16年間ポストシーズン出場なし
マリナーズはイチローが加入した2001年に地区優勝を果たしてから、16年に渡ってポストシーズン進出がなく低迷している。メジャーリーグにおいて、もっともポストシーズンから遠ざかっているチームでもある。
2018年現在のレギュレーションでは、アメリカンリーグ15チームのうち、東・中・西の各地区で優勝した3チームに、ワイルドカードの2チームを加えた合計5チームが、ポストシーズンに進める。その3分の1にも入れないのが、マリナーズの現状だ。
昨シーズンも78勝84敗で地区3位、6つの負け越しと奮わなかった。同じ西地区にワールドチャンピオンでもあるアストロズがおり、厳しい戦いが続くことが予想される。今シーズンは巻き返しを図りたいところだろう。
カノー、クルーズが中心の打線
打線の軸となるのは、2017年シーズンの打点王ネルソン・クルーズと、ヤンキース時代にイチローとチームメートでもあったロビンソン・カノーだ。そのふたりを支えるのが、カイル・シーガー、ジーン・セグラ、そして今シーズンから加入したディー・ゴードンとなるだろう。ゴードンはマーリンズ時代にイチローとチームメートで、イチローを師として慕っている。
現在、クルーズ(37歳)、カノー(35歳)ともベテランの域に差し掛かっており、元気なうちにポストシーズン進出を勝ち取りたいところだろう。
イチローが加わった外野陣はベン・ギャメル、ミッチ・ハニガー、ゴードンがレギュラー格となる。だが、ギャメルとハニガーは、スプリングトレーニング後に故障。ゴードンは、今シーズン二塁から中堅へのコンバートとなっており、外野守備は未知数。そこで、経験があり外野の3ポジションを守ることができるイチローに声がかかったのだ。
故障者が復帰すれば、イチローはマーリンズ時代と同じく控えに回るだろう。しかし、現時点ではスタメンでの出場が濃厚。また、打順は下位打線を任されることが予想される。ベテランの技を再びセーフコ・フィールドで見せてくれることに期待がかかる。
エースは『キング』ことフェリックス・ヘルナンデス
投手陣の顔ぶれを見てみると、エースは『キング』ことフェリックス・ヘルナンデス。通算160勝をマークしている現役屈指の右腕だ。オープン戦で打球が右ひじに直撃し、登板を飛ばしているが大事には至らず、開幕には間に合う見込み。故障もあって16試合の登板に終わった、昨シーズンの借りを返したい。
2番手以降はジェームズ・パクストン、マイク・リーク、エラスモ・ラミレスらが続く。岩隈久志もマイナー契約で在籍しており、故障が癒えればローテーションに入ってくる可能性はありそうだ。
守護神はエドウィン・ディアズが務める。昨シーズンは66試合に登板し、34セーブをマーク。2017年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でもプエルトリコ代表として出場を果たしている。
今シーズンのマリナーズは、イチローが加わったことで注目度が高まることは間違いない。しかし、同地区のライバルであるアストロズとの戦力差は大きい。ワイルドカード争いになんとか踏みとどまり、2001年以来のポストシーズン出場を目指したい。