3年連続開幕投手に4年連続2桁勝利
2014年からヤンキースでプレーしている田中。デビュー戦で初回先頭打者本塁打を浴びたものの、白星で飾りメジャーリーガーとしての第一歩を踏み出した。その後も白星を積み重ね、前半戦で12勝3敗と好成績を残し、オールスターゲームのメンバーにも選ばれている。右ヒジの故障で出場は辞退したものの、1年目からその活躍が認められていたといっていいだろう。その後、シーズン終盤に復帰し1年目は13勝5敗、防御率2.77の成績を残している。
2年目は開幕投手に選ばれたものの、4月後半から約1ヶ月半もの間離脱し、シーズンを通した活躍はできなかった。しかし、12勝7敗で2年連続となる2ケタ勝利をマークしている。3年目も開幕投手を任された田中は、シーズンを通して故障者リストに入ることなく31試合に先発。14勝4敗、199.2回を投げ防御率3.07とエース級の成績を残し、最終盤まで最優秀防御率のタイトルを争い、サイ・ヤング賞投票でも7位に入った。
昨シーズンは3年連続となる開幕投手になったものの、前半戦は不調だった。5月8日時点で5勝1敗と4つの貯金を作っていたものの、6連敗を喫するなど7勝8敗でオールスターブレイクを迎えることになる。後半戦に入り持ち直し、最終的には13勝12敗と4年連続となる2ケタ勝利をマークした。しかし、自己ワーストの防御率4.74は満足いく数字ではなかっただろう。
【田中将大・年度別成績】
(2014年)20試合/13勝5敗/防御率2.77
(2015年)24試合/12勝7敗/防御率3.51
(2016年)31試合/14勝4敗/防御率3.07
(2017年)30試合/13勝12敗/防御率4.74
(通算)105試合/52勝28敗/防御率3.56
ダルビッシュと同じ!? アストロズが苦手!
4年間で105試合に登板している田中だが、各球団との相性はどうだろうか。対戦チーム別の成績を見てみよう。勝ち星を多く稼いでいるのは、登板機会が多いアメリカンリーグ東地区のチームとなっている。トロント・ブルージェイズから9勝(4敗)、タンパベイ・レイズから7勝(2敗)、ボストン・レッドソックスからも7勝(4敗)と3チームから23勝をマークしている。一方でボルチモア・オリオールズからは2勝(2敗)となっており、貯金を作ることができていない。
3勝以上をマークしていながら、無敗のチームもある。シアトル・マリナーズ(6勝)、ミネソタ・ツインズ、シカゴ・ホワイトソックス(ともに4勝)だ。この3チーム相手には相性もよく、今シーズンも登板機会があれば白星を積み重ねたいところだろう。
一方で相性がよくないチームもある。それはヒューストン・アストロズだ。4試合に登板し0勝2敗、防御率10.38と打ち込まれている。昨シーズンは1試合のみの登板だったが、2回途中で4本の本塁打を浴びるなど炎上した。しかし、ポストシーズンでは2試合に登板し1勝1敗、防御率1.38の成績を残しリベンジに成功している。
このアストロズは昨年のワールドシリーズにおいて、田中と公私ともに仲のよいダルビッシュ有(現カブス)も打ち込まれている。世界一になるためには避けて通れないチームだけに、今シーズンはシーズン中の戦いから圧倒したいところだ。
【田中将大・対戦相手別勝利数】
(9勝)ブルージェイズ
(7勝)レイズ、レッドソックス
(6勝)マリナーズ
(4勝)ツインズ、ホワイトソックス
(3勝)アスレチックス
(2勝)オリオールズ
(1勝)ナショナルズ、カージナルス、メッツ、ブリュワーズ、エンゼルス、タイガース、インディアンス、レッズ、カブス、ブレーブス
同地区のキアマイアーが苦手!
対戦打者別ではどうだろうか。10打席以上の対戦がある選手で絞ってみると、ケビン・キアマイアー(レイズ)、エドウィン・エンカーナシオン(インディアンス)らを苦手としている。とくに同地区で対戦機会の多いキアマイアーは昨シーズンも打率.500(4打数2安打)と抑えこむことができなかった。
一方で、4年連続39本塁打以上を放っているネルソン・クルーズ(マリナーズ)、2015年アメリカンリーグMVPに輝いたジョシュ・ドナルドソン(ブルージェイズ)らは封じ込めている。
【田中将大・主な苦手選手】
・ケビン・キアマイアー(レイズ)
打率.467(15打数7安打)/1本塁打/1打点/2三振
・エドウィン・エンカーナシオン(インディアンス)
打率.455(22打数10安打)/1本塁打/2打点/5三振
【田中将大・主な得意選手】
・ネルソン・クルーズ(マリナーズ)
打率.125(24打数3安打)/0本塁打/1打点/8三振
・ジョシュ・ドナルドソン(ブルージェイズ)
打率.161(31打数5安打)/1本塁打/3打点/7三振
今シーズンは日本人投手として野茂英雄以来となる5年連続2ケタ勝利に挑むことになる田中。同地区の苦手打者を克服しエースとしての投球を見せて欲しい。
※数字は2017年シーズン終了時点