ダルビッシュの加入したカブスは地区優勝候補の大本命
ナショナル・リーグ中地区でもっとも注目を集めるのは、ダルビッシュ有が加入したカブスだ。2016年に108年ぶりとなるワールドチャンピオンに輝き、昨シーズンも地区優勝。リーグチャンピオンシップでドジャースに敗れたものの、このオフに戦力的なマイナスはなく、地区優勝候補の筆頭だ。
FAとなったジェイク・アリエッタはフィリーズへ移籍となったものの、ダルビッシュに加えタイラー・チャットウッドを獲得。エースのジョン・レスター、カイル・ヘンドリクス、ホセ・キンターナとローテーション投手全員が2桁勝利経験者となった。
救援陣もFAとなっていたブランドン・モローを獲得して守護神を埋めると、スティーブ・シーシェックも補強。ウェイド・デービス、上原浩治が去ったものの大きなマイナスとはならないだろう。
野手陣も若き主砲のクリス・ブライアントに、4年連続30本塁打以上を放っているアンソニー・リゾと主軸は揃っている。ハビアー・バイエズ、アディソン・ラッセル、ジェイソン・ヘイワードと守備が売りの選手も多く、今シーズンも安定した強さを見せてくれそうだ。
ダルビッシュの加入により、日本での報道が多くなることの予想されるカブスの戦いぶりに注目したい。
3年連続地区最下位のレッズはボットとハミルトンに注目
メジャー屈指の大打者であるジョーイ・ボット(レッズ)。主要打撃タイトルとなる本塁打王、打点王、首位打者の獲得はないものの、2010年にMVPを受賞するなど常にハイレベルな成績を残している。特筆すべきはその出塁率。リーグ首位となる最高出塁率を6度マークし、最多四球を5度も達成している。
2014年から10年契約を結んでおり、トレードされなければ生涯レッズでプレーすることとなりそうだ。また、2016年にはイチロー(当時・マーリンズ)に51枚のピザを送ったことが日本でも話題になっている。
ボットと同じように知名度があるのは、2014年にメジャー本格デビューを果たしたビリー・ハミルトン(レッズ)だ。快足で知られており、盗塁数は4年連続ナショナル・リーグ2位を記録。2014年の56盗塁から57(2015年)、58(2016年)、59(2017年)と年々、1つずつ盗塁数を増やし、今シーズンは60盗塁に期待がかかっている。
ブルワーズは勝負を賭けるか
このオフに、ダルビッシュの移籍先の候補として名前が挙がっていたブルワーズ。2017年は5年ぶりに勝率5割を達成したが、ポストシーズン出場はならなかった。
チーム躍進があった影響で、このオフに補強を進めている。ダルビッシュの獲得こそならなかったが、ロレンゾ・ケイン、クリスチャン・イエリッチという屈指の外野手をそれぞれ補強。ライアン・ブラウン、ドミンゴ・サンタナといった主軸もおり、打線は整ってきた。投手陣に不安は残るものの、ワイルドカード争いには割って入れる戦力といえるだろう。
地区優勝を果たした2011年以来ポストシーズンから遠ざかっており、1982年以来リーグ優勝がないブルワーズ。夏のトレード期限まで上位争いを演じていれば、緊急補強で勝負をかける可能性もありそうだ。
ナショナル・リーグ中地区で、台風の目となるのはブルワーズかもしれない。
※情報は2018年3月14日現在