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【MLB・2017-2018】トレードもメジャー級!オフの主な移籍情報

2018 1/19 18:29mono
野球ボール、グローブ
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2017年MVPスタントン選手がヤンキースへ!

現時点において、もっともビッグニュースとなったのは、ジアンカルロ・スタントン選手のマーリンズからヤンキースへのトレードだろう。交換相手はスターリン・カストロ選手、そしてふたりのマイナー選手だった。
スタントン選手は2017年シーズンに打率.281、59本塁打、132打点の成績で本塁打王、打点王の二冠を獲得。ナショナルリーグMVPにも選ばれたスター選手である。
そんな選手がトレードに出されるのがMLBの移籍市場なのだ。日本で例えると筒香嘉智選手(DeNA)がトレードされるようなものだろうか。

スタントン選手の年俸は1450万ドル(2017年)だったが、2500万ドル(2018年)に跳ね上がることもあり、兼ねてからトレードの噂はあった。それがマーリンズのオーナー交代により、加速したのである。
移籍先であるヤンキースには、2017年のアメリカンリーグ本塁打王(52本塁打)であるアーロン・ジャッジ選手が所属。2018年シーズンは前年の両リーグ本塁打王がそろい踏みする打線を形成することになった。

また両選手ともに右翼が定位置ではあるが、ヤンキースは指名打者制のあるアメリカンリーグ所属。スタントン選手が指名打者におさまり、ジャッジ選手が右翼を守ることになりそうだ。
ふたりで111本塁打と破壊力ある選手が揃ったヤンキース。田中将大選手をはじめとした投手陣たちにも嬉しい知らせだろう。

マーリンズはスタントン選手だけじゃなくオズナ選手もトレード!

スタントン選手をトレードで放出したマーリンズは外野の一角であるマーセル・オズナ選手もトレードで放出した。2017年シーズンのオズナ選手はキャリアハイとなる打率.312、37本塁打、124打点の成績をマーク。
チームは低迷したものの、スタントン選手らとともに奮闘したひとりでもある。

オズナ選手は1990年生まれとまだ若く、今後チームの柱となることが期待されていたが、マイナー4選手とのトレードでチームを去ることになった。マーリンズはスタントン選手、オズナ選手とレギュラー外野手を次々に放出し、第4の外野手としてプレーしたイチロー選手との契約も結んでいない。
オーナーには人件費削減の命題があることは理解できるが、ファンから批判の声が相次いでいる。その声を結果で覆すことができるだろうか。

コール選手がワールドチャンピオンのアストロズへ!

2011年のドラフトで全体1位指名を受けたゲリット・コール選手。2013年にメジャーデビューを果たし5シーズンで通算59勝(42敗)、4度の2桁勝利をマークするなどキャリアを順調に過ごしてきた。
そのコール選手を2017年ワールドチャンピオンになったアストロズが、4選手とのトレードでパイレーツから獲得した。ジャスティン・バーランダー選手、ダラス・カイケル選手らが揃っている先発投手陣にビッグネームが加わった格好だ。

コール選手は2017年シーズンに33試合に先発し203回を投げ、12勝(12敗)、防御率4.26の成績を残している。1年間ローテーションを守れることを証明したが、被本塁打は31本とリーグワースト2位タイ。
しかし、同等のイニング数を投げた2015年(208回)は被本塁打11本。約3倍に悪化しており、その点は気がかりだ。
パークファクター(球場ごとの偏りを示す指標)では本塁打の項目でPNCパーク(パイレーツの本拠地)よりもミニッツメイドパーク(アストロズの本拠地)の方が高く、被本塁打数がさらに増えるかもしれない。コール選手の被本塁打に注目したい。

チームの象徴ロンゴリア選手がまさかの移籍!

2006年ドラフト1巡目(全体3位)でレイズ(当時・デビルレイズ)に指名され、生え抜き選手として2017年までプレーしてきたエバン・ロンゴリア選手。メジャーデビューした2008年にはルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)を受賞。
打撃タイトルの獲得こそなかったものの、10年間で打率.270、通算261本塁打、892打点の成績を残し、生涯レイズでプレーするものと思われた。

そんなチームの象徴とも言えるべき選手が、ジャイアンツへトレード移籍することになったのだ。
ロンゴリア選手は10年間応援してくれたファンに対し、新聞の広告で感謝のメッセージを伝えた。こういった恩返しがあるのもMLBのよいところかもしれない。

療養中の母親のそばへ!ピスコッティ選手

MLBではときに感動的なトレードもある。カージナルスからアスレチックスに移籍したスティーブン・ピスコッティ選手がそうだ。
2017年にピスコッティ選手の母親が筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し、現在カリフォルニア州プレザントンで療養している。家族の近くでプレーできるようにとプレザントンから近いオークランドを本拠地にしているアスレチックスへとトレードされたのだ。

もちろん、単純に温情だけではない。ピスコッティ選手は2016年に打率.273、22本塁打、85打点の成績を残した強打の外野手だ。
アスレチックスでも右翼のレギュラーとして計算されている。母親のためにも好成績を残したいところだ。