2016年に108年ぶりのワールドチャンピオンに
ドジャースからFAとなっていたダルビッシュ有がシカゴ・カブスと契約した。6年総額1億2600万ドル(約137億円)が保証されており、出来高を含めると1億5000万ドル(約163億2000万円)となる。※1ドル108.8円換算
そのダルビッシュが加入するカブスはナショナルリーグ中地区に所属しており、リグレー・フィールドを本拠地としている。この球場は1914年に開場した100年以上の歴史を誇る球場だ。現在メジャーリーグで使用されている球場の中で2番目に古いことでも知られている。そして1988年まで照明設備がなく、ナイター開催ができなかった球場でもある。その他の特徴としては外野フェンスがツタに覆われており、その中にボールが入ると二塁打となるグラウンドルールが存在することがあげられる。
チームの歴史を振り返ると1907年、1908年とワールドシリーズを連覇するがその後、低迷することになる。なんと2016年まで108年間にわたり、チャンピオンになることはできなかったのだ。しかし、2016年に地区優勝からリーグ優勝、ワールドシリーズ優勝を果たすと翌2017年も地区優勝。今シーズン(2018年)も補強を進めており、3年連続の地区優勝、そして2年ぶりのワールドチャンピオンを目指している。
チームを率いるジョー・マドン監督は2006年からタンパベイ・デビルレイズ(現・レイズ)の監督へ就任。創設間もない球団を2008年にリーグ優勝へと導くなど9年間で4度のポストシーズン出場を果たした名将だ。2015年からカブスの監督へ就任するとワイルドカード、ワールドチャンピオン、地区優勝と3年連続ポストシーズンへと進出しその手腕を発揮している。
編成を行っているのはセオ・エプスタイン副社長だ。ボストン・レッドソックスのGM時代は2004年に84年ぶりとなるワールドチャンピオンにチームを導くなど実績を残し、2012年からカブスへとチームを移り同様に成果をあげている。また、経済誌・フォーチュンでは『世界で最も偉大なリーダー』で1位に輝くほどの人物でもある。
ダルビッシュはエース・レスターに次ぐ2番手か?
チームの陣容を見ていこう。ダルビッシュが加入する投手陣はどのような戦力なのだろうか。昨シーズン(2017年)までのエースであるジェイク・アリエッタがこのオフにFA。現時点でのエースは左腕のジョン・レスターだ。2015年にカブスへ加入すると3年連続2桁勝利を達成し43勝25敗の成績を残している。昨シーズンは13勝8敗と貯金を5個作ったものの、180.2回を投げ防御率4.33の成績で今ひとつ。2011年以来6年ぶりに200回に到達できなかった。今シーズンは200回を投げきりエースとしての投球が期待される。
その他にはホセ・キンターナ、カイル・ヘンドリックス、タイラー・チャットウッドらがローテーション投手に入ってくる。この陣容で見るとダルビッシュはレスターに次ぐ2番手の位置づけとなりそうだ。
中継ぎ陣を見るとクローザーはこのオフに加入したブランドン・モローだろう。昨シーズンはロサンゼルス・ドジャースでセットアッパーとしてプレー。ワールドシリーズでは7試合全試合に登板するなどタフネスぶりをみせた。シーズンでも43.2回を投げ50奪三振と三振を奪う能力が高く、抑えの役割に適任だろう。
昨シーズン、上原浩治が務めたセットアッパーはペドロ・ストロップ、カール・エドワーズ・ジュニア、スティーブ・シーシェックあたりが任されることが濃厚だ。
次世代のスター!クリス・ブライアントを中心とする打撃陣
ダルビッシュを援護する打撃陣の中心はクリス・ブライアントだ。2015年にメジャーデビューし主軸として活躍。打率.275、26本塁打、99打点の成績でルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)を受賞。翌2016年にはMVPを受賞するなどメジャーのスター選手の仲間入りを果たしている。1992年生まれの26歳とまだ若い。カブスの黄金期を支える中心人物となることに期待がかかる。
ブライアントとともに主軸として活躍するのがアンソニー・リゾだ。4年連続30本塁打以上を放つ主砲でもあり、今シーズンも3番もしくは4番を任されることが濃厚。2016年には一塁でグラブ賞に輝くなど守備にも定評があり、打って守れる一塁手としてダルビッシュを助けてくれるだろう。
その他には元捕手でもある強打者のカイル・シュワーバー、守備に定評があるアディソン・ラッセル、最強ユーティリティープレーヤーのベン・ゾブリスト、4年連続ゴールドグラブ賞を受賞しているジェイソン・ヘイワードなどのタレントもいる。2年ぶりの世界一へ向け準備は万端だ。
※情報は2月11日時点