し、日本人野手のパイオニアとして18年間に渡って道を切り拓いてきたイチロー。そして、それを継ぐかのように今シーズンからメジャーリーグでプレーしている大谷翔平(エンゼルス)。そんな彼らは日本時代にどのような成績を残して海を渡ったのだろうか。改めて振り返りたい。
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イチローは驚きの三振数
7年連続首位打者など日本で圧倒的な実績を残したイチロー。野手としてのタイトルはベストナインのみとタイトルの数ではイチローに軍配が上がる。イチロー(9年)、大谷(5年)とプレーした年数の違いはあるが、二刀流でプレーする限り、この差は縮まらなかっただろう。
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打率をはじめとした一般的な指標でも、イチローは大谷を上回っている。そのなかで驚きなのは三振の数だ。イチローと大谷の数字がほぼ変わらないのである。前述したとおり、イチローのほうがプレー年数は4年長い。にも関わらず、三振の差はわずかに「17」。イチローの凄さが改めて浮き彫りになった。
IsoPでは大谷に軍配
出塁率を見てもイチローが大谷に6分以上の差をつけている。やはりレジェンドには、二刀流だと太刀打ちできないのだろうか、と思わされるほど圧倒的だ。
しかし、大谷がイチローに勝っている部分もある。「出塁率ー打率」で求められるIsoDがそのひとつだ。あまり、一般的にはなっていない指標ではあるが、四死球での出塁を表しており、選球眼(死球での出塁も含まれるが)の善し悪しを測る際に用いられる。この数値ではわずか「4厘」ではあるが、大谷に軍配が上がる。
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そしてもう一つが「長打率ー打率」で求められるIsoPだ。近年ではISOと略されるケースも多い。この指標では長打力を測ることができ、大谷はイチローを4分5厘ほど上回っている。今回取り上げた指標の中で唯一、大谷が大きくイチローを上回っている項目でもある。三振率、BB/Kなど三振に関わる指標では、やはりイチローが大谷に格の違いを見せつけている。
総額の年俸ではイチローが大谷を大きく上回っている。しかし、1億円の大台に届いたのはイチローが5年目に対し、大谷は3年目。スピードでは大谷が勝っていると言えるだろう。
マッシー村上が日本人としてメジャーリーグ移籍を果たし、野茂英雄が再びこじ開けたこの道をイチローが拡げてきた。そして大谷が、さらなる未来へ繋げようとしている。